No.36 本気の魔改造始めました!
「おい、カルカン。守秘義務とはなんじゃ?」
「痛いにゃー……ヨウから垂れて来てるコーラがべたべたするのにゃ」
「質問に答えんかぃ!」
カルカンを持ち上げていた手を放す。
畳に落下したカルカンは尻餅をつき、お尻を擦っていた。
「カ ル カ ン!」
「あー、うるさいのにゃ。ヨウには内緒だから、ここが日本って話せなかっただけなのにゃ。力を封じ込める力場都合で動いちゃダメなこともヨウだけには内緒なのにゃ。なので秘密厳守でお願いするのにゃ」
妾とカルカンは暫し見つめ合う。
「カルカン、お主が話しておるのは誰かの?」
「ヨウなのにゃ。全く、ボケるには早いのにゃー」
二人して「わっはっは」と笑い合った。
アホの子が自ら暴露したことに気付いていないのは一先ず置こう。
重要な点は「力を封じ込める力場」という情報。
半ば封印されている状態なのかも知れない。
「のぅ、カルカン。ひょっとして妾がここに居る分には法則の男神も怒らんのでは無いのかぇ?」
「にゃー。宥める条件出すのも大変だったのにゃ。あ、これもヨウだけにはオフレコにゃ!」
「分かっておる分かっておる」
なるほど。
今までは法則の男神に遠慮してワガママも抑え気味にしていたが、そんな配慮は無用だったようだ。そろそろ妾も本気を出すときが来た。
「妾の時代がきよったな! もう遠慮なんかしてやらん! そうじゃ、ここを妾の国にするのじゃ! 名案だとは思わんか?」
「にゃー? そもそもヨウが遠慮した事実が前例に無いのにゃ」
「そうと決まれば早速注文じゃ。壁の魔改造をお願いするのじゃ!」
茶室に似つかわしくないと思って無意識に避けていたが、妾がこの二畳間の中に居れば良い模様。壁の向こう側も、何だったら床も思いのまま。
「冷凍庫と電子レンジは絶対に必要なのじゃ。機械式立体駐車場の要領で2階部分をまるごと入れ替えられるようにもしておくれ」
「それを叶えたら封印されてくれるにゃ?」
「(数十年後に)検討はしようぞ」
「なら良いのにゃ~!」
男たちがやってきて魔改造が成った。
ついでに蛇口問題もそろそろ解消したい。
「おい、カルカンよ。蛇口の一つを水に変えよ」
「にゃ? だから取り換え不可の契約なのにゃ」
「ふむ。あのリーマンから貰った名刺に載っていた電話番号へかけてみるかの」
受話器を持ち上げたら、すかさずカルカンが止めに入った。
「わ、分かったのにゃ」
「お主……何かあの男に後ろめたいところがあるのかぇ?」




