隠す父
「南がロボットであっても好きだよ。」
僕はそう言った。
とはいっても、やはり信じられるわけがない。
(南がもし本当にロボットだとする。じゃあなんで、こんなに柔らかくて、温かくて、表情も、感情もあるのだろうか?)
僕と南はまだ寮にいて、向かい合って座っていた。
「南。君がロボットってこと?」
「……そう。」
「……どうやって知ったの?」
「……しょー君のお父さんから聞いた。」
「そうか…。あの人それも隠してたのか。」
「しょー君、ごめんね。こんなこと黙ってて…。ことことが知られたら嫌われちゃうって、怖かったの…。」
「大丈夫だよ。南が1番大変なんだから。あと、南を嫌いになるなんて、そんなこと無いから。」
「うん、ありがと!」
やっと南がちょっと笑顔になった。
「じゃあまた明日。」
「うん、またね。」
「なんかあったらいつでも電話してよ。」
「ありがと。」
僕はそう言って、南の部屋を出た。
もう外は真っ暗。でも、どうしても南のことについて気になったので、父の研究室に向かった。
いつも通り、父は研究室で機械や顕微鏡を覗いて、セカセカと働いていた。
「失礼しまーす。お疲れでーす。」
「お前か。」
「今日は何やってるの?」
「……企業秘密だ。」
「いや、同じ研究所の研究員のはずなんだが……。」
「それより、なんだ?まだ俺は忙しいんだ。」
「南のことなんだけど……」
「まだ、あのことを掘り下げているのか?お前が関わるとまた南が危険な目に遭うかもしれないんだぞ!」
「あーそーだね。
……聞いたよ。南、本人から……。南はロボットだって。」
ガタン!
父が持っていたクリップボードを落とした。
「……ロボット?……何を言っているんだ?」
「知ってるだろーが?」
「はぁ!? そんなもの知るか!
あのな、俺は忙しんだからくだらないこと言ってないでとっとと出て行け!!」
そう言いながら、父は僕を無理やり外に押し出して、勢いよくドアを閉めた。
(もしも本当に南がロボットだとしたら、南の親とかの話も全部父の嘘なのか?……。
でも、まだ父は何か隠しているっぽい。)
そうも思ったが、今日のところは帰ることにした。
家に着き、風呂に入って、夕飯を食べて……、そしてベッドに横になった。
(ロボット、ロボットか〜。
あんなに触った感じも、見た感じも、話してる感じも、感じ取れる感情みたいなものも、人間みたいなロボットなんて作れるのか?
人間みたいなロボット……、人間みたいな…… )
「そうだ!! お母さんから子供の時に聞いた! 人間みたいなロボットの話!よく、寝る前に……
まさか!? お母さんが作ったロボット??
……いや、待て。お母さんは南がこっちに来る何年も前に死んでいる……。
……あ! じゃあ死ぬ前に作ったのか……?
う〜ん。信じられないけど、調べるだけ調べてみないとな。」
僕は明日調べることにして、今日は早めに寝た……。
*
次の朝、ちょっと明るくなりかけた頃に目が覚めた。
すごい風だなと思ったら、窓が開いていた。
(あれ? 窓、開けたっけ? )
そうやって、昨日のことを思い出しながら起き上がってあくびをした。ふと見ると、片付いたデスクの上にボールペンで挟まれたメモ用紙があった。
「ん? お手伝いさんからの伝言かな? ふうぁ〜〜」
でもそのメモを見た途端、僕の心臓は爆発するように大きく打って恐怖が襲って来た。
「お前を監視している。これ以上南に関わったり、調べたりするな。すぐに手を引け。こちらはいつでも準備ができている。」
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