3,中学生編『こうすけ』
誰がどの順番だったか、正直に言うと、定かではない。
まぁ順番なんてどうでもいいじゃないか。
ゆうの地域には、歩いて行ける距離に4つの中学校があった。
本来なら選択肢などなく、1番近くの学校に行かなくてはならない。
他を選ぶなら抽選に当たらないと行けない。
1番近くの学校は、ゆうの苦手とする”パリピ”が沢山いた学校だったのである。
更に、ゆうの代の希望率が低すぎて2クラスにしかならないという。
何が嫌かと言うと、まず、パリピ怖い。
あいつらは自分たちには優しいのに他人に厳しい。
パリピ怖い(ド偏見)
あと、クラス替えがワクワクで好きだったのに、
2クラスしかないとかワクワクなんてほとんどない。
行きたくなかった。
そんなゆうは、親の反対を押し切り、少し先の学校に行くことにした。
1番近くなら歩いて5分だったのにね。
そこには、いとこが通っていた為、ゆうが行ける抽選の優先順位は高かったのだ。
当然当選した。
意外と当選確率は低く、同じ小学校のメンバーは、なんと6名ほどしかいなかった。
少し寂しい気もするが、友達を作るのが苦手ではなかった。
が、やはり、小学校の時からの友達は特別だ。
幼なじみと呼べるだろう。
その数少ない同じ小学校からの友達、『こうすけ』
小3くらいから仲良くて、同じグループで遊ぶ仲だった。
こうすけも野球少年だった。
かずまは部活で。こうすけはクラブチームで野球をしていた。
別枠だ。
別に野球してる人が好きな訳では無い。
たぶん。
クラブチームに所属してると、部活で野球部には入れない決まりがあった。
まぁ試合はだいたい土日だし、被っちゃうだろうしね。
そのため、こうすけは陸上部に入っていた。
後にゆうも陸上部に加入することになる。
ゆうは入学当初、いとこが加入していたファミリー部というものに加入した。
そう。俗に言うお料理部だ。
理由は簡単。
特にやりたいこともないが、部活は必須。
知ってる人がいるし、週1日しか活動日がない。
入るに決まっていた。
…嘘である。
学校でお菓子が食べられるからに決まってるだろ!!!
そう。お菓子に釣られたのである。
なんて浅はかなんだ。。。
別にファミリー部は嫌いだから辞めた訳では無いよ。
よく一緒に遊んでいたクラスメイトは陸上部とバスケ部の子達だった。
気づいた。
同じ部活に入ればずっと一緒にいられる!!!
なんて浅はかなんだ。。。
練習中なんて遊べるわけがないのに。。。
陸上部とバスケ部で悩んだ。
いや、嘘だ。
陸上部一択だった。
走るのは嫌いだが、バスケはボールが大きくて突き指が痛い。
痛いことの方が嫌いだったのである。
次の日には陸上部に転部していた。
そう。そこにいたのがこうすけだった。
ま、知ってたけどね。
実を言うと、少し遠目の学校を選んだせいで、登下校が暇だった。
一緒に帰る友達が欲しかったのである。
こうすけの家はゆうの家にかなり近い。
陸上部に入るだけで友達とずっと一緒だし、帰り道も一緒に帰る人がいる。
一石二鳥的な感じだった。
付き合うのは遠くない話だった。
中1の秋頃だったかな。
毎日メールして、手を繋いで帰って。。。
普通の毎日を過ごしていたが、次第になんだか恥ずかしくなってきた。
そう。遅れてやってきた”照れ”
ゆうはかなり鈍感だったようだ。
友達感覚だったのだが、こうすけからの愛にだんだん気づいてきた。
男子グループと女子グループで帰り、
家の遠いこうすけとゆうは、途中で合流してそこから2人で帰る。
というのが毎日のルーティンだった。
当然こうすけの帰宅ルートは知っていた。
ゆうは、異なる道から帰るようになった。
わざと会わないように遠回りをしたり。
そう。こうすけを避け始めたのだ。
よく言われた。
「最近会わないね」
毎日同じ道を同じ時間帯に通るのだから、会わないはずがなかった。
ゆうが避けてさえいなければ。
こうして避け続け、こうすけとは別れた。
あ、かずまもこうすけも、仲悪くなったりしてないよ?
友達に戻るだけ。
別れても、他の誰かと付き合うだけなのだから。
幼なじみとの恋愛って上手くいかないもんなんだね。
ゆうのせいだけど。