No.66 大地の神が降らせる石
『う~? ボクの話聞くござる~』
ラザが振り向いた瞬間、大地震が発生した。
カルカンが光の中から慌てて現れる。
「ラザ様、一体どうなされたのにゃ!」
「か、カルカンや。これは一体何事かぇ?」
あまりの揺れに、カルカンと冷戦状態だったことも忘れてしまう。
「ラザ様が動いて、外では震度7の大地震が起こってるのにゃ! 直下型にゃ!」
せっかく振り向いてくれたから反射的に撮影したのに、地震の揺れのせいでブレブレとなっている。
「ヨウ、写真なんかどうでも良いのにゃ! どうしてこうなったのにゃ!?」
「分からん、分からんのじゃ。妾はお主との喧嘩を愚痴っとっただけなのじゃ」
妾とカルカンが怯えていたら、ラザが両腕を天高く掲げた威嚇の構えを見せる。
『う~、仲良くしないならおしおきするござる~』
「妾たちはこんなに仲良しなのじゃ。のぅカルカン」
カルカンは尻尾を震わせながらも目が死んでなかった。
「ラザ様、地球を直接操作するのは法則の男神に禁止されているはずなのにゃ。つまりラザ様は直接手を下せない……違うかにゃ?」
不敵に笑うカルカン。神の中でもそのような取り決めがあったことに驚いた。
カルカン曰く、以前に日本を沈めそうになったから法則の男神に直談判して、地球の地形を変えるような力は直接与えてはいけない規則が設けられたとのこと。
「この地震はどうなのじゃ?」
「これは無意識の余波だからノーカンなのにゃ。余波でこの被害だからヤバいってことはヨウにも分かるにゃ?」
妾は必死で何度も頷く。ちょっと動いただけで震度7は危険すぎる。
法則の男神との約束を思い出したのか、ラザは首を傾げだした。
『う~? う~……。なら石を落とす~』
「「い、石とは?」」
妾とカルカンの問いが被る。
『えいっ!』
ラザが可愛らしい声をあげたとほぼ同時。Jアラートがけたたましく鳴り響く。
ニュース速報を見ても全てが同じ事を取り上げだした。残り1分で月が地球に落ちると。
「妾とカルカンは」
「私とヨウは」
「「とっても仲良し!!」」
妾とカルカンは抱き合って仲良しアピールをした。
『う~? もうケンカしないござる~?』
「せぬから早う石を元の位置に戻してたもれ!」
「お願いなのにゃーーー!」
必死の懇願により、地球滅亡の危機は去る。マジで大地の神、恐ろしい。
カルカンと二人、日本酒片手に反省会をした。
「地球に直接だけでは足りなかったにゃ。危なかったのにゃ」
「今後は喧嘩をしてもラザにはバレんようにせんとのぅ」
そうして妾とカルカンの間に【ラザには秘密協定】が結ばれることとなった。




