“夜の国へ向かう草原で”
【ヘガータル大陸 ガンレルア平地>>夜の国マコルタ公国】
ダッダッダッ!!
大きな音を立てながら草原を、上にピンク色の美しい髪を持つ少女を乗せながら、一頭の立派な馬が走っています。少女はアスキといいます。
その横には、ヘリコプターの人が乗る部分が白くて丸いお餅になったようなモノが飛んでいます。よく見ると顔もついてます。マルといいます。
今ここはガンレルア平地といって、アスキ達はここを三日前から横断していて、夜の国マコルタ公国を目指しています。
マコルタ公国は、昼が無いそうです。
山に囲まれていて、太陽の光が射しません。なので、いつも夜のように暗いので、『夜の国』という名前がついてます。(まぁ、国民には昼や夜の概念が無いのですが)。
明かりが無いと不便です。
なので、明かりの技術が発達してるそうです。
火を灯さなくても明るいランプや、ハンドルをまわすと明るくなる水筒ぐらいの大きさのランプやら。
とにかくすごいらしいです。
なのですごく明るいそうで。実際行って来た商人は
「すごいぞあれは。”でんき”とかいう奴で全て動かすんだと。
看板も明るくてな。真っ暗なのに見えるんだよ。」
と言ってました(当社調べ)。
ちなみにその商人は、”でんち”と”かいちゅうでんとう”を大量に買い込んで、次の国で売ることにしたそうです。
まぁ、アスキは見たことがあるのですが。
そんなことはともかく、山に囲まれていて、光が射さないというのは気になります。あの人が言っていた国の手掛かりがあるかも知れませんし。
「でもなぁ、なかなか見えないよ…」
「弱音吐いちゃおしまい! アスキはアイツの故郷に辿り着けないまま生涯を終えるのでした!」
「そんなの無いよ、マル。私は絶対にあの人の故郷に辿り着いて、あの人の最期を伝えるんだから。」
「それじゃ弱音吐いちゃだめ! アスキ! 分かった?」
「はいはい。分かったよ。…はぁ。」
しょうがないですね。アスキはまだ十代なんです。私が十代の頃は、軍隊として働いてました。
え、私が何者かって?
それはまだ秘密です。強いて言うなら、『保護者』ですかね。
さて、そろそろ国に近づいてきましたよ。
短くてごめんなさい。