おしまいの十秒前
光陰矢の如し(こういんやのごとし)、白駒過隙、光陰流水、時が過ぎるのはやはり早く山道を走っただけで呼吸を乱していた俺はいなくなり、今は刀を振って呼吸を乱しています………
…俺もこう言う難しい言葉を使いたくなる年頃になってきたわけだよ、まあ、最初の何個か並べてあるやつは俺もよく意味がわかってないんだけど。
とりあえずそんな訳で、あれから四年くらいたって俺は今七歳になりました。
ん?七歳がそんな難しい言葉言わないって?前世の年も合わせたらもう十四だよ。
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「おっしゃー、こーい!」
ユノンは手を広げて俺に向かって叫ぶ。
「ほんとに大丈夫なのかよ、御魎刀で斬りかかるなんて」
四年前、ユノンは自分が持っていた御魎刀と言うとてつもなく重い刀で俺に素振りをさせるトレーニングをさせ始めた。
素振りも様になって御魎刀にも慣れてきた、そして今日突然ユノンが刀で斬りかかってこいと言い始めた。
「違うよ、ただ斬り掛かるだけじゃなくって殺気を込めて剣を振るんだよ、分かった?」
「殺気を込めるったってどうすんだよ」
「今まで生きてきた中で一番腹のたったことを思い出してみて」
腹のたったこと…か、腹のたったこと…
「…がって…」
腹がたってくる、頭に血が上る、ウザイ
「よし、その調子だ…」
くっそ、うざい!うざい!
「…べやがってえ!」
「よし!いいぞ、もっとだ!もっと深く思い出すんだ!」
もうむりだ、この、この刀で暴れ回りたい、ああ、もうだめだ…
「くっそ!ユノン、俺のとっといたお菓子食べやがってえ!」
「ええ!そのことお!」
食べ物の恨みは恐ろしい。
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「うん…まあ、やりた方はあってるんだけどね」
ユノンは俺に俺に追いかけ回されて疲れたのかアホ毛がぐったりとしている。
「もうちょっと違うやり方できない?」
「これが一番やりやすいんだけど」
「毎回これだったら僕の身が持たないよ!」
これ以外にどうしようもないからこのやり方変えるつもりは無いからこれで頑張ってもらうしかないんだけど。
「まあ俺が無意識で出来るようになるまで頑張ってくれ」
ここ最近はこんなやりとりばかり、毎日が楽しいと感じる、前世では考えれなかったことばかり。
ずっとずっと、こんな楽しい日が続けばよかったのにな
次で終わります