告白の相手は幼なじみ。
「貴方は『人をシアワセにする能力』を持っています。」と小学生の頃に言われた。僕は、嬉しかった。人を幸せにしてあげられる素晴らしい能力を持っていたことがただ嬉しくて、友達や家族を幸せにしてあげたいと、楽しく生きていたいと、そう思って、能力を使っていた。僕の能力は少しずつ強くなっていった。クジで1等を当てたり、給食で好きな食べ物が出たり、小さな小さな力から、お父さんの仕事が上手くいったり、少し大きな力へ。この能力は、素晴らしい能力なんだ。そう思ってた。あの時までは──
高校2年生の暑い暑い日。
「叶、おっはよー!」
「おはよー」
コイツは小鈴。僕の幼なじみ。髪の毛は肩まであって、さらさらしている。身長は152cmだそうだ。
「今日暑すぎん?」
太陽の日がジリジリとアスファルトを熱して、鉄板のようになっている。
「ねー、超暑いよね。」
学校についた。下駄箱を見ると、手紙が入っていた。
ん?手紙???まさか!!僕にも遂にモテ期が!?
「あっれぇ叶くんそれはなにかなぁ?」
小鈴はニヤニヤして聞いてきた
「ばっ!なんでもねぇよ!?」
「まぁ、叶、結構人気な方だしね。能力面で。」
そうなんだよなぁ。能力だけなんだよなぁ。
「ほらほら、チャイムなるよー」
僕は手紙をポケットにしまって騒がしい教室に入っていった。
放課後、僕は手紙に従い、屋上にいた。
緊張する。心臓がバクバクいっている。
そして、少女が現れた。
「.......は?」
小鈴だった。
「お前何しに来た?」
「え?手紙の主あたしだけど?」
あーなんだ。そういうことね。
「はぁ、ただのからかいかよ」
僕は屋上から居なくなろうとした、が。
「待って!!」
腕を掴まれた。
「叶、ずっとずっと好き。」
真剣な眼差しで僕を見つめる。
「でもさ、それって」
「違う!能力面じゃない!!」
小鈴は真剣な表情のまま僕に言った。
「優しいところが好き。一緒にいてくれるところが好き。くだらない話を一緒にしてくれるところが好き。それから」
「わ、わかったよ!それ以上は恥ずいからやめてぇ!」
顔が熱くなるのが自分でもわかった。
「叶、あたしと付き合って!」
能力面じゃない。ちゃんと僕のことを見てくれている。
応えなきゃ。
「付き合おう。一生幸せにする。」
この能力はきっと、小鈴を幸せにする為にあるんだ。
夜月桜 麗です。はじめての方、前回の作品を読んでくださった方、こんにちは。皆さんは、能力を手に入れるとしたら、どんな能力がいいですか?私は瞬間移動したいです。遅刻しそうなときに使えるじゃないですか(笑)
本編では、主人公が「人をシアワセにする能力」を持っていましたね。はてはて、どうなることやら()では、また次回お会いしましょう。