第2話 拡大する戦禍
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『セレンティア・サ・ガ』
~ゲーム世界のモブに転生したはずなのにどうしてもキャラと本編が逃がしてくれません~
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ルジナート連邦が突如として南進を開始した。
聖ルーシ共和国との国境を越えたのだ。
当然、獅子州連合は抗議をし速やかな撤兵を要求。
しかしルジナート連邦はこれを黙殺して特に声明を出すこともなく聖ルーシ共和国が構築していた防衛陣地まで到達した。侵攻してきたのはルジナート連邦が誇る戦車『ガルガ-Ⅱ』の機甲部隊である。
これに対して獅子州連合は獅子州連合航空隊の派遣を決定。
聖ルーシ共和国内の空軍基地より、フリーレンス共和国の『フランシーヌ56』、ブリタンニア王国の『グランドⅢ』、バキアの『マルティン5型』が、ユクレイン内の空軍基地からは『ユク・スミーラ350』が飛び立った。
『ガルガ-Ⅱ』が防衛線のトーチカに射撃を開始し、対して聖ルーシ共和国側は対地ミサイルで反撃する。
対戦車に特化したミサイルがない上、個人携行型も存在しないし、対戦車ヘリもないので地上の砲撃戦を言った様相を呈する。
そこへ聖ルーシ共和国内の防衛線を更地にすべく時間を合わせて飛び立っていた、ランディス合衆国の『シアトー655型』150機と『ロスエンゼ300型』100機が飛来。
防衛陣地に対する猛烈な空爆が開始された。
最前線のルーシ国軍基地は想定より早く現れた敵戦闘機に対して反撃するために獅子州連合航空隊の到着を待たずに『グラナドⅠ』70機を発進させ迎撃に当てる。
ここに聖ルーシ共和国北部上空で空戦が開始された。
◆ ◆ ◆
『こちらグラナドⅠ、第1部隊、これより戦闘空域に入り敵戦闘機と交戦状態に突入せり』
『了解した。検討を祈る。連合航空隊も間もなく到着する。それまで無理せず護れ』
『了解。駆逐してやる。オーバー』
第1部隊長のノルフスは獅子州連合航空隊の力を借りるまでもなく、ランディス航空部隊を撃退できると確信していた。
今まで度重なるルジナート連邦の戦闘機を撃退してきた経験があるのだ。
それがランディスの戦闘機になったところで問題はないと考えていた。
『部隊長のノルフスだ。今回、空に侵入してきたのはランディスだ。我が国の誇る『グラナドⅠ』の力を見せ付けてやれ!!』
無線で激励の言葉を掛けると頼もしい返事が返ってくる。
前線は地上が爆発している光景が目に入り、ノルフスの胸に怒りが込み上げてきた。
ランディス側も聖ルーシ共和国航空隊を捕捉したようで、『シアトー597型』が向かってくる。
数はおよそ100機と言ったところか。
第1波がすれ違う。
お互いに機関銃を撃ちまくり数機が爆散する。
『数は互角だ。間もなく援軍がくる。それまで冷静に対処せよ!』
聖ルーシ共和国空軍は度重なるルジナート連邦との空戦により、その技術は研ぎ澄まされてきた。
それがランディス合衆国になったところで変わることなどないと確信していた。
大型だが高い出力を持つ『グラナドⅠ』は時速600kmにもなる。
情報に寄ればランディス合衆国の戦闘機は『シアトー597型』であり速度は同じとされている。
であれば、後は技術差が勝負を分けるだろう。
両国の単葉機がお互いの背後に回り込もうとして編隊が崩れる。
初撃で多くの敵戦闘機を落としたことに満足したノルフスは、早く前線で爆撃を行っている者たちに鉄槌を加えるべく勝負を急ごうとしていた。
『前線が猛烈な爆撃を受けている。さっさと片付けて支援に向かうぞ』
先程と同様に無線を介して部下たちの応答が次々と入ってくるが、どれも高い士気が現れている。壮絶な追いかけっこが始まり、撃ちつ撃たれつの大乱戦が行われる。
『01小隊は俺の後に続け。急上昇するぞ!』
『グラナドⅠ』はその加速性を生かして急上昇すると、中層雲を越えて一旦雲上に出ると一気に急降下して太陽を背に突撃する。
ダダダッと言う12.5mm機関銃が火を噴き、ランディス機が爆散して地上へ墜落して行く。やはり我が国の空軍は経験が違うとノルフスは歓喜してより自信を深めていた。
『こちら聖ルーシ国軍基地。無理は禁物だ。ランディス空軍との交戦経験は我が国にはない。獅子州連合航空隊を待って大規模攻勢に移る。それまで数を減らすな』
『了解した。だが心配は無用だ。ランディス空軍恐るるに足らず』
実際、こちらから追いかけて撃墜する方が、ただ逃げ回っているよりも精神的にも数的優位に立てる面においても理に適っていると判断するノルフスは攻勢を強めることに決める。ランディス空軍も一定の被害を受ければ必ず撤退すると言う目算があったのも大きかった。
しかしそんな優勢な状況も長くは続かなかった。
徐々に背後を取られることが多くなり、聖ルーシ共和国航空隊の被害が増えていく。また1機、目の前で爆散した光景を見せ付けられたノルフスは激昂して操縦桿を握る手を強める。
『ああっ……おのれ! 許さん! ルジナート連邦との戦いにランディス空軍が絡むなど……』
これまでは同盟を結んでも共同で戦うと言うことはなかった。
もちろん聖ルーシ共和国は獅子州連合加盟国なので、獅子州の国と共に戦うことはあったが、神聖ヴァルガリア帝國と共同戦線で戦うことなどなかったのだ。
冷静の中に怒りを込めて、また1機撃墜するとランディス戦闘機が空中で爆散する。
だが状況は中々覆せない。
無線機を通して部下の悲痛な最期の声が入ってくるようになる。
『ランディスはルジナートより速い――』
『くそ! 背後に付かれた! 振り切れない! 被弾し――』
『援軍はまだなのか? このままで――』
ノルフスの自信がガラガラと音を立てて崩れ落ちていく。
それは焦燥感を生み出し、表情にも表れ、そして疑問が湧いてくるのだ。
何故、痛撃を与えてもランディス空軍は引かないのか、と。
そんな時にタイミング良く無線が入った。
『聖ルーシ航空隊。待たせたな。獅子州連合航空隊だ。共にランディス空軍を撃破するぞ!』
ノルフスはやっと来たか!と平常心を取り戻す。
汗にまみれていた顔にも光が射して血色が良くなってきた。
『天佑だ! 聖ルーシ航空部隊は攻勢をかけるぞ! 今までの借りをきっちり返してやれ!』
フリーレンス共和国の『フランシーヌ56』、ブリタンニア王国の『グランドⅢ』、バキアの『マルティン5型』の合計200機が援軍として現れたことで獅子州連合側は数的優位となり、勝負は拮抗状態へ突入する。
◆ ◆ ◆
『シアトー655型』の14mm速射機関銃が火を噴き、また1機聖ルーシ空軍機が落ちていく。
「他愛もないものだ。敵は速度で着いて来れていない。今回は徹底的に壊滅させろとの指示だからな。殲滅してやろうぞ」
聖ルーシ空軍に加えて獅子州連合航空隊も加わっているが、マイケルは負ける気など毛頭ないしそうならないとも思っている。今回の任務は、聖ルーシ共和国の領空に侵入し、敵防衛線を空爆により徹底的に破壊。
そしてやってくるであろう獅子州連合の戦闘機を全て撃墜することだ。
これまでのように軽い衝突ではなく殲滅、もしくは壊滅に近い損害を与えろと指示を受けている。
まずはランディス空軍が制空権を完全に確保した後、ルジナート連邦空軍が出動して聖ルーシ共和国国内の爆撃を行うことになっていた。
ルジナート連邦の戦闘機は『グラード-Ⅵ式』、爆撃機は『レニン-Ⅲ式』で長らく獅子州連合とは互角の戦いを繰り広げてきたが、ランディス空軍の実力を知らされて制空戦はランディスに任せて爆撃のみを行う役割分担を決めた上での作戦である。
既に多くの聖ルーシ空軍を叩き落とした。
これに獅子州連合が加わっても大勢に影響などないと考えられている。
そして実際にそうなっていた。
援軍に現れた獅子州連合航空隊であったが、いまいちピリッとせずに面白いように撃墜されていく。
「ふははははは! 圧倒的ではないか我が軍は! 何が反ランディス連合だ。数が集まれば良いのではないのだぞ!」
マイケルは戦闘狂であり、人が死ぬのを見ているのが大好きであった。
彼にとって空軍はまさに天国。
空で爆散する者、海上に叩きつけられて海の藻屑と消える者、地上へと落ちていく者、多くの死に様を最前線で観察できる最強の職場であった。
「オラオラオラオラオラオラオラァ!! 落ちろ落ちろ落ちろォ!!」
空のエリートとしての天性の才能も持ち合わせていたマイケルは、明らかに戦争を楽しんでいた。地上を逃げる人間たちに機関銃を向けて狩り殺すのも好きだったが、為す術もなく撃ち落とされていく敵戦闘機を見るのも3度の飯より大好きであった。
「フハハハハ!! 見ろ! 人がゴミのようだァ! いやまさしくゴミだぞ貴様らァ!!」
そして聖ルーシ共和国の前線防衛陣地が壊滅し、ルジナート連邦陸軍が戦線を押し上げていく。
陸軍戦力の多くが壊滅し後退に次ぐ後退を重ねた。
ルジナート連邦国内の空軍基地から出撃した爆撃機は何度か往復し最北の都市プクスを瓦礫の山と化した。
「チッ……機関銃が弾切れか……撤退だな」
マイケルが宴の終わりを残念に思うが、ランディス空軍の波状攻撃は止まらない。
第1波と入れ替わりで第2波が獅子州連合航空隊と戦闘に入る。
先遣隊は基地に帰還して弾薬と燃料の補給をすれば良い。
獅子州連合航空隊の弾薬切れも近いと思われた頃に、ユクレインから『ユク・スミーラ350』が来援。
ランディス空軍としてはそのまま押し込んで、獅子州連合の基地も攻撃したかったのだが、断念せざるを得ない状況となる。獅子州連合航空隊はユクレイン空軍のお陰で壊滅を免れて何とか撤退することができた。
しかし、聖ルーシ共和国の制空権はほぼランディス合衆国によって奪われる形となり、ルジナート連邦-獅子州連合戦線は圧倒的にルジナート連邦優位な状況となる。
そしてその頃、カヌール海でも再び艦隊決戦が起ころうとしていた。
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