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葬式

作者: 真北哲也
掲載日:2015/06/08

ある日の午後。町外れの祭儀場で

葬式が行われているところに遭遇した。


花輪がもくもくと飾られ、鯨幕が掲げられ、

提灯もある。いかにも葬式 ー



参列者と言うものだろうか?

人々も白と黒の衣装に身を固め、

顔色も優れず、涙を流したり、しかめたり…

参列者達は[哀しみ]に挨拶を交わしていた。


それからだろうか、式場から、線香の高貴な

香りと共に、棺が運ばれてきた。

大勢の男達に背負われて…


やっとの思いで、棺は霊柩車に入れられた。

近くにいる、お坊さんは、

線香の香りと共に念仏を唱えている。

煙は、死者を優しく包み込むように、

霊柩車に這いつくばっていた。


[パーー]


車はクラクションを甲高く上げた。

…最後のお別れだ。


ゆっくりと霊柩車は走り出した。


参列者達は、しっかりと霊柩車を見送った。


ゆっくりと霊柩車は、見えなくなっていた。


参列者達は、それを終わると、ぞろぞろと帰って行く。

あるものは、遺族に軽い会釈をしたり、また、

あるものは、無言で帰っていったり。


葬式ほど、しんみりした終演はない。


人々がほとんど、帰っていくと、

一人だけ、ポツンと少女が空を見ていた。


少女は空に向かって、手を振り、

(またね。)と優しくつぶやいた。

少女は母親らしい女性に、手を引かれ、

帰っていった。


僕は、空を見上げた。

夕暮れの日差しが雲の隙間から、

明るく照らしていた。


(故人は幸せだったんだな)



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