No.28 太陽光の代わりはとことんゴージャスに
「これでは全く外の様子が見られぬでは無いか。妾に外の風景を一切見せないのは意図的かぇ?」
「心外なのにゃ。そこに坪庭があるのにゃ」
カルカンにそう言われ、隣室の坪庭を見やる。
けれど、あくまで坪庭風なだけで外が見える訳でもない。
「隣室をそれっぽいコーディネートしただけでは無いか。妾も陽の光を浴びたいのじゃ」
発言した瞬間、カルカンが眩しく発光し始めた。
「ほら、これで満足にゃ?」
「ええい! カルカン光を浴びたい訳ではないわ!」
妾は、カルカンの両肩を掴んで激しく揺さぶる。
やっと観念したのか、カルカンは事情を語り出す。
「ヨウに外を見せたくないのでは無くて逆にゃ」
「逆とは?」
「外からヨウを見れなくするためにゃ。だから天窓もダメなのにゃ」
なるほど。妾を見るのも禁忌扱いか。悲しい。
でも、そんな思いの中、ふと気づく。
「そういえば出前や配達の人には思いっきり見られておるが……あれは良いのかぇ? 妾は見られて困る神々の恥部なのじゃろう?」
「ヨウ、言い方! 届けてくれる人たちというか、その電話で頼めるところはNDAを結んでいるから問題ないのにゃ!」
「なんだかやたらビジネスライクじゃの」
秘密保持契約とは大袈裟な気もするが、要は見られても問題が無いが、言いふらされるのは困るということか。
「なら、妾が変装して外に出るのはダメかの?」
珍しくカルカンが即答をしない。
少しの間、明後日の方向を見ていたカルカンが呟く。
「……四大神に掛け合ってみるにゃ」
「おぉ、カルカンよ。お主、優しいところもあるのじゃな。その調子で部屋も明るくしてくれんかの?」
天窓の代わりに豪華な照明をリクエストしてみた。
そしたらまたも現れる男の集団。
5階を吹き抜けで増築し、そこにゴージャスなシャンデリアがやってきた。
あまりの眩しさに目がチカチカする。
「のぅ、カルカンや。4階だけ明るすぎるのじゃが」
「んにゃ? そのうち慣れるにゃ」
「のぅのぅ、カルカン。立ち上がると先端が頭に触れるのじゃが、邪魔では無いかの?」
「イチイチ細かいのにゃ。私は立ち上がっても全然問題無いのにゃ」
妾の身長の半分にも満たない子猫サイズのアホの子が何やら寝言を言う。
「フッ……お主はケツの穴も器も小さいだけで無く、身長に合わせて脳みそのサイズも足らんのかぇ?」
カルカンは尻尾をグルングルンに回しながら激しく抗議してきた。
「おまいうなのにゃーーー! 身長も胸も全体的にミニサイズのヨウに言われたく無いにゃ!」
割と本気で力を込め、カルカンのこめかみを拳の万力グリグリの刑に処す。
毛を逆立てて涙目になるカルカン。
「あぁ、あぁ、ちょっとしたジョークなのにゃ。頭が割れるのにゃーーー!」




