コーヒーブレイク25
「ロロンとソフィアのセクシー攻撃で、ティムも含めて座り込んでいる今がチャンスだ」
「あのう、タン様は?」
「たしかにそうだな。タン様はどうする?」
「ん、あれはいいんじゃないかな。どうせあれがじゃまで、バランス悪くて戦えないよ」
ロロンとソフィアが、チラリとタンを見ると顔を赤くしながらコクコクと頷いた。
「俺は、世界樹の傷を癒すことができないか、やってみる」
「「了解しました。お二人には、指一本触れさせません」」
さすが、バトルメイドだ。頼もしい。
だが、しばらくは大丈夫だろう。まだ誰も動けないみたいだし。
(ノア、頼むね)
(静かになって助かるのじゃ。まかせるのじゃ)
ノアが大きな巨体を世界樹に近づけると、なんだか世界樹が小さく見える。
世界樹だって俺からしたら巨木なんだけどな……ノアの半分ぐらいしかないからだろうな。
さて。
世界樹を癒してもらう為のオーダーを考えないといけないな。
(あの日……ノアが召喚されて来るまでは、にわかに信じられなかったけどね)
(自信を持つのじゃ! 妾のアオイは、カフェ店員でいて最強の召喚士様なのじゃ)
(……ノアさん。集中して下さい。それと、あんまり俺のパーソナルインフォメーションを覗くのは止めてくださいな)
(むっ。恋人の事は全て知っておきたいものじゃぞ)
(ノア様! あまりイチャコラしないでください)
(そっ、そうですよ。ノア様、集中してください。くっ、私もフユノ様とイチャコラしたい)
(ソフィア……心の声、だだ漏れだよ)
(うっ、うるさいぞ! ロロン)
しかし、この四回線念話は便利でハマるね。まずいよ。まずいよね。
まるでグループラ○ンのように、きりがないよ。
俺は、念話をやめて世界樹をじっくり確認した。
べっ、別にほったらかしにした訳じゃないからね。
しかし……鉛弾で穴だらけ、傷だらけだな。可哀想に……それにだ、この火の玉が直撃してしまった部分が酷いな、人間だったら左の足の脛が抉られて大火傷してるってとこだろう。
俺がこんな目にあったら、きっと激痛でおかしくなってるな……。
鉛弾が撃ち込まれた痛みだってあるだろうに……心も体も癒してあげないと。
心も体も癒せるのは……。
ナースじゃね! メインカラーはホワイトだ。
(オーダー!)
俺は意識を集中してオーダーすることをイメージすると。待ってましたとばかりにサロンのポケットが輝きだした。
ノアが俺に言った通りだ。
ノア凄い。
ノア可愛い。
(ポッ)
(集中しろよ)
俺が、カフェ店員で働いていた時のオーダーが、召喚の呪文になっていると教えてくれたのはノアなのだ。なんか俺の魔力量が凄いから神を召喚できたとか、色々と話してくれたのだが。
それは、また今度にしとく。
俺が、オーダーしたいと思うことで召喚用のオーダーシートとペンが具現化するのだ。
数ある商品とトッピングから、白衣の天使を召喚してみせる!
がんばってくれてるノアやロロン、ソフィアの為にも。やってやるぜ!
(ポッ)(ポッ)(ポッ)
(…………)
全てが筒抜けでプライバシーが恋しいながらも、俺はオーダーを開始したのだった。




