第11話 ガラベルム帝國・南東世界再侵出!
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ユースティアに抑え込まれ続けて雌伏の刻を過ごしていたガラベルム帝國がついに動き出した。
目指すは南東世界の制覇、ひいてはユースティアへの侵攻が目的だ。
更に言えば復讐だ。
ガラベルム帝國はザルツ海海戦における敗北に、それほど恨みを抱いていると言うことだ。自業自得なのにもかかわらず、そこには目を瞑る都合の良さである。
政府上層部はザルツ海海戦での敗北と、世界制覇へ口を出されたことに強い不快感を抱いていた。
現在進行形で世界規模での大戦が行われていると事態の重大さを理解した帝國政府は、ユースティアが中央世界に干渉していることを掴み、これを千載一遇の好機を捉えたのだ。
「我が国も起つ刻がきたのだ! 中央大陸の神聖ヴァアルガリア帝國は随分と苦戦していると聞く」
帝國会議にて、ジュンイ帝國宰相が口火を切った。
らしくもなく拳を振り上げて興奮しているようだ。
余程、ユースティアに頭を抑えつけられていたことが不満なのだ。
「我々もランディス合衆国側で参戦すべきでしょうな。数も質も圧倒的に上だ」
「はい。ランディス連合国は負け知らずで、ガリア連合の獅子州からは造反も出ております」
テックス帝國情報局長官は調査内容をすらすらと話し始めた。
既に異世界へ転移して1年以上が経過している。
だいぶ世界についての理解が進んできた状態である。
「ではまずは南東世界へ侵攻ですかな?」
「そうなるだろう。いずれユースティアとはぶつかることになるだろうが、南東の国々など1度占領してしまえばこちらのものよ」
「その通りだ。ユースティアの陸戦力の規模はそれほどでもない。オースティン大陸の情勢から考えればよく理解できる」
サナトス陸軍大臣の言動からは自信が感じられる。
それを聞いてソラテナル海軍大臣も負けじと発言する。
その語気は無意識の内に強くなっていた。
「敗北したと言ってもまだ1度だけだ。海で1度。我が国の物量で一気に制圧してやろうではないか!」
「奴らの海上艦隊は何処にいるか把握できているのかね?」
「南東諸島に1つ基地があるようですが、他には見当たりません。現在多くの艦隊がオースティン大陸の南タイカ海辺りに集まっている様子です」
「やはり劣勢の神聖ヴァルガリア帝國への援軍派遣と言う訳か……何にしろ、我々もただ雌伏していた訳ではない。すぐにでも南東世界を全て皇帝陛下に捧げるのだ!」
帝國会議では以下の方針が決まった。
・列強国の1つであるムー連邦とテロス国に侵攻しレムリア大陸を占領する。
・ラスタル植民行政府のあるラスタル島のイネアス王国、オスロー国に侵攻する。
・南東諸島にある大国トルキア帝國へ侵攻する。
・ユースティアには介入させることなく、電撃戦を行う。
・各地を制圧後、手薄になっているユースティアに大艦隊を送り込む。
これはすぐに上奏され、皇帝ガルムⅦ世による宣戦の詔が出された。
ユースティアは後回しだ。
南東世界の支配は転移直後から、ずっと計画立案、検討されてきたことなので、ガラベルム帝國の動きは速い。
更に言えば、皇帝からの上意下達が徹底されている。
彼の意見が全てを動かすと言っても過言ではないのだ。
そこが初動が遅いユースティアとの違いだが、政治形態が違い過ぎるため一概にどちらが良いかは分からない。
そして南東世界周辺国家征討軍が各地へと派遣された。
南東世界が――荒れる。
◆ ◆ ◆
「何ッ!? ガラベルム帝國から海上艦隊が接近中だって? 宣戦布告もなしにか?」
ラーマル代表が愕然とした表情で叫び声を上げた。
あまりにも急な報告にムー連邦政府は困惑していた。
転移以降、あちこちの国々を制圧してきたガラベルム帝國が急に大人しくなったと思ったら、ここにきての侵攻である。
「元から外交ルートがありませんし、あの国には常識など通用しないでしょう? 仕方ないのでは?」
「おのれ……列強国たるムー連邦に喧嘩を売るなど身のほど知らずも良いところだ。すぐに閣議を開く! 全長官を召集せよ」
「はッ!!」
そして会議が躍り始める。
行政府の大会議室に集まった政府首脳たちの中で、開口一番にラーマル代表が口を開いた。
「海軍長官、ガラベルム帝國艦隊は何処を狙ってくるのか分かるかね?」
「首都イズムードか貿易都市ホルスンクでしょうな。どちらも臨海都市であり重要都市です。私としては首都に来るのではないか考えておりますが……」
貿易都市ホルスンクはレムリア大陸の南東部に位置するムー連邦にとっての最重要都市の1つである。
首都を護るのは当然だが、ホルスンクも多くの他国籍企業が進出してきているため、防衛しない訳にはいかなかった。
「それについては私からご説明させて頂きます。海軍からの情報では帝國艦隊が取っている現在の進路は首都方面です。そしてこれまで帝國が占領した国々は最初に首都を強襲制圧されていると言う事実があります。それを考えると首都への来襲の可能性が最も高いものと判断します」
情報長官から淡々と見解が述べられる。
「どの海域で艦隊が見つかったのか? 防衛など生ぬるい言葉など使わずに、直ちに出撃して迎え討てば良い。位置はまだ掴めているのだろう?」
「はい。哨戒機は攻撃すらされていないようです」
「ふん。帝國の慢心が透けて見えるな。帝國艦隊の編成は分かっているのか?」
「編成は戦艦5、重巡洋艦14、巡洋艦18、駆逐艦20、空母6、後は補給艦などだと思われます」
「大艦隊だな。それ故の余裕と言ったところか……」
「それほどの数なら我が国もかなりの戦力を投入する必要がありますね。」
ムー連邦には長い国家と歴史を独力で護り、紡いできたと言う自負がある。
そして列強国としての自信と誇りがあるのだ。
現在は穏健路線を貫いているが、過去幾度となく戦争を繰り返してきた。
負けるはずがない。
皆がそう考えていた。
「それでは慢心したガラベルム帝國に鉄槌を下してやろうではないか。海軍長官はすぐに艦隊を編成し出撃させよ」
艦隊派遣はすぐに首脳による全会一致で承認され、直ちに組織された連邦艦隊は意気揚々と出撃していった。
◆ ◆ ◆
その頃、南東諸島にある海防基地にある情報が舞い込んでいた。
ガラベルム帝國がとうとう動き出したらしく、衛星によって周辺国家へ向けて進む大艦隊が捕捉されたのである。ユースティア本国からの連絡を受けて、基地内は慌ただしい雰囲気に包まれていた。
「おいおい。こいつら何正面作戦するつもりなんだ?」
「凄い物量ですね……同時多発的に戦争を起こす気ですよ、これ」
送られてきたデータをモニターで確認しながら会議に出席していた面々が驚きの声を上げた。偵察衛星からのデータと高高度哨戒機による偵察の結果、とてつもない数の艦隊が南東世界に散らばっているのが分かる。
「南東世界は文明度が少し低いからな……戦力を分散しても大丈夫だと考えたんだろうな」
「ガラベルム帝國の得意技は首都を電撃的に急襲して落とすと言ったものですからね。各国の首都はほとんどが臨海部にありますからねぇ……」
実際のところ、南東世界は文明の発達度で見ればかなり遅れていると言っても良い。科学技術も魔法技術も低いのだが、強いて言えば魔法が使える者がいて、国家が飛龍を戦力として保有していることから魔法文明国家であると言える。
「で、来た命令がガラベルム帝國艦隊の撃滅だって?」
「各国には邦人もいますからね。目的は邦人保護ですからやむを得ないのでは?」
「私は反対ですね。同盟国でもないのに介入するなんてやり過ぎかと思います。とは言え命令ですから従いますがね」
反戦派の海防隊員である1等海佐が文句を垂れる。
思想と行動が異なることなど、ままあることだが、この場にいた他の海防隊員たち全員が心の中で突っ込みを入れていた。
現代の価値観で過去を断罪するのも愚かな行為だが、過去に引きずられ続けるのもよろしくない。
「いや、これから中央大陸の北部に派兵するのに、本国周辺に脅威があってはマズいことになる。恐らくガラベルム帝國はランディス連合に入るつもりなのだろうが、我が国としても後顧の憂いはなくしておく必要がある」
基地司令の海将は部下たちに強く言い聞かせるように説明する。
ユースティアが置かれている状況を理解していない者にもしっかりと分からせるためであった。
南東諸島にある基地からは第2、第3護衛艦隊群がガラベルム帝國艦隊の撃滅に向かう予定である。
その内の1つはムー連邦の首都イズムードへ向かう予定だ。
現在、ムー連邦には多くのユースティア人が親善や技術交流などのために在住している。当然だが、軍事力に不安のある国家へ国民を護るために派兵するのは義務とも言える。
これでユースティアは南北の海の支配権を賭けて戦うこととなる。
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