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コーヒーブレイク4

「それじゃあ。仕事もあるし、そろそろ帰りますね」


 どれぐらい意識を失ってたのか分からないが、チラシ配り中にいなくなった状態になっているはずだし……早く連絡しないとヤバいと思い俺はベッドから降りようとした時だった。

 ロロンが慌てて駆け寄って来ると「待って下さい」と俺をひき止めた。


「帰るって……。お待ちください! フユノ様は世界樹様が……自身の命を顧みずに召喚した、パーステールの『守護者』様なのです」

「うーん。困ったな……なんだかイベントの設定で話が進んでるみたい? 世界樹様ってイベントの責任者の方ですか?」

「いべとん? が何かは分かりませんが、世界樹様がフユノ様を召喚したのです」


 なんだか必死に俺の腕を掴んでくるロロン。

 俺は休ませてもらった手前、無理も言えなかった。だが兎に角……職場に連絡はしておかないとヤバいと思い、ポケットに入れておいたスマホンを探した。


「――――なっ、ないぞ! 俺のスマホン」


 ゴソゴソとスボンのポケットをまさぐったが、みつからなかった。

 俺は転んだ時に落としたのかもと思い凹みまくった。買ったばかりの新品だったのである。


「はぁぁ」


 やっちまったと俺が溜め息を吐くと、ロロンが申し訳なさそうに獣耳をペタンとさせている。


「いやあ、スマホンをなくしちゃったみたいで……別にロロンさんのせいじゃないし。気にしないで下さい。あっ! そうだ携帯を貸してもらえると嬉しいな」


 どれくらい意識を失っていたのかも不明だし、早く職場に連絡をと思いロロンに携帯電話を借りたい旨を伝えてみた。

 すると、ロロンが俺から少し後ずさりをして「たいを貸す!? 貸すと嬉しい……の?」と呟いた。


 なんか言葉がおかしかったような気がした俺は「ロロン……さん?」と問いかけると!


「体を貸せよ(ヤリタイ)嬉しいぜって……それって私を求めてるんでよすね」


 なぜだろう? ロロンがキッて顔をして俺を睨むと、クルっと後ろを向いた。


「『守護者』様も……男ってことですね。くっ。最低ですね……でも私は、巫女であるシー様よりお世話をするように、仰せつかっております。断れません」


 ――――――バサッ――――――


 白いローブが重力に負けて床に落下したのが見えた……それが俺にはスローモーションに映った。



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