No.23
〜23〜
バタバタとじゃれってあっているうちにいつのまにか渉はアズサの上に馬乗りになっていた。
「はぁ…、はぁ…。もう無理。笑い死んじゃう。」
アズサはくすぐられすぎてどこを触られても笑いがこみ上げてきた。
「じゃぁ…これは?」
そう言うと渉はアズサにキスをした。
深く、長いキスを…。
「どう?」
渉はアズサの目を見て聞いた。
いつになく真剣な顔の渉にアズサはドキリとしたが、平静を装って答えた。
「…こちょがしくない。」
ぎこちない笑顔を浮かべ自分なりに強がったが、渉から見れば目が泳いでいることは一目瞭然だった。
「そう?じゃぁこれは?」
そう言うと渉はアズサの首筋にキスをした。
強く吸うとうっすらと赤い痕を残した。
アズサは渉の顔を首筋感じながら心臓がバクバクしているのを聞かれないようにと深呼吸をした。
首筋への甘い感覚がアズサをより敏感にさせていく。
「ワタルさん…。」
甘い声で呼ばれた渉は一度顔を上げると今度はアズサの耳元へ顔を持っていくと息をわざと耳にかけながら囁いた。
「アズサもう…止まらないよ。」
「あ…っ!」
アズサの声をスタートの合図にするように渉の行為はエスカレートしていく。
アズサはとめる事もできず、されるがままになっていた。
一通りアズサの耳と首筋を堪能すると渉は顔を離した。
アズサの顔は赤く昂揚しており、息遣いが荒くなっていた。
渉はニッコリと笑うとアズサの横にゴロンと寝転がった。
「ワタルさん?」
初めての感覚に戸惑いながらも徐々にワタルの行為に体が疼きだしていたアズサは渉が突然やめてしまったことに戸惑いを感じていた。
「アズサ。」
渉は名前を呼ぶとアズサの方へと横向きに寝そべり左手でアズサの頭を撫でていた。
「俺達まだ高校生だけど、まだ子供だけど、今の幸せは逃がしたくないんだ。俺はまだ勉強しないといけない身だけど、もっともっとアズサを知りたい。」
渉は大きく深呼吸した。
「たくさん思い出つくろうな。楽しいこといっぱいして…。周りがうらやむくらいの関係を築いていこうな。」
アズサのおでこにキスをする。
アズサの目からは涙が溢れていた。
「おいおい。プロポーズじゃないよ?まだ早いよ。感激したの?」
悪戯っぽい笑顔でアズサのほっぺをプニプにとつねる。
「ワタルさんのいじわる…。」
アズサは渉の胸に顔を埋めるとヒックヒックと泣いていた。
渉はそんなアズサを愛おしく思い、背中を擦ってやった。
いつのまにかあたりは真っ暗になっていた。
電気もつけずに二人は体を寄せ合っていたが小さな電気スタンドだけを灯すと、渉は再度アズサの隣に腰掛けた。
窓から入る外灯の光が渉の顔を照らしていた。
二人は視線を逸らさずに、そのままどちらからとも無くキスをした。
「アズサを頂戴ね。」
「ワタルさんだけの私にしてね。」
二人の体が外灯の光のなかから姿を消した。
そして、今までに無い幸せな気分をお互いに手に入れた。
恋愛に置いて、自分自身をさらけ出せる相手が見つかる事が自分にとってどんなに大切でどんなに幸せなことなのか。
それは、恋愛をしてみないと見つけられるものではないと思う。
ただ見ているだけ。片思いをしているだけでは何も始まらない。
変わりたい。見て欲しい。
そう思うなら、あの人だけの自分でありたいと思うなら。
勇気をだして、一歩進めてみなければ。
主役の座は自分自身の手で掴みとらなくては!!
小説は難しいです。
表現したいことを文章に書くのは思った以上に至難の業だと心に染みました。
気持ちが先走りして文章がバタバタです。
もっと勉強してがんばりたいとおもいます。
最後まで読んでくださった方。
ありがとうございました。