No.61 そういうのわかんなーい♪
「確かにあやつはヘタクソだったゆえ、妾がボロカスにゆうたのじゃが、それがどうして紫陽花 紅葉とかいう女に結びつくのじゃ?」
カルカンは指と尻尾を一緒にチッチッチと横に振る。
「ヨウのクリハンのプロフィールにはインスタのアカウントを載せているにゃ」
「確かにそうじゃが」
クリーチャーハンティングのプロフィール画面は各種SNSとも連動しており、双方のデータ連携がスムーズに行えるようになっている。
妾も趣味のゲームとSNSの宣伝ができるので活用していた。
「あやつのプロフィールを見てもインスタなどどこにも載っておらんぞ?」
「あさはかにゃ。これだからヨウは考えの底が浅いのにゃ」
何やら途轍もないディスリを受けた気もするが、軽く流して尻尾で続きを促す。
「クリハンで出掛けられないからアウトドアに憧れがあると言った次の日からSNSでマウントが始まっているのにゃ」
カルカンが投稿日時を肉球でポンポンと叩いてアピールした後、さらに情報をくべてきた。
「それで不貞腐れてガチャをヤケクソのように回して爆死したのが次の日にゃ」
「おぉ、そうじゃったそうじゃった。そしたら何故かあやつがキャンプの話題を振ってきたから、部屋の中でもグランピングは出来るわいと返したのじゃった」
「ヨウが強がって見栄を張るのは今に始まったことじゃないからその流れは必然にゃ。その日を境にSNSはどうなったにゃ?」
そう言われて該当の日付近辺をスワイプさせて確認していく。
「屋外でしかできんようなワイルドなキャンプ飯ばかりになっておるのじゃ……」
カルカンの指摘が先ほどからズバズバと突き刺さる。
クリハンのアラシ野郎と、マウントインスタ女子の紫陽花 紅葉が同一人物に思えてきた。
「じゃが男というのは何故じゃ?」
「甘い。甘いのにゃー。この彼氏と紹介している男をしっかり見るのにゃ」
サングラスで目元を隠してはいるが、可愛い系の爽やかイケメンだ。
それでマウントを取られた時には流石にカチンと来たので「母が神様で異世界のカービル帝国から来た妾にはそういうのわかんなーい♪」と返しておいた。
それに対し「素敵な夢の小説♪ 私が生きている間に出版されたら買いますよ」という皮肉が飛んできて、ダブルでむかついたことを今でも忘れない。
そのことを思い出して妾が尻尾を荒ぶらせていたら、カルカンが手で宥めつつ諭してくる。




