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混沌なる異世界(カオス・ワールド)~様々な異世界国家が集まる異世界の坩堝~  作者: 波 七海
第三章 世界大戦勃発編

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第14話 南東諸島・ガッツ島沖海戦 ②

いつもお読み頂きありがとうございます。

本日は12時の1回更新です。

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少しでも続きが気になる方は評価★★★★★とブクマをして頂けると嬉しいです!

ブクマをしてもらえれば更新された時分かりますし、評価して頂ければ作品が浮上できます。

 ――南東世界 南東諸島ガッツ島沖


 群島が集まってできた所謂、南東諸島。

 その深海をガラベルム帝國の潜水艦3隻がゆっくりと潜行していた。

 南東世界制覇のために周辺の海底は既に調査済みであり、そこに抜かりなどない。


「くくく……我らこそ海の隠者。敵は何が起こったのかすら理解できずに轟沈する」


 不気味な声で怪しく嗤うのは潜水艦艦長シーズムであった。

 彼は海上艦隊が他国の艦隊は撃滅する中、帝國のために戦えない不幸を嘆いていた。戦いに参加できなかった理由は、圧倒的な技術格差がある周辺国家に態々潜水艦を投入する必要性などないから。

 それに海底の調査も進んでいない状態であったことも挙げられる。

 ようやく調査が終わったと聞かされた時はシーズムは小躍りして喜んだものだが、それもユースティアからの勧告によって絶望へと変わった。

 ガラベルム帝國が勧告に屈して戦争を控えるようになったのだ。

 仕掛けたとしてもユースティアと国交がに小国ばかりで出番すら与えられなかった。


「ようやく……ようやく敵艦隊に魚雷を撃ち込める幸せ! おお神よ! 迷える子羊たちを今、御許へ送り届けます!」


 敬虔なベルム教信者であるシーズムが1人高揚している中、乗組員たちは「うるせぇなこいつ、静かにしろよ」と思っていたが口には出さない。

 その後もずっと絶頂状態にあった彼を止めたのは1件の報告であった。


「レーダーに影あり。かなり巨大です」

「あ? それはあれか? この世界にいると言う海魔って奴か?」


 海にも魔物が棲むと聞いていたシーズムは魚雷を撃ち込んでみたい衝動に駆られるが、何とか踏み止まることに成功した。


「不明ですが速度は出ています。我が艦よりも速いようです」

「ここにはおかしな魔物がいるらしいですからね。放っておきなさい」


 今は海魔などどうでも良い。

 念願の戦艦を撃沈できたなら、この上ない誉れだ。

 目標がユースティア艦隊だとしたら一番槍の栄誉に与れると言う訳である。

 そんな夢の世界に旅立ち掛けていたシーズムであったがオペレーターに現実へと引き戻されてしまった。


「目標がこちらへ接近中」


「何……敵も潜水艦を持っていると言うのか? しかしこちらに気付いていないのか……よし魚雷発射準備! すぐに注水しろ!」


 命令は直ちに実行に移され、魚雷が発射される。

 ガラベルム帝國最新の潜水艦による技術の結晶56式魚雷だ。

 前世界の超重厚な戦艦の装甲すらぶち抜く貫通力を持ち、その速度も桁外れだ。

 1度照準が合えば躱せるはずがない。


「我が帝國の最新式魚雷を喰らうがいい……」


 海底で大爆発を引き起こし、敵潜水艦は圧潰して威力を海上に向けて放出する。


 はずだった。


「目標に回避されました。目標健在」


 ガラベルム帝國の56式魚雷は無誘導であった。

 それなりの速度を誇り、威力も高いのだが直進しかできない。


「何ッ……躱されただと? 2番艦、3番艦と連絡を取り合って同時攻撃を仕掛けろ」


 シーズムの命令により、一斉射される56式魚雷。

 元々南東諸島周辺の海底地形は非常に複雑で、機動にも集中力が必要だ。

 しかし同時攻撃を躱せるはずがない。

 そう考えながらシーズムの思考は既に、戦艦を沈めることに移っていた。


「ふふふ……速く進むのです。そのどてっ腹に穴を穿ってやりましょう!」


 シーズムは1人、不敵な笑みを浮かべて敵艦隊との遭遇を心待ちにする。


 ―――


「おいおい。何か近づいて来てるぞ。敵さんも3隻か。取り敢えず性能を確認したいな。自動制御型デコイを出せ」


 ユースティアの潜水艦3隻もガッツ島沖の闇の中に潜んでいた。

 遠距離だが既に目標を捕捉している。

 取り敢えずは様子見だ。

 ガラベルム帝國の潜水艦がどの程度の性能なのか確認したいところである。


「注水音……かなりの音響です。これでは居場所を教えているようなものですね……」


 海防隊員から思わず呆れたような声が漏れる。


「1発なら普通に躱すな。想定外かも知れん」


 艦長が考えた通りにデコイはあっさりと魚雷から身を躱す。


「敵の魚雷は無誘導のようです」


「あー今度は当ててくれよ……? 威力のデータくらいは取っておきたいからな」


 そんな会話をしている間にもデコイは敵潜水艦に向かって接近していく。


「注水音。魚雷3発発射された模様」


 確実に当てるために移動した上での魚雷発射である。

 無誘導なのは確実。


「躱しきれません。着弾します」


 画面の向こうでは敵艦の座標と魚雷やデコイの位置まで全てが可視化されて移されているため、何が起こっているか把握しやすい。

 2発は回避し残りの1発のみが命中したようだ。

 デコイからはデータが一瞬の内にデータが転送されて来て、画面に表示されている。


「威力は高いようだな。だが当たらなければどうと言うことはない」


 結論――敵潜水艦が捕捉できない位置から自動識別誘導型魚雷で沈める。


 これは敵潜水艦を識別して自動追尾するタイプで、アクティブ誘導と組み合わされたユースティアの最新鋭魚雷だ


「ガラベルム帝國の潜水艦も大したことはなかったな。各艦それぞれに照準1発で沈めろ」


 直ぐに魚雷が発射されもの凄い速度で目標へと迫る。

 その圧倒的な射程と潜水艦を自動識別してひらすら追いかける誘導魚雷で勝負は着いたも同然だ。


 乗艦している海防隊員たちは哀れな犠牲者に対して黙祷を捧げた。


 ―――


「目標は撃破。ただ2発が躱された可能性があります」


「何ッ!? 躱されただと? 信じられん……」


 シーズムに嫌な予感が過るが、敵潜水艦と思われる物は撃破できた。

 これで後は敵艦隊に近づいて魚雷を撃ち込んでやれば良い。

 56式魚雷を受けて沈まない艦などない。

 彼らはそれほどの自信を持っていた。


「よし、進め。さっさと得物を喰い散らかしてやろうではないか」


 そうやって大いなる名誉を得んと考え始めたシーズムに報告が入った。


「何かが近づいてきます」


「何かとは何だ? 正確に言え」


「超高速のため捉えられませんが、恐らく魚雷かと思われます」


「!? 周囲に潜水艦がいるのか?」


「いえ、確認できません……。距離1000切ります」


「回避だ! 回避しろ!」


 水測員が悲鳴のような声を上げて叫ぶ。


「音が……音が近づいて来る!」


 ピコーン――ピコーン――ピコーン――


「お、追いかけてきます! 魚雷が追いかけてきます!」


「そんな馬鹿なことがあって堪るか! 相手の動きを追尾する魚雷など聞いたこともないわ!」


 艦内には不気味な探信音が響いている。

 シーズムにはそれが死神の足跡のように感じられ、じっとりと汗が滴り落ちる。

 超高速で追尾してくる魚雷。

 距離はもうない。

 本来なら既に着弾し圧潰。

 空気が抜けて全員が押し潰されて死んでいるはず。


 だがシーズムはその時がとてつもなく長く感じられた。


 何だ何だ何なのだ!


 直撃――死――


 その刻は訪れた――潜水艦に直撃した魚雷は威力を爆発的に解放――圧潰し海底へと沈んで行った。


 ―――


 海底でそんなことが起こっているとは露知らず、逃げていく敵艦隊をひたすら追いかけるガラベルム帝國第3艦隊。


「この辺りは岩礁があるはずだ。全艦停止せよ。誘い込んで1隻ずつ叩くつもりか……?」


 司令ルーブリスはそんなことを考えるが、ユースティア艦隊はなおも離れていく。

 理解が出来ない。

 あの小口径の砲は凄まじく射程が長いのか?

 疑念が渦巻くが理解が追いつかない。


 となれば――


「空母へ送れ! 全機爆装させて上げろ! すぐにだ!」


 ルーブリスの決断。


 だが遅かった――勝負の分かれ目は一瞬。


 ガラベルム帝國第3艦隊に地獄の雨が降る。

ありがとうございました。

また読みにいらしてください。

次回の更新は未定です。


大切なお願いです。

ここまで読んで頂いた方は是非、、

評価★★★★★、リアクション、ブックマークなどをして頂ければと思います。

感想やレビューもお待ちしております。

モチベーションのアップにも繋がりますのでよろしくお願い致します。

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― 新着の感想 ―
そんなまさか自動識別型誘導魚雷なんて我が帝国を差し置いて存在するわけが… 交戦距離の違いも悲しいなぁ
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