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混沌なる異世界(カオス・ワールド)~様々な異世界国家が集まる異世界の坩堝~  作者: 波 七海
第三章 世界大戦勃発編

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第9話 混乱の獅子州

いつもお読み頂きありがとうございます。

本日は12時の1回更新です。

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少しでも続きが気になる方は評価★★★★★とブクマをして頂けると嬉しいです!

ブクマをしてもらえれば更新された時分かりますし、評価して頂ければ作品が浮上できます。

 ランディス合衆国のフォルニア東方艦隊が圧倒的な物量で挑んできた海戦に大勝利を収め、神聖ヴァルガリア帝國の重要軍港ポートノワール失陥の報が世界各地に飛んだ。


 その刻、歴史が動いた。


 獅子州連合の中でも強大な軍事力を保有し、主力と見込まれていたドイチェルト帝國が突如としてフリーレンス共和国との国境を越えたのだ。

 帝國自慢の機甲部隊による完全な電撃戦。


 フリーレンス共和国の都市は抵抗する術もなく次々と陥落していった。

 獅子州連合の盟主国が落ちれば大混乱が起きて、対アトランティス帝國戦線、対ルジナート連邦戦線がまともに機能するとは思えない。


 世界大戦の勃発前からドイチェルト帝國の帝王ヴィルムⅥ世は獅子州統一の夢を持っていた。

 そして水面下で動いて来たのだ。

 当然、政府首脳にも事前に御前会議において話を通してあったし、ランディス合衆国が神聖ヴァルガリア帝國に対して露骨に敵意を向けて包囲網を作ろうと画策したこともドイチェルト帝國にとって追い風となった。


 帝國は他の獅子州各国に比べて海外進出が遅れていたため植民地からの収奪はできなかったが、貿易で黒字を出し内需による好景気に支えられて軍備に資金を投入することができたのである。

 科学先進国のナダル機工国、遠くは南西世界の南アトランティス大陸(トール大陸)の神聖トールドル帝國まで足を運び、貿易だけでなく技術提携をして科学技術を磨いてきた。

 

 ドイチェルト帝國が誇る戦闘機『ドレスデン-Ⅱ』、爆撃機『イシュタト-Ⅰ』、機甲部隊の主力戦車『テーガー-Ⅳ』、重量級装甲戦車『ダストドーガⅢ』。


 これらはまさに技術の結晶であると言えよう。


 『テーガー-Ⅳ』を先頭に、フリーレンス共和国とテルダム共和国に侵攻した結果、連勝に次ぐ連勝を重ね両国は領土内を蹂躙されていった。

 共に起ちあがったのは、獅子州連合のジェノヴァ国、ルビア共和国で、それぞれドイチェルト帝國の南西と南東に位置する国家である。


 ―――


 フリーレンス共和国南部のケルノア地方では、首都防衛のために空戦が行われようとしていた。


 ちょうど太陽が中天を衝こうとしていた頃だ。


 この一戦で大打撃を被れば、首都フリーレンへの爆撃が行われるのは目に見えていたため、ルジナート連邦戦線から戦闘機を引き抜いてドイチェルト帝國空軍を迎え討つこととなっていた。


 ドイチェルト帝國空軍200機とフリーレンス共和国空軍250機。

 数の上では戦力は拮抗していた。


 帝國空軍の部隊長が仲間たちを鼓舞すべく、無線で訓示を行う。


『貴様ら、よく聞け! 我が帝國が起ったのは全ては神聖なる帝王陛下の思し召しである! 中にはかつての友軍と躊躇ちゅうちょする者もいるだろう。しかし彼奴らは本当の意味で友邦と言えただろか? 良く考えてみて欲しい。何かある度に莫大な資金の供出を要請され、技術の発展にも制限を掛けようと動いてきた。我々の首に枷をはめようとしていただけだ。しかも此度の世界大戦では厳しい戦況が予想される対アトランティス帝國戦線へ赴けとの要請だ。獅子州連合の盟主だか知らんが、その行動は目に余る。そんな現状に心を痛めておられたのが帝王陛下である! これ以上、獅子州連合を私物化する者たちの邪知暴虐じゃちぼうぎゃくを許すことなどできぬ! これは我が国の尊厳を護ると同時に連合の意義を問い直す戦いでもあるのだ! さぁ来るぞ! これまで磨き抜いて来た実力を示す刻だ! 必ず勝て! 帝王陛下に我々の心臓を捧げよ!!』


 各機から上がる喊声、意気込み溢れる言葉、自らを奮い立たせるような雄叫びが聞こえてくる。


 そして両軍はケルノア空域で激突した。


 澄み渡る大空の中で、追いつ追われつの命がけの鬼ごっこが始まる。

 ドイチェルト帝國空軍の『ドレスデン-Ⅱ』の銀色の機体に太陽の光を反射させながら空中を乱舞する。その旋回性はフリーレンス共和国空軍の『フランシーヌ56』を軽く凌駕していた。そもそも速度自体が違うため、容易く追いつくことができ、その加速性能差からあっと言う間に背後をつけるのである。


 ユースティアのようなロングレンジからの攻撃ではなく、肉弾戦である。

 敵機の背後を取るのは至上命題と言えた。


 双方の機関銃が火を噴いて相手の両翼に風穴を空けると、きりもみ状態となり落ちていく。


 『ドレスデン-Ⅱ』の14.5mm機関銃と『フランシーヌ56』の13mm機関銃の撃ち合いが繰り広げられる。


『よぉし!! これで3機目だ! 全機キルしてやる!』


 『ドレスデン-Ⅱ』が比較的装甲の厚い『フランシーヌ56』の機体を軽く貫通し、燃料に引火、爆散した。

 それに撒き込まれた機体も連鎖的に落ちてゆく。

 その光景を目の当たりにして表情を輝かせて叫ぶパイロット。


『オラァ! 落ちやがれ! いつもいつも見下しやがって!』


 こちらは目に狂気を孕んでいるようだ。

 獅子州連合内にも当然派閥が存在する。

 組織ができれば、必ず人は群れを作り出すのだ。

 それはどの世界でも必定であった。


『腐れフリーレンス人は差別人種だ! 連合の盟主だか知らねぇがお前たちが劣っていると自覚させてやるッ!!』


 ドイチェルト人は怒りに燃え、顔を真っ赤にするほど猛っており操縦桿を破壊してしまいそうなほど力を込めて握っていた。

 連合はフリーレンス共和国とブリタンニア王国が強い発言権を持っており、彼らは自分たちこそ獅子州の祖たる存在だと考えている節がある。

 長い間、この2民族が大部分を支配していたことも大きく影響しているのだが、言うなればいつまでも盟主面するな、と言うことだ。


 その恨みが機関銃の弾丸に宿ったかは知らないが、着実に『フランシーヌ56』は掃討されて地上へ落ちていく。

 命中率が半端ない高さを誇るのもオカルト染みた何かを感じさせられる。


 とにかくドイチェルト帝國空軍はたった数時間で、フリーレンス共和国空軍の半数以上を撃墜していた。




 ◆ ◆ ◆




『畜生めい!! このクソッタレのドイチェルト人がぁ!!』


 完全な奇襲を喰らい無防備な南部地方を瞬く間に席巻されたフリーレンス共和国の怒りは凄まじい。

 獅子州連合としての鉄壁の信頼が崩壊したのだ。

 しかもルジナート連邦戦線で苦戦しているだけにパイロットたちの形相は鬼気迫るものがあった。


 だが――


 精神で肉体は凌駕できても、流石に機体性能の差までは覆せない。


 彼らは僚機が撃墜され落ちていく様をただ見ていることしかできなかった。

 何とか戦えているのは所謂エースパイロットクラスの者くらいである。


『何故だ! 何故ここまで性能に差があるのだ!』


 ある者は戦慄して表情から色を失い、またある者はここまでの性能差を生んだ元凶を呪った。


『開発部は何をしていたッ!! このままではルジナートとドイチェルト両方で航空優勢が失われるぞ!!』


『ちくしょおおおおおお!! 当たらねぇぇぇぇ!! 当たれよオラッ!』


 モブパイロットの恨みがましい怨嗟の言葉に部隊長が怒声を飛ばす。


『おい! 無駄玉使うな! 弾切れになったらそれこそ目も当てられんぞ!』


 エースとして凄腕のパイロットでもあった部隊長は、急遽ドイチェルト戦線に回された。

 何故このタイミングで裏切るのか。

 獅子州連合を抜けるメリットは何なのか。

 次々と湧いて出る疑問に明確な回答が出せずに困惑する一方である。

 何しろ少ないとは言え、共に戦ったこともあるのだ。


『やはり獅子州の覇権を狙っているのか……』


 そう呟く部隊長の近くではまた1機、また1機と蠅叩きで落とされるかの如く、撃墜されていく。


 ―――


 その頃、フリーレンス共和国の空軍基地では絶望的な報告が次から次へと上がって来ていた。


 基地の司令官は苦々しい表情でそれを聞いているが、取れそうな対策はない。

 急遽、『フランシーヌ56』を集められるだけ集めたが数的優位がありながら、性能面で負けているらしく無線からは悲鳴ばかりが聞こえてくる。

 腕利きのパイロットを育成するには何年も掛かるため、無駄死にさせる訳にはいかない。


 かと言って一気に退却させれば基地に雪崩れ込まれる。

 そしてトドメの空爆が待っているだろう。


「せっかく新型機の配備が始まろうと言う時に……ドイチェルト帝國めが……」


 機体よりも人的資源を護る方が大事だと判断した司令官は、既に趨勢が決しかけている空域へ指示を飛ばす。


「各員に通達。脱出を優先せよ。貴官らの命は重い。反転攻勢まで何としても生き延びよ」


 言葉通りに各機に無線で通達が行われる。

 それを確認した司令官は基地の隊員たちにも指示を出した。

 司令官たる者、常に冷静であらねばならない。

 彼は内心怒りに燃えながらも、テキパキと指示を与えるのであった。


「一旦、地下指揮所に避難。その後に撤退だ。奴ら、すぐに陸軍を送り込んでくるぞ!」

ありがとうございました。

また読みにいらしてください。

次回の更新は未定です。


大切なお願いです。

少しでも面白い!興味がある!続きが読みたい!と思われた方は是非、

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感想やレビューもお待ちしております。

モチベーションのアップにも繋がりますのでよろしくお願い致します。

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ぷるんぷるん! 閣下はお怒りですねw
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