コーヒーブレイク9
慌てて止めにはいるシー、タン、アクア、アジュールなどのことは、関係ないといった態度の狼美少女騎士。
これには流石に、周囲にいた防衛騎士団、防衛召喚士団、そして防衛斥候団の面々もびっくりした様子だった。
ソフィアが所属しているであろう第三騎士団の団長らしき獣人などは、あたふたしている。
だが俺はそんなことよりも意識が違うことに動いていた。
ロロンは人間の顔に獣耳な美少女だが、ソフィアは違う。虎男と同じで人間の顔はしていないのだ。だが、輪郭や目の形などは人間のような感じなのだがパーツは動物的なのだった。
茶色い髪に少し垂れた目、スタイルもボンキュウボンだ。申し訳ないが亜人と呼ばれる存在に馴染みがない俺なので、やはり動物の顔がそのままな獣人には少しばかり驚きがあるのだが……。
ソフィアは、ものすごい可愛いかった。なんだろう上手く説明できないのが悔しい。言ってしまえば狼っ子なのだが……。説明するなら! あれは登場人物が犬だったけど、アニメの名探偵ホー○ズなんだよ。この可愛さが分かるかい?
「フユノです。フユノ・アオイ。この世界だとアオイ・フユノかな?」
「貴様の名前など、どうだっていい。ロロンは私の幼馴染だ。仕方なく貴様の世話をさせられて……あげくのはてには、あの不埒な行い……私は許さんぞ! 『守護者』でも殺すからな」
怒りで目からは炎が見えそうなソフィアだ。
「……あれは、誤解なんだけど……そうだね。たしかに嫌な思いをさせたよね」
俺はロロンを真っ直ぐに見つめると「さっきは、ごめん」と謝った。
すると、ロロンは顔を赤くしながら手をバタバタと振った。ちなみに尻尾も振っていた。
「こちらこそ、すみませんでした。『守護者』様に平手打ちなどと……うううっ」
大丈夫、大丈夫と手を振り返しながらも、ふとした疑問をロロンに向けた。
「……あれはロロンさんの意思じゃないよね?」
「……うううっ。はい。あれは巫女様からの指示でした。『守護者』様が望むなら全てを捧げなさいと……」
ロロンが耳をぺタンとさせながら俯くと、その話を聞いていたソフィアから「くっ」と声が漏れた。
すると、それに反応したシーが「ぴゅ~ぴゅぴゆ」と吹けてもいない口笛を吹いている。完全な誤魔化しだ。しかもバレバレの。
あーやれやれだよ。




