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人をシアワセにする能力者  作者: 夜月桜 麗
4/5

僕の能力。

「・・・は?」

目の前で倒れた男はピクリとも動かなくなった。

「・・・お、おい?」

なんで何も答えないんだよ?

なんで、急に倒れたんだよ。

「そ、そうだ、救急車!!」

僕は急いで119番を打ち込み、電話をかけた。スマホを持つ手が震えているのがわかる。冷や汗が止まらない。

『はい、119番です、どうされました?』

「ひ、人が急に倒れて────」






そのあとは記憶が曖昧だった。

男は死んだ。ただ、それだけが分かった。

なんで、急に死んだのかは説明されなかった。されてたとしても、僕はあまり聞いていなかった。人が目の前で死んだ事実だけが頭に残っていた。

「これから、どうしよう。僕、小鈴の為に生きてきたのに」

復讐する前に目の前で犯人が亡くなった。

もう、生きる意味あんのかな・・・。

僕、どうすりゃいいのかな・・・。

「こんな能力、持っていたってなんもならないじゃないか・・・何が幸せにする能力だ、小鈴は死んじまったじゃねぇかよ」

歩道橋をトボトボ歩きながらに僕は言葉を吐いていた。

そのときだった、目の前に黒いスーツを着た男が目の前に現れた。そして僕を見て言った。

「草野叶くんかな?」

「・・・誰だよあんた」

黒スーツの男は僕をじろじろと見てから言った。

「君が『人をシアワセにする』能力者だね?」

「おいだから誰だよ」

「おっと、君の能力危険だから名乗らせて頂くよ。おじさんは美羽 映三。能力は『全てを記憶する』能力だよ。」

「ほーん、で、何の用ですか」

胸糞悪いのにこんなやつに絡まれるとか最悪すぎる。早く帰らせてくれ・・・。

「君の能力、危険だからおじさん達が君を管理することになったんだ」

「は?どういうことだ?」

僕の能力が危険???

そんなはずないだろう。幸せにするだけだぞ。

「あれ?君、自分の能力が何だかわかってないの?」

「え?人を幸せにする能力だが?それで父さんの仕事も上手くいって・・・」

「違うね。」

「は?」

何を言っているんだこいつは。

僕は黒スーツの男を睨みつけた。

「まぁまぁ落ち着いて。それは表上の能力だ。でも、君の裏の能力は死合わせにする能力。つまり、人を死なせる能力なんだよ」

「・・・え」

人を死なせる?

じゃあ小鈴は僕のせいで死んだのか?

あの日、喧嘩したから。そんで、犯人も俺が死なせたのか?

呼吸が荒くなっていくのがわかる。

苦しい。辛い。

「そう、君は幸せも不幸せも併せ持つ『人をシアワセにする』能力者なんだよ」

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