No.24 夜食のカップ麺
出前のラーメンに飽きていた妾は、カップ麺を夜食に迎えることとなる。
九州地方限定の有名な豚骨ラーメンのカップ麺。
お湯を沸かして目印の所まで注ぐ。後は3分待つだけ。
「カルカン。時間を計るのに丁度良い物は何かないかぇ?」
「砂時計があるのにゃ。使うかにゃ?」
「おぉ、これはかたじけない。恩に着るのじゃ」
砂が大粒で一つ一つが星型の珍しい砂時計を貸して貰った。
油性ペンで名前を書いてこっそり妾の物にしてしまおう。
「と、言う訳で出来上がるまでゲームをするのじゃ」
ゲームを起動して、プレイしながら横目でチラチラと砂時計を確認する。
随分と時間が経った気はしていたのにまだ半分くらいしか落ちていない。
「ま、こういうのは気にしているときは進みが遅いような気がするとゆうしの」
気のせいだと流し、ゲームの方に集中していく。
「ふぅ、レアアイテムをゲットしたのじゃ!」
つい夢中になってしまった。慌てて砂時計を確認する。
「まだ落ち切っておらなんだか。気にし過ぎなのかの」
そう思ってゲームに戻ろうとしたら、ふと視界に入る空になった酒瓶の数々。
「のぅ、カルカン。さっきと比べると750mlの空き瓶が3本も増えとるが?」
「そうなのにゃー。いつの間にか中身が空でこの世最大のミステリーなのにゃー」
このアホの子のミステリーは一先ず置くとしても、3分内では異常な量だ。
思い出したように時計を見やる。
すると短針が記憶にある位置と異なる方向を指し示している。
「……のぅ、カルカン。この砂時計の計れる時間は何分かぇ?」
「んにゃ? 何を言ってるにゃ? 120分って言わなかったかにゃ?」
うむ。一言も言っていないし聞いてもいない。
「ヨウ、ヨウ! 何するのにゃ! 頭グリグリはちょっと痛いし、酔っている身には辛いのにゃ!」
「はぁ? この伸びきった麺を見て見よ。ほれ、これを食えるのか? スープがもうほとんどないぞぇ?」
「ははーん、待ち時間を間違ったからと私に責任転嫁しようとしてるにゃ?」
妾は腰を入れて、筋肉に血管が浮き出るような心持ちでこめかみグリグリに力を込めるのだった。
「ちょちょ! ヨウ、マジで痛いのにゃ! これは洒落になってないのにゃ!」
「洒落になって無いのはお主の脳みそじゃ! 頭蓋骨なぞ割れてしまえ!」
その日は一晩中、カルカンの絶叫が続いた。




