No.26 錠藩新と河畔伸のW主人公四コマ漫画
丁寧に質問をしていたら、カルカンがおもむろに立ち上がった。
「ヨーコ様から数週間に渡り、どこが面白いかをレクチャーされたこともある私が解説してやるのにゃ」
「たかだか4ページの四コマ漫画におおげさ過ぎんかぇ?」
「漫画の意図を質問すると漏れなくお酒が……」
「あぁ、言わんでええ。何となく察せたわ」
作品のことを質問されると、嬉しくなって持て成したであろう母を不憫に思う。
「母へ忖度を図り、酒をせしめたとゆう訳じゃな?」
「ガタガタうるさいのにゃ。さっさと本題に入るにゃ。錠 藩新と河畔 伸の四コマの解説でOKにゃ?」
「うむ」
カルカンの確認に、鷹揚に頷いておく。
するとカルカンはとんでもない爆弾発言をした。
「それはヨウの母親であるヨーコ様がアホの子ということが答えなのにゃ」
「ハハハ、アホのカルカンが妾の母をアホとゆうとるのじゃ」
「おーい、ヨウ。心の声が口に出てるのにゃ」
おっといかんいかん。アホの子が何か口走っていたのでついうっかり。
アホの子のカルカンにアホ呼ばわりされたのでは母も浮かばれんと思う。
カルカンは暫くジト目で睨んでいたが、諦めたのか解説へと移った。
「まず、最初のは逞しさを称える四コマにゃ。次が突然の雨に打たれヒロインと一緒に濡れるシーンで、その次が風邪を引いて起き上がれないシーン。その次が復活して元気になったシーンなのにゃ」
やはりアホ。解説を任せたのは間違いだったのかも知れない。
拙い絵ではあるが、その程度のことは読み取れた。
「じゃから、書いてある内容は分かるのじゃ。でもシーンの意味や理由が分からないのじゃ」
カルカンがホワイトボードに書いて示してくれた。
要は下ネタで、ツッコミ役が不在の漫画みたいだ。
以下、母の漫画の抜粋。
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『わぁ、錠 藩新くんはとっても逞しいね!』
『わぁ、河畔 伸くんはとっても逞しいね!』
『雨凄かったね。錠 藩新くんもびしょ濡れだよ?』
『雨凄かったね。河畔 伸くんもびしょ濡れだよ?』
『風邪大丈夫? 錠 藩新くん起きれそうにない?』
『風邪大丈夫? 河畔 伸くん起きれそうにない?』
『錠 藩新くん、すっごい元気になったよね!』
『河畔 伸くん、すっごい元気になったよね!』
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ルビをふるか、声にして読み上げないと分からない系のネタ。
しかし、河畔くんはオチへ便利に使われているな。
「……妾の母は頭残念な御方じゃったのじゃな。ギャグ漫画ならそういうタッチにすれば良いのに何故劇画調なのじゃ?」
「んにゃ? 劇画調にしたのは私なのにゃ」
なんと、アホの子同士の合作だった。




