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コーヒーブレイク35

俺の脳みそが限界を超えたからなのか……理由は不明だったが。

 ガヤガヤと煩かったのが終わると、途端に静かな湖畔に二人きりとなった。

 俺はシラタマと顔を見合わせると「はぁぁ」と溜め息を吐きながらも、しばしの休息に安堵する。


「マスター。静かになりましたですの」

「ああ、そうだな。もう少しで頭から湯気が出るところだったよ」


 本当に助かった。

 たしかに便利な機能ではあるが、同時に五人、俺を含めた六人の会話が脳内を行き来するのは煩くてかなわない。


「マスター。何かバサバサという音が聞こえませんですの?」

「ん? そういえば……」


 俺とシラタマが音が聞こえて来る方を向いてみると、湖の湖畔を目がけて飛翔する巨大な竜の姿があった。


「アオイ! アオイ無事なのか」

「アオイ様、アオイ様」

「フユノ様、フユノ様」


 上空から聞こえてくる翼の音と俺を呼ぶ声。

 ドスン……ドタバタドタバタ。

 ギュウ、ギュ、ギュウウウ。


「ちょっと。痛いよノア、ロロン、ソフィア」


 俺の胸に顔を埋めて泣きじゃくる三人の鼻水が……ビローンってなってるし。


「痛いよじゃない。突然、アオイとの念話が切れてしまったのじゃ。妾がどれだけ心配したか……」


 俺にしてみれば、六人でゴチャゴチャと会話をしていたのが切断したおかげで助かったと言ったところだったのだが、ノアは相当に心配したらしく。

 ロロンとソフィアを回収すると、俺の匂いを辿ってここまで来たそうだ。って俺どれだけの匂いを発してるんだろ。ノアが鼻が良いだけなのか?


 しかし……俺は、誰かに襲われたことにでもなっていたのだろうか? ロロンとソフィアは既にバトルメイドの姿だったし。



「むう。本当に心配したのじゃぞ」

「まあまあ、そんなに怒るなって。それに通話が切れてしまったのは俺のせいじゃないだろ?」


 シラタマが入れてくれたお茶を飲んだおかげで、ノア達も落ち着きを取り戻したようで、俺は今お小言の真っ最中だったのだが……俺が悪いのか?


 だが、話を聞くと本来ペアリングによてリンクされた意思疎通の状態は、死ぬまで有効なのだそうだ。

 切れてしまったイコール、死。なのだ。


「だから慌てて来たのじゃ。愛しておるのじゃから当然じゃ」

「あっ。ありがとう」

「むふん」


 ドヤ顔で世界樹の湖畔で愛を語る漆黒竜神は、そのままの顔で更に話を始めた。

 ノアの話をまとめるとこうだ。

 意思疎通による念話だが、本来ならばペアリングやロロン、ソフィアのようにアイテムとしてのリボンで繋がっているなどの共通の繋がりがある者同士でしか話せないのだが、俺がノア以外にシラタママとシラタマともペアリングを交わしたことで異変が起きたようだ。

 俺を電波塔としての念話が可能になっているのでは? とノアとシラタママの見解らしい。


「……だが、それだと常に俺が会話に参加しなきゃいけないし。大人数での会話は疲れるよ」

「それなんじゃが! シラタマに協力してもらうのじゃ」

「シラタマに!?」

「そうじゃ! なあシラタママよ」

(あらあらやっと繋がりましたわ。ご主人様の混乱が落ち着いたのでしょう、念話が出来るようになりましたわ)

(シラタママ……)

(またガヤガヤしてしまうと、ご主人様に申し訳ないので手短にお伝え致しますわ。シラタマの『クリエイト能力』を使えばいいのですわ)

(あっ! それなら……さすが、お母様です。マスター! さっそく、わたしと合体してですの)

(ごめん。言ってることが分かりませんが……)


俺は、念話しながら項垂れたのだった……。




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