No.37 新時代の茶室
「お主……何かあの男に後ろめたいところがあるのかぇ?」
「そうなのにゃ。だからチクられるのは困るのにゃ」
「あい分かった。では水回り全般のリフォームを求めるのじゃ」
カルカンは「どうしてそうなるのにゃー!」と憤慨しているが、それは弱みを見せた者が悪いというもの。
「さっきの名刺の電話番号へ直接要望を……」
「ヨウ、ヨウ様、それだけは勘弁なのにゃ。てへぺろなのにゃー」
ウインクして尻尾を立てるカルカン。捕まえて放り投げた。
なのに起き上がるとダッシュで戻ってきた。
「マジ困るのにゃー。水回りを改造すれば良いのにゃ? 全くワガママすぎるのにゃ」
「ふむ、ビールの蛇口も水に変えて貰おうかの」
「後生にゃー……ビールだけは残して欲しいにゃ」
その後も脅しまくって妾の城を思い通りにカスタマイズしていく。
一日かからず魔改造は完了。日本のスタッフは実に優秀だ。
スペースは相変わらず二畳間。されど最大限に活用してやった。
「ヨウ……これ茶室に見えないのにゃー……」
「新時代の茶室じゃ! 今宵は宴ぞ!」
「にゃっにゃにゃっにゃ♪」
アホの子は酒さえ与えておけば安心安全。
「うぉっほん。では説明しよう。妾の城を!」
「ぷはーーーにゃーーーうぃっく。ヨウは誰に説明してるのにゃ?」
1階部分は壁面収納として日用品周りを詰め込みまくった。
今までは坪庭に業務用ビールショーケースがあるだけで、妾は坪庭に入れない。
その問題が全て解決。
冷蔵庫も冷凍庫も電子レンジもオーブンも壁面に用意し、他の収納もスライドで入れ替えられる。
2階はもっと凄い。
機械式立体駐車場のように部屋まるごと入れ替えるのを実現させた。
水回りの改善もあり、ついにラグジュアリーなジェットバスを入手。
個人サウナもついでにゲットした。
さらにはフリルもマシマシな天蓋付きベッド。快適な寝室も素晴らしい。
ウォークインクローゼットや書斎も用意しているし、ゲームシアターも2階の入れ替え部屋に移動させた。
「向かうところ、敵なしなのじゃ!」
「ヨウ、あんなに大量の服は要らないと思うのにゃ」
「む? せっかくウォークインクローゼットを手に入れたのじゃ衣類は欲しい」
収納スペースもないし、どこにも出かけられないからと諦めていたオシャレ。
諦めなければ、夢は実現すると証明された。
「そろそろ妾もレイヤーデビューしてみたいのじゃ」
「そろそろ封印の間違いにゃ?」
「おっと、いかんな。ドンペリを買っていたのを忘れておった。飲むかぇ?」
「はいにゃーーー!」




