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消えた隣人  作者: 煌閃
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プロローグ

初心者ですが、頑張ります。

私の隣人、田中さんは、いかにも「物静かで目立たない」という言葉が似合う男だった。

朝は決まった時間に家を出て、夜は決まった時間に帰ってくる。

挨拶を交わす以外、お互いの生活に深く踏み込むことはなかった。

築40年の古びたアパートで、私たちは壁一枚隔てただけの、完璧な「他人」だった。

そんな田中さんが忽然と姿を消したのは、梅雨の晴れ間が続いた、ある穏やかな金曜日のことだった。

いつものように朝、玄関のドアを開けると、隣のドアに郵便受けから溢れんばかりのチラシが挟まっているのが目に入った。

初日は気にしなかった。

二日経ち、三日経っても、その状態は変わらない。

異変を感じたのは、四日目の朝だった。

普段なら、わずかな物音にも気づくほど静かなアパートなのに、隣の部屋からは何の生活音も聞こえない。

いつもの朝のルーティン、スプーンがマグカップに当たる音も、テレビのニュースの声も、全くない。

不安になった私は、管理人室に連絡した。

警察と管理人、そして私が見守る中、合鍵で田中さんの部屋のドアが開けられた。部屋の中は、まるで時が止まったかのようだった。

埃一つなく整理された部屋、テーブルの上には読みかけの新聞、そして、壁際に積み上げられた、何冊もの日記。

「これは……」

警察官の一人が声を漏らした。

日記は、どれも同じ茶色のシンプルな表紙で、背表紙には日付が書かれていた。

そして、驚くべきことに、そのうちの一冊の表紙には、見慣れた文字で「2025年6月10日」と記されていた。

それは、田中さんが最後に姿を消した日だった。

捜査は行き詰まり、事件は迷宮入りとなった。

残されたのは、部屋に積み上げられた日記の束だけ。

警察は遺族に連絡を取ろうとしたが、田中さんには身寄りがないことが分かった。引き取り手のない日記は、しばらくの間、管理人室で保管されることになった。

その日記を私が読むことになったのは、ほんの些細なきっかけだった。

部屋の異臭に気づいた大家さんが、不用品を処分する手伝いを私に頼んできたのだ。

その時、ふと目に留まったのが、あの茶色の表紙の日記だった。

「これ、よかったら持って行っていいよ」

大家さんの言葉に甘え、私は日記を何冊か持ち帰った。

興味本位で、軽い気持ちで開いた一冊。

そこに書かれていたのは、一日の出来事を淡々と綴った、ごく普通の日記だった。しかし、日付が進むにつれて、奇妙な記述が増えていく。

「6月10日。隣の男が、昼間にコンビニでプリンを買っているのを見た。どうしてだろう、彼はいつも午後三時にプリンを買うはずなのに」

私は思わず息をのんだ。

田中さんが買っていたプリンのことなど、私しか知らないはずだった。

なぜなら、私自身が、その「隣の男」だったからだ。

この小説は、私が他のサイトにて投稿したものを投稿していきます。

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