No.41 いつの間にかマイナンバーカードGET
「妾としては港区女子を貫きたいと思っておるのじゃ!」
妾は拳を高々と掲げて宣言した。
最近は禁酒を言い渡したせいか、元気の無いカルカンが興味なさげに応じる。
「まだ寝言いってるにゃ? 夢は夢で終わらせるのにゃ」
何と言われようとも、この熱いリビドーを掲げて突き進むまで。
「ところでカルカンよ。妾はどのくらい港区女子なのかぇ?」
「何の事にゃ? 住所だけは立派な港区女子なのにゃ。住民票もあるし、マイナンバーカードも作ってあるのにゃ」
聞けば妾が元々住んでいたカービル帝国の国籍と日本国籍の二重国籍だと言う。
「のぅ、カルカン。妾も日本の勉強を初めて間もないので合っておるのか分からんのじゃが、日本は多重国籍を認めておらんかった気がするのじゃ」
「そうにゃ。その辺は私がまるっと交渉してきたから大丈夫なのにゃ!」
ドンと自分の胸を自慢げに叩くカルカン。
まさか妾がグレーゾーンの存在だったとは……。
「カルカン、お主は真っ黒よのぅ、光とは黒かぇ?」
「毛並みは真っ白、光は金色なのにゃーー!」
カルカンは金色の眩い光を放ち、徹底抗議の構え。
「わ、妾が悪かったのじゃ。じゃから顔にダイレクトで当てるでない!」
「ちゃんと適切に認めさせたからきちんと説明を聞くのにゃーー!」
カルカンの説明を受けた。
どうやら、異世界の存在自体が日本では認められていない。そのため「存在しない架空の国との二重国籍と言い張っているだけにゃ。架空の国を認めないけど頭残念な妄想に付き合うだけで良いにゃ!」などと宣って来たらしい。
「妾は日本政府から取り返しのつかない頭残念な中二病認定されておるのか……」
「難病に指定されているのにゃ」
畳に伏して泣いていると、カルカンが妾の肩を叩いて励ましてくれた。
そこで先ほど流してしまった疑問点がふと過る。
「して、マイナンバーカードとは? 確か顔写真が必要じゃったはずじゃ。妾のSNSから画像を渡したのかぇ?」
「うんにゃ。あんな変顔ばかりの画像は使えないのにゃ。だから撮影したにゃ」
「全く記憶に無いのじゃが?」
酒をチラつかせ、カルカンから妾のマイナンバーカードを奪い取る。
そこには瞼を閉じた妾の顔写真が載っていた。
「のぅ、これは盗撮では無いのかぇ?」
「はて? なんのことかにゃ?」
「布団がAI消しゴムで消されたかのように不自然に消えておる。枕は消し切れておらんようで、ここに見慣れた枕の切れ端が見えるのじゃ」
指摘をするとアホの子は「しまった!?」とでも言わんばかりの表情をした。
「キャハにゃ♪」
「おい、そんなあざとい誤魔化しは通用せんぞ?」




