第2話:前鬼と後鬼
閲覧いただきありがとうございます!興味のある方は是非最後まで読んでみてください!!
「よし、それじゃ自己紹介でもするか」
入学2日目の最初の授業で俺たちAクラスでは自己紹介が行われていた。
因みにクラスはAからDまであって能力値が高い順なのだが入学試験で普通程度のクラスに入るため手加減をしたがまんまとAに入ってしまった。
「じゃあ次天城夢斗、自己紹介しろ」
「はい、天城夢斗です、祓魔師としては皆さんに比べてまだまだですが是非仲良くしてください。」
こういうのは目立たないように無難にするのが1番だ。
「あれが天城家の当主なの?意外と話しやすそうな人だね!」
「あれが噂の・・・」
と、いう風に八咫烏の事はバレていないが周りの生徒には俺の家系が少々有名な巫女の一族なせいで話題になってしまうが、この学園では普通の家系じゃない方が珍しい。
そんな感じで自己紹介は終わり、Aクラスを担当する講師の七草から授業変更について話が始まった。
「二時限目の実技講義についてだが、今日は代わりにお前ら1年で学年集会が行われることになった、時間になったら各自講堂に移動しろ」
「なぁ、夢斗?実技講義って要するに祓魔術を使った訓練ってことだろ??」
美弥妃と榊原は同じクラスで席も近いので七草が言っていたことの確認をした。
「あぁ、でも、入学したばかりだし、確認事項とかそういうのがあるんだろ」
「なるほどなー、しかし戦えないのは残念だよなーアピールしたかったのによ〜」
戦闘狂って事をか?
そして二時限目になり移動した俺たちは講堂の椅子に座り始まるのを待った。
「皆さんお待たせしました、今から学年集会を始めます」
は?ただの学年集会でなんで学長の芦屋がくるんだ?
「今日皆さんに集まってもらったのは祓魔師とは切ってもきれない危険についてです。」
この集会なにかおかしい。
「祓魔師とは鬼や悪霊、それに悪魔やときには神のような物と戦わなくてはなりません」
生徒の大半が祓魔術に特化した者たちだぞ?今更そんな説明いるのか?
「時にはそれら魔の物に加担した人間とも戦わなくてはならないのです」
そう言った芦屋学長は胸の谷間から2枚の札を取り出して手で印を結んだ。
「なので今からあなた達にはその魔の物達を祓ってもらいますよ〜!」
学長が札から出したのは二体の鬼だった。
「前鬼と後鬼だ!なんでSクラスの祓魔対象がこんなところに?!」
それは伝承の中でもトップがクラスの鬼でその場にいた生徒達もパニックになり、逃げ出す者も居た。
「夢斗、久しぶりに暴れちゃう〜?」
「まぁ、待て」
榊原と美弥妃は久しぶりの戦闘をしようと血走った顔をして聞いてきた。
「見ろ、学長の手を、あれは解術の印だ」
要するに、実技講義がなくなったのではなく学長直々に生徒達の技量を・・・いや、俺と美弥妃と榊原への挑発か。
「美弥妃、榊原、お前らは手を出すな」
俺達以外の生徒は講堂の外へ避難し、前鬼と後鬼の標的がこちらへ向いた。
「雷斬、行くぞ」
俺は雷斬を抜いて前鬼と後鬼の前へと歩いた。
「雲を大地を一瞬にして駆け巡る雷光よその光にて邪気を祓え、」
俺が祝詞を唱えながら近づくと前鬼と後鬼は思い切り棍棒を振りかざした。
「遠雷波」
遠雷波は雷斬の切れ味と妖刀に備わる雷の力で光の速度で移動し、相手を斬る技だ。
「流石ですね〜やっぱ神童は」
「芦屋学長、これは一体どういう事ですか?」
前鬼と後鬼出すとか正気じゃないだろ。
「貴方の考えた通りですよ、しかしぜんちゃんとごうちゃんがこんなにも容易く・・・」
「本気で操ってなかったでしょう?それに俺は正体バレたらヤバいんですからやめて下さい」
もし他の生徒が逃げ遅れでもしたら大変な事だからな。
「このぐらいは良いじゃないですか〜!私だって若くて才能のある身体を目の前で・・・」
「それ以上言わなくていいですよ」
全くこのスケベババアが。
「そんな事より天城君、後ろの2人が私の首を刈ろうと怖いんですが・・・」
「美弥妃、榊原、もういい」
この2人といえば戦闘狂にも程がある。
「ちぇ、学長と戦ってみたかったのによ」
「お兄ちゃんだけズルイ!!」
人の首を斬りたがる妹でお兄ちゃんは悲しいよ。
「で?学長の目的は?」
「というと?」
何が、というと?だよ俺たちの実力なんてとうの昔に知ってるだろ?!
「俺たちをこの場で孤立させたのはなにか話したいことがあるからなんでしょ」
「気付いてましたかっ」
当たり前だろ?!
「入学して間もなくで申し訳ないんですが、今祓魔学園内では黒い噂が絶えないのですよ」
「黒い噂?」
この祓魔学園は優秀な祓魔師達が守っているはずだが・・・
「鬼を生み出す呪術師がいると言うんです」
呪術師とは鬼や悪魔その他の魔の者の力を借りて悪行を働く者のこと、それがなんで祓魔学園なんかにいるんだ?
「まだ噂レベルなので実体は掴めていませんが警戒するにこしたことはありませんからね」
「どうせ会長に言ってあるんでしょ?」
食えないババアだなまったく
「はいっ!ですので天城君には是非この件に関して協力して頂きたいのですが?」
「分かりました、やりますよ」
断ってもやらされる気がするし。
俺はこの日から学園に潜む呪術師を捕らえることになっただが、本当に呪術師がこの学園に潜んでいるとは考えにくい。
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