あなたの事が愛しいです
数年前、この世界にやってきた、だけど俺は"こんな世界"と思い自殺を試みた、だけど無理だったある人に助けられたんだ、その人の名前はユノン・イルマ。
その人に助けられた時俺はその人にに見入ってしまった、だけど照れ隠しだったのかもしれないその人を突き放すようなことを言ってしまった。
あの人に謝りたい、あの人にもう一度会って悪口ばかり言ってごめんなさいと言いたい、許してもらえるだろうか、いや、許してもらえなくても謝るんだ、そしてこの気持ちを伝えたい、この初めての感情多分これは、この気持は、そう、恋。
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「うっ…ここは?」
俺は少しフラフラする頭をおさえながら身体を持ち上げる。
そしてあたりを見渡すとそこにはここ数年で見慣れた部屋があった。
「うっ…」
脚がズキズキする。
かかっている布団をめくると両足が包帯でガッチガチに固められていた。
「は? なんだよこれ…」
無理やり足を動かそうとするが脚に鈍痛が走る。
「うぐっ…」
痛いな… あまり動かさない方がいいかな。
て言うか誰だよ両足に包帯ガッチガチにして巻いた奴、足動かないだろうが!
「スースー」
ベッドの下から寝息がする。
ベッドの下を覗き込むと小さく丸まって寝ているユノンが居た。
「なんで床で寝てんだよ…」
ふとユノンの手元を見ると雑に切られた包帯が散らばっていた。
「俺の足をこんなにしたのはこいつか」
シウスは震えた声でそう言いながらユノンのことを睨みつける。
ユノンのアホ毛を掴んでやろうと手を伸ばすが手が届かない。
「はあ…もういいや…」
シウスは少し呆れたような声でそう言った。
そしてユノンの顔を見つめる。
「俺こいつを好きになったのか…」
それも一目惚れ、もう許さないと憎み続けた人間をだ。
「こいつになら言っていいかな…」
人間を憎んでいることを、転生してきたことを。
そんなことを考えているとユノンの目がバチンと開く。
「うわぁ!」
驚いた俺は後ろに飛び退き壁に頭をぶつける。
「ねえねえ、言うってなにを?」
頭を抱えて痛がっている俺にユノンは顔を近づけて質問してくる。
顔がすごい近い。
「い、言うってなにが?」
「ほら、さっき言ってたじゃん、『こいつになら言ってもいいかな…』、て」
さっき俺が言ったことを変な声で言い直す。
「うわああああ、お前きいてたのか!」
「聞いてたよー」
やばい! じゃあ好きって言ったとこも!
「どこから聞いてた!」
少し震えた声で聞く。
「えー、そこだけだけど、まだ他に何か言ってたの?」
ユノンが顔をもっと近づけてそう言ってくる。
「な、なんにも言ってないよ」
「怪しいなー」
ユノンは顔をニヤつかせながらそんなことだけ聞いてくるがその事だけは言うつもりはない。
「まあいいや、それでなんて言ってたんだい?」
「まあ、隠すようなことでもないし話してやるよ」
それから俺は今まであった全てのことをユノンに話した。




