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7,高校生編『たっくん』

ゆうはほんとに枯れていた。


男性に興味が全く出なかったのだ。

元々興味があった訳でもないがな。


とっくに2年生になっていて、クラスメイトも変わっていた。

が、たかむらさんばかりで全然遊びに行ってなかったので、

クラスメイトと遊ぶのに時間を使うことにした。

しばらく彼氏を作るつもりはなかった。


この時仲良かった友達が、今でも仲の良いグループである。


ちなみに、たかむらさんが北海道に帰ってからは、

バイトを始めた。

友達のお母さんの行きつけの居酒屋と、

別の友達のお母さんが働いているコールセンター。


暇ならやらない?

程度に誘われたのだ。

お金はあっても困らないし、バイト自体好きだったからね。

即決OKしたよ。


高2の春。3月かな。

3月ならまだ高1か。

ゆうはスマホゲームを始めていた。


まだリリースしたばかりのゲームで、ぼくとド〇ゴンというバトルゲームだ。


ゲーム自体ハマったことがなかった。

クソゲーや、パズルゲームならちょこちょこやっていたが、

難しいゲームは理解できないので避けていたのだ。


このゲームには、チャット機能とギルド機能がついていた。

ゆうはおしゃべりが大好きだった。

更に、1番初めに加入したギルドが、初心者にとても優しく、

1からなんでも教えてくれる、言わば神ギルドだった。


ゆうはハマった。


1日3回のバトルにはほとんど出ていた。

バイトの時間と被っても、バトルには出ていた。

どっちも知り合いのところで緩かったからね♪


色々あって、その神ギルドの近所に住んでるメンバーでオフ会をしようとなった。


ゆうと、りょーちゃん♂︎と、うめ姉♀︎の3人。


りょーちゃんは1個上の専門学生。

うめ姉は5つくらい上だったかな?空港勤務だった。


平日の夕方から。

居酒屋に行って、カラオケで二次会。

ゆうが高校生だった為、ちゃんと早め解散した。

偉い。


初めてのオフ会だったので、とても緊張していた。

が、とても楽しかった。


同じゲームをしてる友達がいなかったので、

同じ空間でバトルをするのがとても楽しかった。


初めてのオフ会が成功したので、ゆうは今も、知らない人と会うことに抵抗がないのだろう。

これがつまらなかったりしたら、今後オフ会に参加することはなかったのかな。


後日、りょーちゃんと付き合うことになる。

ゆうは押しに弱く、押され続けた結果、ゆうが折れたのだ。


が、すぐ別れることになる。

りょーちゃんは束縛が激しかった。


バトルしてたり、ギルドチャットでおしゃべりをしてる時に、

L〇NEを返さないでいると、怒るのだ。


めんどくさかった。

もう束縛に疲れてしまっていたゆう。

すぐ別れた。


なのでりょーちゃんはゆうのなかでノーカンだ。

ちゅーしかしてないし、3回くらいしか会ってないからね。


色々あって、神ギルドを抜けて、自分でギルドを建てたり、

知らない人のギルドに加入したり、また自分でギルドを建てたり。


ほんとにドハマりしていた。


が、終わりが来た。

そう。このゲームは課金が全て。

課金でしか手に入らないキャラクターがいるのだ。


ゆうは課金勢ではなかった。

課金したい気持ちはあったが、当たらない人を見てると、

なかなか重課金勢になりたいと思わなかった。


高2のハロウィンの時期。

課金専用ガチャに、最強のキャラクターが現れた。

それを出し続ければ大抵の敵を倒せるほどに強かった。


今でも覚えてる。

大嫌いだ。あんなカボチャ。


ゆうは心が折れた。

どんなに作戦を考えても、どんなに作戦を練っても、

そのキャラクターが大量に出てくると、勝てないのだ。


思考ゲームではなくなった。

どっちのギルドが沢山カボチャを出せるか。


課金をほとんどしていないゆうには難しい戦いだった。


ゆうはギルドを解散させた。

勝てないバトルが続き、やる気が無くなってしまったからね。


だが、このゲームをアンインストールすることは無かった。


バトルの時間になると、ついゲーム画面を開いてしまうのだ。


ゆうは知らない人のギルドに加入して、まったり続けることにした。


とてもいいギルドだった。


みんながおしゃべりで、みんなが可愛がってくれて。

夜のバトルは、毎日L〇NE電話をみんなで繋ぎながらしていた。


が、色々あってギルドを抜けた。

あんまり覚えてないけど、確か性格が合わない人が来たのかな?

そんなんだった気がする。


次のギルド。

ここは、ギルドマスターとサブマスターが夫婦だった。

ギルドメンバーも、マスターのリア友が何人かいた。

もちろん、リア友じゃない人もいたけどね。


ゆうもリア友並みに仲良くなっていた。

特に仲良かったのは『たっくん』。


おしゃべりな人で、終日いつでもログインしていた。

かまちょなゆうは、仲良くしてくれるたっくんが大好きだった。

あ、恋愛感情じゃなくて、近所のお兄さん感覚だった。


半分ほんとで半分嘘だ。

たっくんと仲良くしようと思ったのは、身長を聞いたからだ。

なんと192センチあった。

ゆうより40センチも大きかった。


おそらく、なんだかんだ、たかむらさんに引きづられてたんだろうな。

たかむらさんの身長も183センチと、かなり大きかった。

ゆえに、高身長ってだけで、ゆうの興味は一気にたっくんにいった。


たっくんは10個年上だった。

終日いつでもログインしている10個上のお兄さん。


疑問に思った。

仕事はしていないのだろうか。


純粋なコドモは怖い。


ゆう「たっくんはニートなの?」


ほんとにストレートに聞いた。

多分ゆうはアホなんだと思う。


たっくん「元々工場勤務だったけど、今は療養中だよ(^^♪」


ゆうは、たっくんがどこか怪我をしていて、一時的に仕事を休んでいるのだと思い、

別に仕事に興味があったわけでもなく、これ以上追求することは無かった。


仲良くし続けてるうちに、たっくんはゆうのことを好きになっていた。


が、次第にゆうも気付くことがあった。

これ一時的じゃなくて本物のニートだと。


ゆうはニートとは付き合う気がなかった。

そもそも別に彼氏が欲しいと思ってなかったし、付き合うなら普通の人が良かった。

お金ないと何も出来ないしね。


たっくんはバイトを始めた。

元々貯金を切り崩して実家で生活していたらしいが、底をついてきたらしい。


今思えばなんで就職じゃなくてバイトなんだと突っ込むべきだった。

ゆうは働きさえしてくれればなんでもいいと思っていた。


たっくんも、結構ヤバめな人だったと思う。

が、ゆうの感覚は麻痺していたのだろう。

そのヤバさに気づくのはだいぶ先となる。


ちなみにたっくんは生まれも育ちも大阪だ。

まだ1度も会ったことは無かった。


遠距離恋愛は向いてないと、ずっと言い続けていたのだが、


たっくん「やってみてダメだったら別れていいから。」


たっくんのその言葉で、まぁそれならと、付き合うことなった。


当時ゆうは17歳。

たっくんは26歳。


うん。犯罪だな。


高2の正月。

たっくんと会うことになった。


同じギルドのマスター、サブマスター、ギルドメンバー。

みんな大阪に住んでいた。


ゆうが大阪来るならと、みんなでオフ会をすることにした。


初日。

たっくんとデートだった気がする。

あんまり覚えてないな。。。

あ、思い出したぞ。


駅まで迎えに来てくれたんだ。

そうだ。

何故か、たっくんの友達が一緒だった。


たっくんは免許を持っておらず、友達の車で友達が運転し、

たっくんは後部座席に座っていたのだ。


ゆうは深く考えることなく、ゆうが泊まる予定だったホテルにチェックインすることにした。


たっくんは実家だったからね。

さすがに実家はちょっと。。。


ホテルに荷物を置いて、3人で夜ご飯を食べに行く流れだった。


荷物を置くのに着いてきたたっくん。

部屋に入るや否や、襲われた。


元々たっくんがえっちなことが大好きなド変態だったのは知っていた。

ゆうも、致すことは初めてではなかったので、

そこまで抵抗感はなかった。


いや、抵抗したな。

下で友達待ってるじゃん!とか言ってめちゃめちゃ抵抗した覚えがあるぞ。

結局最後までシタケドネ。


2日目は、ギルドマスターの家でタコパをした。

実に美味しかった。

やっぱり大阪の人たこ焼きって味違うんだね。

美味しすぎてびっくりした。


2日目の夜は、二人でネカフェに泊まった気がする。

たしか。。。

そうだ。初日に迎えに来てくれてたたっくんの友達が、

ネカフェまで送ってくれた覚えがあるぞ。


どんだけ友達頼りなんだよ。笑


もちろんネカフェでも致した。


店員さんごめんね。


3日目は、さすがにたっくんの友達はいなかった。

いなかった理由は仕事だったから。

3日目も休みだったら一緒に来てたのだろうか。


んー。たしか水族館に行ったような〜行ってないような〜。

多分デートしたんだと思う。


そして帰った。


当時のゆうは、特に深く考えることはなく、普通に楽しい3日間だった。


ちなみにたっくんよりゆうの方がお金を持っていた。

ゆえに、交通費、宿泊費は自分持ちだった。


今思えば、ありえないな。

どうしたんだゆう。

どう見ても頭おかしいだろたっくんは。

なんで付き合ってたんだろう。。。


そして、この関係は約1年半程続くのであった。


たっくんは変わらない。

バイトもずーっと週3~4日。しかも1日3.4時間程。

そりゃ週6ペースでバイトしてたゆうのがお金持ってるわな。


結局1年の間に3回、ゆうは大阪へ行った。

どれも大体初回と同じ感じだ。

特別話すことは何もない。


あれ?高校生ってそんなにお金有るっけ?

つくづくゆうは物欲なかったんだなぁと思うね。


ゆうは社会人になった。


社会に出てやっと気づいた。

たっくんのおかしさに。


ゆうはたっくんと別れることに決めた。


別れようと思ってからは自分で会いに行ってなかった。

言い出すタイミングを待っていたのだ。


すると、たっくんは察したのか、こっちへ来るという。


が、こっちには観光地などないので、じゃあ、熱海に温泉旅行しようとなった。


これが最後である。


たっくんが東京駅に来て、一緒に新幹線で熱海に行く。

行き道で早々喧嘩をした。


たっくんが切符を失くしたと言い出すのだ。


しかも、失くしたのはたっくんなのに、

あろうことか駅員さんにキレ始める。

ゆうはイライラしてきた。

遂にキレて、たっくんを置いて旅館へ歩き出す。


歩いていると、後ろからたっくんが走ってきた。

どうやらカバンや財布、ポケットの中を探していたら、

見つかったそうだ。


たっくんを殴るところだった。

危ない危ない。


旅館に着いてからも特にこれと言って面白いことはなく、

至って普通の温泉旅行だった。

もちろんあっちの方も致したよ。


あ、ご飯は美味しかったなぁ。


そして帰り際、別れを告げる。


泣かれた。


が、そんなの知らない。


新幹線の時間もあったので、2人は解散する。


そこからは連絡を返していない。


そう。全部無視し続けたのだ。



ちなみにこの時には既に、ぼくとド〇ゴンのゲームは全くやっていなかった。


ゆうは社会人になってバトルの時間が取れなくなり、

アカウントはたっくんにあげていた。


…未だにゆうのアカウントで遊んでるみたいだけどね。


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