コーヒーブレイク36
俺とシラタマの初めての共同作業によって……出来上がった物が皆に配られた。
俺を基地局として通信できるインカム型の携帯端末だ。
基地局だなんて格好のいい言い方をしたが、要するに俺の魔力を利用して使えるやつだな。
魔力がダダ漏れで使われてしまうのでは? と不安もあったが、使用魔力量も極少量だし俺の膨大な魔力量をもってすれば全く問題ないとノアが語っていた。
使い方は簡単。頭にインカムを思い浮かべるとヘッドセットされる、後は念話したい相手を思い浮かべるとコールし始める。これによって念話に応じられない場合や……居留守も可能になった。使い終わると消えるけど、いつでも呼び出せるしまさに携帯電話だ。
今後は映像の共有とか色々とオプションを追加したいものだ。
しかし……シラタマの『クリエイト能力』ってやつは素晴らしかったな。
最初は「合体してください」など言われた時は焦ったけど、シラタマとも『全てを知りたいの。愛してるのリンクしてたい』の力で、俺の知識を共有できるのだがそれを接触しながら行うとことで、品物その物を作成してしまう能力だったのだ。
しかも作業はとっても簡単で、シラタマが俺の額に指!? スライムなのでなんと表現するべきか。
まあ、右手の指をツンと接触させながら左手の指で必要な素材を取りこむと……産まれるのだ。
「しかし、シラタマから卵が産まれた時は驚いたよ」
「ポッ……恥ずかしいですの。マスター」
「……なぜ恥ずかしがる。なんかエッチに聞こえるからやめて」
今回の携帯電話作成に必要な素材は、ノアやシラタママが持っていた物でなんとかなった。
しかし、シラタママがレアメタルなどの特殊金属を持っていたのには驚きだった。
シラタママにも空間収納能力があり、いままで色々と溜めこんだ物の中に、たまたまあっただけと言っていたが、さすがクィーンは伊達じゃなかった。
「アオイの初めてを産むのは、妾じゃと思っておったが……まあいい。産まれてしまったものは仕方がないのじゃ」
「ノアさん。誤解を招くような言い方はやめて下さい」
「ふんなのじゃ。まあいいのじゃ。これが携帯電話じゃ! インカム型の特殊なやつじゃ、大切に使うのじゃぞ」
「「携帯電話?」」
ロロンとソフィアは、意味が分からないって顔をしてるがまあいいだろう。ちなみにシラタママは、ここにはいないので後で渡しに行くことにした。
「これは、俺とペアリングなどの意志疎通を可能としている者やその従者、もしくは俺が認めた者が使うことが可能だ。念話したい場合はしたい相手を思い描いて発信してくれ――――」
説明は、ソフィアが理解できるまで何回もしたので時間はかかったけど。すっかり使えるようになり勝手きままに念話し始めるまでになったいた。
ロロンとソフィア以外は、俺と意志疎通可能なので携帯については知っていたので、あえて説明はしていないけど楽しそうに使っているのでいいとする。
今後は俺とのリンクで知識や意識を共有するのは、極力控えてもらい念話は携帯を使ってもらうことにより、俺のプライバシーが少しだけ守られたし頭の中でガヤガヤしなくなったのは言うまでもない。
「もちろん緊急時は、妾かアオイの判断で一斉強制念話機能がついておるから安心なのじゃ!」
作ったのはシラタマなのに、なぜかドア顔のノアだった。




