コーヒーブレイク37
鞄から飛び出した下着。パンツ。
シラタマの空間収納があるのに……鞄に詰め込まれて爆発した理由とは。
「マスター。バラバラで収納することも可能ですが……それだと探すのが大変ですの」
このシラタマの一言によって。品物を分別し、なるべく鞄や袋に入れた状態を何組も作ることになった。
パンツを一枚づつ取りこむことも可能だが、それによって何百枚と収納してしまうと探すのが大変らしいのだ。そもそも何百枚もパンツが必要か疑問だが、女性陣の数が多いので致し方ない。
乙女だし。
シラタママなら、そんな収納方法でも対応できるらしいのだが、今のシラタマではまだ無理らしいのだ。
それでも、シラタマの空間収納のおかげで十分な準備が可能になったのだから、ありがたい話である。
まあそんな訳で、目が覚めたら鞄から溢れたパンツ達が散乱していたのだが……きっと鞄を増やして対処するであろう。それに俺のパンツは数枚だしな……問題なかろう。
シラタママの護衛に二人の忍びを召喚した俺は、全ての準備を終わらせた。
ここに召喚されてきて、一ヶ月もたっていない。ほんの数週間か? 色々と濃密な時間を過ごしたせいで時間の感覚がおかしくなっている。
小鳥のさえずりが聞こえる、早朝。世界樹を包むシラタママへ挨拶をすませると漆黒竜神へ変身したノアの背中に乗り込んだ。
俺、ロロン、ソフィア、シラタマがノアに乗ると、ゴールドとシルバーが大きく手を振って見せる。
「「主、お気をつけて!」」
「シラタママを頼むね」
「「はっ」」
シラタママは俺達を笑顔で見送ってくれている。必ず迎えに来ると念じると……俺達は新しい世界に向かって飛び立ったのだ。
そう、俺達の旅は今……始まったばかりだ。




