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第7回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞応募作

ギフト・オンライン

 こんにちは。

 今回は、とうとう最強枠のお母さんです。


 第7回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞への応募作です。


 よかったら、ぜひ読んでやってください。

「部長へのお歳暮頼むよ。ネットでいいから」

 夫のその一言に、響子は困り果てた。

 ネットは苦手だ。

 だが息子に買ってやったVR機器を思い出す。


 半信半疑でかぶると、自動調整が始まり、よくわからないままOKを押し続けた。


 目の前に浮かぶリスト。

『きしめん・オンライン』

『ギフト・オンライン』

『キムチうどん・オンライン』

「……食べ物が多いわね」

 少し迷ってから『ギフト・オンライン』を選ぶ。


 七色の光を抜けると、中世風の街の広場だった。

『はーい、ナビAIのピコちゃ……えええ!?』

 現れたウサ耳の小妖精が言葉を失う。


「どうかしましたの?」

『後光が差してる新人さんは初めてで……』


 白銀のオーラに包まれ、ミスリル装備が最初から整っている。

『このゲームはガチャでギフトを集めて戦います!』

 が、ガチャは灰色で動かない。

『……すでにSSSユニークギフトをお持ちです』


――ギフト【完璧なる演奏(パーフェクト・タッチ)

 触れるものすべてを楽器のように操る力。

 かつて138億年に一人の天才と言われたピアニスト神楽坂響子の才能が反映されたのだ。


 突如、空に黒い球体が現れる。

『現在をもって、このゲームは特別運用状態に移行した。ログアウトは不能である』

「あらあら大変!」

 無意識に指を動かすと、宙に鍵盤が現れ、球体の動きがリズムに縛られた。

『ドラゴンを倒せばログアウト可能です、マスター』

「まあ、帰れるの?」


 広場のプレイヤーたちが色めき立つ。

「俺たちも手伝うぜ!」

 金ピカ鎧の男が名乗った。

「俺はキンキングだ、よろしく!」


「じゃあ、ここにドラゴンさん出して?」

『ちょ!街中に?』

 ピコが慌てるが、

『仰せのままに、マスター』

 魔法陣が描かれ、赤い巨竜が咆哮と共に現れる。

 その威圧に足がすくむ者もいた。


 だが響子の指が鍵盤を叩くと、空気が変わった。

 剣はメロディに乗り、魔法は和音となり、仲間の動きが不思議なほど噛み合っていく。

 突進はリズムでかわされ、炎は旋律に導かれて逸れていった。


 竜の鱗は硬く、攻撃は弾かれる。

 それでも誰も倒れない。


「……決め手が要るわね」


 響子が指を口元へ運ぶと、黄金の魔笛が浮かぶ。

 軽やかな音色が高まり、旋律が頂点に達した瞬間、宙に巨大な投げ槍(グングニル)が顕現する。

 それは一直線に竜の喉元の逆鱗を貫き、巨竜は光の粒子となって消えた。


 歓声に包まれる広場。

 響子はピコに微笑む。

「お土産、頂けるかしら? 高級ハムか洋酒がいいのだけれど」

『……善処します、マスター』


(おわり)

 最後までお読みいただきありがとうございました!


 もし、少しでも気にいってくださったら、ブックマークや★をいただけると嬉しいです。


 なんか連作っぽくなってきたので、シリーズのURLも貼っておきますね。


『第7回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞応募作』

https://ncode.syosetu.com/s8251j/

『オルゴール・オンライン』

『ホットケーキ・オンライン』

『サバイバル・オンライン』

『ギフト・オンライン』


 今回もゆるいVR短編でしたが、

普段はもうちょっと騒がしい長編

『デスゲームに巻き込まれたのでマジチートしてイイですか?』

(マジチー)を連載しています。


バグ技、名古屋弁、ラーメンなど色々入り混じった

にぎやかVR冒険ものです。

よかったらこちらもどうぞ!

マジチー本編:

https://ncode.syosetu.com/n4658kt/

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