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混沌なる異世界(カオス・ワールド)~様々な異世界国家が集まる異世界の坩堝~  作者: 波 七海
第二章 変わる世界編

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第22話 南タイカ海空域戦

いつもお読み頂きありがとうございます。

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 南タイカ海空域。


 ――タイカ民主国・魔導艦隊


 タイカ民主国はバーラデリ共和国魔導艦隊襲来の報を受け、直ちになけなしの魔導艦を全て投入した。


 現在、南タイカ海空域にいるのは合計20隻あまりの旧式艦の集まりである。

 魔導戦艦1、魔導巡洋艦5、魔導装甲巡洋艦8、魔導駆逐艦6からなる魔導艦隊が編成された。


 旗艦である魔導戦艦〈タイエン〉で空軍大将ジンシが司令として指揮を取る。


「敵は大艦隊だ! しかし我らには強力な援軍があるッ! そう、ユースティア魔導艦隊だ! 少数で我が国が誇っていた魔導艦隊の大軍勢を叩き落とした恐怖の国が今回は味方なのである! これほど頼もしいことはない! だが諸君、これは我々の戦争なのだ! 我々の国は自分たちの手で護り抜く! この意識を持って挑むのだ! 諸君らの奮闘に期待する!」


 魔導通信で叱咤激励が入った各艦ではいやうえにも士気が上がる。

 通信士から魔導レーダーに敵大艦隊来たるの報が入り、緊張が高まっていく。


 ジンシが援軍が来るまで遅滞戦闘に努めるために距離を取りつつ、砲撃を開始する。20隻とは言えど、全艦の主砲、副砲から放たれる魔導砲の雨は天空を淡い緑色に染め美しいの一言だ。

 それらはバーラデリ共和国魔導艦隊に五月雨に降り注ぎ、命中弾を与えていく。

 命中率こそ低いものの、当たった敵艦には確実にダメージは入っている。


「命中弾多数! ですが敵艦健在! やはり減衰が大きいようです!」


 観測士も心が高ぶっているようで、いつもより報告の声が大きい。


「構わん! 撃ち続けろ。反時計回りに旋回しつつ攻撃だ。攻撃は喰らうなよ? 装甲の差で落とされるぞ!」


「敵艦隊、こちらに接近しながら砲撃してきます。数40」


 40隻と言っても魔導レーダーが感知した数だけであり、バーラデリ共和国魔導艦隊の総数はそれを遥かに上回る。目視だけでもかなりの数が展開しているのが分かるため、艦橋の乗組員からは冷や汗が流れていた。

 ジンシ空軍大将もそんな1人であり、何とか被害を抑えるべく人一倍のプレッシャーで戦いに臨んでいた。


 そんな中、旗艦である魔導戦艦〈タイエン〉にも命中弾が増え始める。

 最も装甲の硬い旗艦を前面に押し出していたので当たり前である。

 艦橋が大揺れに揺れ、大小合わせて多数の振動が続く。


「被害確認急げ!!」


「被害軽微です!」


「魔導駆逐艦〈ジョシュウ〉から出火! 爆散しています! あッ……通信入ります『我が艦、大破炎上せり。機関停止。我が国の未来はお任せする』」


 その通信に多くの者が感極まって涙した。

 ジンシは旗艦近くの駆逐艦が逝ったのを見てすぐに決断を下す。


「装甲の薄い艦は一旦距離を取るのだ。我が艦も砲撃しながら下がる。そのまま旋回は続けろ!」


 通信士が全艦に連絡を送った。

 レーダーから光点は消えない。

 旗艦のみならず、前面に押し出した魔導艦には多数の命中弾が認められる。


「旧式でも案外耐えられるものだな」

「敵艦隊も大したことはないのでしょう」


 タイカ魔導艦隊は常に動き回り、完全な遅滞戦闘モードであった。

 更に一撃離脱を繰り返し、上昇下降を頻繁に行う。


「確かユースティア艦には上下に動く側面砲があったな。あれがあれば便利だ」

「今は主砲と副砲の仰角がちと足りませぬな」


 その時、通信士が叫ぶように報告した。


「ユ、ユースティア魔導艦隊から入電……! 『我、直ちに攻撃を開始せんとす』」


『うおおおおおおお!!』


 歓喜の渦が艦橋を包み込む。

 ジンシは額の汗を拭うと副長に言った。


「勝ったな」

「ええ」




 ―――




 ――ユースティア・魔導艦隊


 タイカ魔導艦隊に連絡し、魔導砲の一斉射撃を開始したユースティア艦隊。

 長距離砲ロングレンジから脅威的な命中弾を叩き出す。


「敵魔導巡洋艦、大破炎上しています。魔導戦艦、集中砲火により傾いております。機関が停止した模様。落ちます」


 バーラデリ共和国魔導艦の轟沈の報告が相次いで飛んでくる。

 それを冷静に聞きながら、キルス空将は安堵していた。


「ふむ。魔導砲の威力も射程も命中率も我が艦隊が勝っているようだな。このまま敵の射程圏外から釣瓶打ちにしろ」


 だが安堵と同時に湧きあがってきたのはどす黒い感情であった。

 平和主義国家の国防隊員としては珍しい思いである。


「(弱い。弱すぎる。我が国ならば世界を取れるのではないのか? 確か旭日連の連中から聞いたことがあるな……江戸の仇を長崎で討つ、だったか?)」


 目の前で為す術もなく落ちるのみのバーラデリ共和国魔導艦隊。

 無力。あまりにも無力。

 キルス空将の心を愉悦が支配していた。


「敵艦から小型飛空艇が多数発艦! 恐らく艦載機のようなものかと思われます」


「爆撃する気か。その発想があったとはな……まぁいい。近くまで接近させて拡散魔導砲で薙ぎ払え。側面砲の使用も許可だ」


 戦闘空域に飛び交う魔導砲を掻い潜って決死の飛行を続け、距離を詰めてくる小型飛空艇。


 旧世界の戦勝国はこんな感情で我が国の必死の攻撃を見ていたに違いないとキルス空将は思ってしまう。同時にどうしようもない怒りが湧きあがった。


「小型飛空艇射程に入ります」


 小癪にも砲撃の雨を何とかすり抜けて来た小型飛空艇を無情にも殲滅する。

 その無力さを痛感するがいい。

 キルス空将は心の中で吠える。


「拡散魔導砲発射! 薙ぎ払え!!」


 主砲から淡い緑色の閃光が横薙ぎに一閃した。


 静寂――


 次の瞬間、連鎖的に爆発が起こり天空に綺麗な花火が上がる。

 爆散した後にはほとんど何も残ってはいない。

 奇跡的に助かった小型飛空艇は射撃統制システムによって自動的に振り分けられロックオン。

 その全てが灰塵と化した。

 射撃統制システムからは逃げられない。


「ユースティア魔導艦隊、全速前進せよ。敵艦は全て叩き落とせ」


「よ、よろしいのですか?」


「構わん。世の中には上がいることを教えてやれ」


「装甲は――」


「抜けんよ。あのような脆弱な魔導砲ではな……」


 キルス空将の愉悦の笑みは消えることはなかった。




 ―――




 ――バーラデリ共和国・魔導艦隊


 魔導戦艦から飛び立った小型飛空艇100機は両軍から放たれる魔導砲の嵐の中、決死の覚悟で飛んでいた。


「くそッ……砲撃が多過ぎるだろうが! だがこちらの飛空艇はまだ落とされていない。爆弾を叩き込んでやるッ!」


 中隊長アリャンは態と見逃されているなどとは夢にも思わない。

 そして間もなく拡散魔導砲の射程圏内に入ると言うことにも。


「まずは魔導機関銃でボコボコにしてやる。調子に乗るなよ!!」


 この愛機とは常に戦場を飛び、戦い続けてきた。

 それと共に大空を支配し、制空権を得る喜び。

 そして今回も頑張ってと送り出してくれた家族たちのことを考えると、アリャンの目頭が熱くなる。


「絶対に落としてやるからなぁ!!」


 瞬間――


 目が眩むほどの強烈な光が横薙ぎに走った……ような気がした。


 自機の周囲では連鎖的に大爆発が起こり視界が利かない状況だ。


「な、何が起きたぁ!?」


 爆炎が治まり視界が戻るとそこにいたはずの僚機が消滅していた。

 文字通り何もかもが消え、砲撃を掻い潜って飛んでいた小型飛空艇の姿はない。


「ぜ、全滅だと……? 我が国が誇る小型飛空艇が……」


 決死の覚悟でここまで来たのにと言う無念が胸に去来する。

 実際は全く眼中になく狙われてさえいなかったのだが。

 人生は無情である。


 その時、一瞬何かが煌めいた気がした。


「ッ!?」


 光と共にアリャンはこの世から消えた。 


 ―――


「小型飛空艇……しょ、消滅……」


「何ぃ!? 何かの間違いではないのかッ!」


「レーダーロスト……。先程の魔導砲で連鎖的に爆散した模様です……」


 最初に向かわせた艦隊は次々と落とされてく。

 爆撃のために出撃した小型飛空艇は敵艦に到達することすらできずに殲滅された。


「何だ……我々は一体何と戦っているのだ……?」


 困惑する暇も与えられず、今度は乗っている魔導戦艦が揺れに揺れた。

 あまりの衝撃に転倒し頭を打つ艦長。

 傷口からは流血し目に入って瞼を閉じる。


「右舷に穿孔せんこうを認める! 内部で爆発が!」


 またも大きな揺れに襲われ爆発が相次いでいるのだと理解できた。


「機関出力停止……落ちます……」


「俺の……俺の船がぁ……」


 魔導戦艦が大爆発を起こし火柱が天を衝いた。

 真っ二つに折れ天空の覇者が落ちてゆく。


 ―――


 艦隊提督スパルタンは次々と上がる報告と目の前で起きている現実に着いて行けずにいた。


「魔導戦艦〈ン・ジャラート〉轟沈……魔導戦艦〈ン・バード〉轟沈……」


 味方の艦が轟沈していく様をただただ見ていることしかできない。

 戦略など何も浮かばないのだ。


 そこにあるのは圧倒的な戦力差。

 そして技術格差のみ。


「提督閣下!! このままでは座視できない被害が出ます。いや出ております! 如何しますか!?」


「……」


 タイカの魔導艦隊とはほぼ互角であり、数の優位性からむしろ押していた。

 だがどうだ。

 ユースティア魔導艦隊が来援してから戦況が一変した。

 想像だにしていなかった。

 これほどの強さとは。まさか。

 それに尽きる。


「スパルタン提督閣下ッ!! 呆けておられる場合かッ!! このままでは全滅ですぞ!!」


「魔導巡洋艦2……3,4隻轟沈……魔導装甲巡洋艦……3隻轟沈……魔導駆逐艦2、4……」


「ええい! もう報告はいらん!」


 通信士からの報告がようやく止まる。

 未だ観測士からは連絡が来ていたが黙れと言われて黙らない訳にもいかない。

 艦橋にいる者たちは生きた心地がしなかった。

 いつこの旗艦が標的にされるかのみを心配している状況。

 顔面が蒼白でない者などいない。


「スパルタン閣下!」

「……!? な、どうした。どうなっている?」

「撤退を! このままでは全滅しますぞ!」

「ぜ、全滅……? 残存いくらだッ!?」


「残存は魔導戦艦2、魔導巡洋艦5、魔導装甲巡洋艦3、魔導駆逐艦4です……あッ……今1隻落とされたようです」


「撤退だ。全艦転進しろ! 転進だ! 勝てるかこんな化物になど……」


 こうしてバーラデリ共和国魔導艦隊は撤退を開始、余勢を駆って追撃したユースティア・タイカ連合艦隊は更に打撃を加え、全滅に近い損害を与えることに成功した。


 圧倒的な威力と精密射撃、長距離射程、砲の多さ、装甲強度など全ての点において勝ったユースティア艦隊はまるで戦闘などなかったかのようにマグナ半島とクレア半島へと帰還した。


 この戦いでバーラデリ共和国魔導艦隊は100隻以上の壊滅的損害を被り、空からの侵攻計画は頓挫。


 計画の大幅な見直しが求められることとなり、侵攻が大きく遅れることになる。

ありがとうございました。

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明日も12時の1回更新です。

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― 新着の感想 ―
セクシー艦隊 ンッ…シリーズ 全滅しちゃったかぁ バーラデリと和平交渉しようにも周辺国家がバーラデリに牙を剥いて戦火が拡がるー コレはやりすぎ案件 左派法務大臣がフジコフジコ!と喚きそう❤︎かわいいね
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