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コーヒーブレイク18

「どこから聞いておったのじゃ?」

「「はふうう……最初から……です」」


 それを聞いたノアが「チッ」と舌打ちをした。ロロンとソフィアがさらにガクブルしたのは言うまでもない。


「お前らが聞いていた通りじゃ。妾はアオイと結婚はしておらんかった……笑うがいい」


 ノアにしてみれば、あれほど堂々と正室宣言をしてしまった後に、ロロンとソフィアにも子種を分けてやるなんて事をエラそうに言ってしまった手前、恥ずかしかったのだろう。


「えっ? なんで笑うのですか」

「笑うところなどありませんが」


 はてな? そんな顔でノアを見つめる二人。


「ノア様。盗み聞きしたのは、ごめんなさい。でも、とても羨ましいです。だって……アオイ様と恋人になったのでしょ。これから素敵な時をすごして……やがて二人は結婚。じゅるり」


 ロロンはアヘアへしながら意識がどこか別の世界へ飛んでいったようだ。可愛い口元から涎をたらしたまま「フフフ、フフフ」と漏らしている。


「くっ……。私も、ノア様が羨ましい。フユノ様と、その。あの。私も恋をしてみちゃい」


 口をモゴモゴさせながら、ソフィアは顔を赤くしている。


(かんだ。よね? 最後は噛みましたよね)


 そんな乙女の微笑ましい場に当てられて俺までなんだか恥ずかしくなってしまった。

 そんなホンワカした空気の中、スクッと立ち上がったノアが自分の髪の毛を二本抜きフッと息を吹きかけた。

 俺達は、なにをしているのか? 不思議そうに見ていたのだが、ノアの息がかかった髪の毛が黒いリボンに変化すると「「おおっ」」と声を上げてしまった。

 ノアは、艶々と黒光りするリボンをロロンとソフィアに手渡した。


「こほん。妾とアオイのメイドの証しじゃ。よいか! 二人ともポニテにするのじゃぞ」

「「ポニテ?」」

「なんじゃ、やはり知らんのか。ならアオイから聞くがよい」


 ノアからいきなりのフリに俺は焦ったのだが、ポニーテールぐらいは俺でも説明できる。

 俺は二人を呼ぶと後ろ向きに立たせて、ポニーテールを結んであげたのだった。


(そういえば……なんでノアは、ポニーテールを知ってるんだろ?)


 俺に結んでもらったポニーテール。もちろんノアからの黒いリボンが良い感じである。

 ロロンとソフィアは、お互いを見やるとキャッキャウフフと喜んでいる。


「よいか、二人とも。お前らは漆黒のバトルメイドとして妾とアオイのお世話と護衛をするのじゃ。まあ護衛に関しては、おもにアオイを守るのじゃぞ」

「「はっ? はいいいいい?」」


 ロロンとソフィアの悲鳴を無視してノアが言った。


「よいか! こう言うのじゃぞ『漆黒竜神より授かりし黒き力を解放せよ! 漆黒のリボンよ我に力をバトルメイドモード』分かったら叫ぶのじゃ!」

「…………」


(……なんだそれ。恥ずかしすぎるぞ!)


 イヤイヤ。絶対無理です。ロロンとソフィアが、可哀想な子を見る様にノアに視線を送る。


「……いいから叫ぶのじゃ」


 そこにはジロリと睨むノアの姿があった。さすが漆黒竜神だ。やはり怒ると怖いのだった。




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