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コーヒーブレイク31

真夜中に目が覚めると……そこには!


 リュックサックのような鞄から吐き出されたように、なぜか色とりどりの下着が散乱している。


「なんだこりゃ?」


 それ以外の言葉が出てこなかった俺だったが、どうも原因の一翼をになっているノアとソフィアが疲れ果てて眠っているのを見ると荷造りの最中に、力尽きたのだろう。

 シラタマが、体を引き延ばして掛布団のような形態になった状態で二人の上に乗っかっている。

 ロロンがいないのは、別の部屋にいるのだろうか?

 兎に角、目が覚めてしまった俺は、眠っている三人を起こさないように部屋を出るのだった。


あるじ。こんな時間にどうされたのですかニャ」

「こんな真夜中まで、ご苦労様」


 俺は話しかけてきた猫耳少女へ挨拶を交わした。


「主から労いの言葉を掛けて頂けるニャんて……うれしいですニャ」

「主って……まあいいか。二十四時間戦えますか? じゃないんだからね。ちゃんと交代で休憩してね」

「はいですニャ。主からの指示に従って、シルバーは休憩中ですニャン」


 俺は、了解とばかりに手を上げると猫耳少女がニンマリと笑った。

 彼女の名は、ゴールド・ロッド。俺が召喚したケットシー姉妹の、お姉ちゃんだ。

 今、休憩中なのが妹のシルバー・ロッドだ。


 世界樹を治療すべく、シラタママを召喚したまでは良かったのだが……。

 ノアがちょっと興奮してしまったので、パーステールから追放されることになったのだが、世界樹の治療は現在も続いている。今、シラタママを世界樹から引き離す訳にもいかないので俺達だけ、先に出発することにしたのだ。その間にシラタママに何かあったら心配なので、護衛にと召喚したのがさっきのケットシー達だ。


 ちなみに、サイズはショートで召喚したので神や、王様クラスではないのだが、ソフィアに言わせるとバトルメイドモードで模擬戦を行ったのだが、引き分けだったそうだ。

 ようするに! かなり強いのだ。

 もともと、護衛についてもらう為に最低でも二人は召喚しようと考えていたのだが、偶然にも双子の姉妹が召喚されてきたので、そのまま契約をして今に至る。


 姉であるゴールドは、名前の通り全身が金色の猫で尻尾が三本生えている。

 妹のシルバーは、全身が銀色の猫で尻尾が二本生えていた。

 二人とも猫の姿でも美しく可愛いのだが……どうもノアとロロン、ソフィアに影響されたのか亜人の姿に変身している。


 言わずもがな、姉の瞳と髪は金色で妹は銀色。二人ともに猫目が可愛い美少女だ。

 背は少し低いのだが、猫らしく!? 小回りが利きそうな忍者として採用している。

 ゴールドが、警戒任務へと戻って行くのを見届けてから、俺はシラタママに声をかけた。


「シラタママ。起きてるかい?」

「もちろんです。うふっ、どうされたのですか」

「ゴールドとシルバーを召喚したから、眠ってしまったみたいで……今さっき起きたんだ。シラタママと世界樹が気になったからね。顔を出したんだけど、こんな夜中でごめんね」

「ふふふ。いつでも会いにきてくださいませ。それよりシラタマはどうですか?」

「うん。大丈夫だよ、仲良くやってるみたい」

「それは良かったです。わたくしは、もうしばらくかかりそうですので」

「ああ。ごめんね、先に旅立つけど必ず迎えに来るからね。って言っても二週間ぐらいだけどね」

「……ですが。ご主人様にこのような仕打ちをするなんて。わたくしにとっては世界樹様よりも、ご主人様のほうが大切です、なんなら……」

「ありがとう。シラタママ、でも気にしないで。俺は大丈夫」

「……ご主人様が、そうおっしゃるなら」


 その後、しばしの沈黙があったが。俺とシラタママは、つかの間のおしゃべりを楽しむ? のだった。


 そう……この三日間についての。




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