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混沌なる異世界(カオス・ワールド)~様々な異世界国家が集まる異世界の坩堝~  作者: 波 七海
第一章 転移後混乱編

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第45話 講和条約締結

これにて第1章が終了です!

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いつもお読み頂きありがとうございます。

感想を頂いたり、評価やブクマ、リアクションも増えてきたりしているので非常に感謝しております。

これからもよろしくお願い致します!

(๑•̀ㅂ•́)و✧


本日は11時の1回更新です。

 ――バーグ王国王都ハン・バーグ


 王都ではユースティアとタイカ大帝國の講和交渉が行われていた。

 外交官としてオボロ・フジワラも派遣され話し合いに加わっている。

 ユースティアの講和案としては以下の通りだ。


・クレア半島から完全に撤退し以後、影響力を与えることは認めない。

・バーグ王国はタイカ大帝國から完全に独立し以後、新たにバーグ帝國を建国。これを承認する。

・タイカ大帝國は賠償としてユースティアに1000兆テアを銀500000000トンで支払う。

 支払いが不可能な場合は地下資源での代替を許可する。

・タイカ大帝國皇帝は退位し以後、象徴的な存在とする。

・タイカ大帝國は以後、民主制へ移行するものとする。

・ユースティアとタイカ大帝國の間で国交・通商条約を締結する。


 タイカ大帝國の外務文官たちは当然の如く難色を示した。

 バーグ王国がどうなろうと知ったことではないが、皇帝の扱いにまで踏み込まれたことで態度を硬化させたのだ。これに関しては旧世界でユースティアが経験したことなのだが、現在のタイカ大帝國皇帝とは認識が違う。


 ユースティア皇帝は一部の親政時代を省き政府、国民からは既に国家の象徴的な存在として認識されており大戦前から皇帝を国家元首に添えた立憲民主制であった。それを知らない戦勝国はユースティアが大戦を引き起こしたのは、民主主義が未成熟であり皇帝とそれを戴く国家の全体主義が原因であると誤った判断をしたことで国体に手を出そうとしたのである。


 何度も言うがユースティアは大戦前から既に民主主義の国家だった。


 一方のタイカ大帝國は皇帝独裁の帝政国家であるので現在の国家体制が続けば火種が残り、反ユースティア国家になるなど後々に影響してくるとの判断が働いた故の講和案であった。元々、帝政に限界を感じていた宰相のリッカらはユースティア案に乗ろうとしたものの、古代龍を使役できる皇帝が自ら戦えないとなると大きな痛手となると考える者も多く話し合いは難航する。


「貴国、皇帝の退位と象徴化は絶対条件だ。それに民主化することは貴国に大いなる繁栄をもたらすだろう」

「皇帝の血脈を途絶えさせるなど容認できない。それに民主化などすれば民を抑えきれない恐れがある」

「血脈を途絶えさせるつもりは全くない。皇帝の一族を族滅させるつもりもない。それに民主主義への移行は貴国を富ませ国民の不満を解消することに繋がると思われる」


 オボロが外務文官たちと舌戦を繰り広げる。

 ユースティア政府の官房長官ニコライを始め法務大臣カノッサなどの平和主義と言う名のことなかれ主義者たちは国体への介入に否定的であったが、オボロとしては民主制への移行は絶対条件だと考えていたし日頃弱気でユースティアに害ばかり齎すことで国内に名を馳せている外務省ですら現行のままではよろしくないと判断していた。


「我が国の皇帝が力を失えば、タイカ国内の地方軍閥が動き出すことは明白であり、オースティン大陸の混乱にも繋がる恐れもある」


 タイカ大帝國の内部を調査していた情報調査省からもそれを懸念する声が上がっていることはオボロも理解しているだけに考えざるを得ない。

 ある程度は譲歩する必要があるかも知れないとオボロも関係者も考える。


「(中央政府を軍事援助する必要があるか? でもそれをしたらなぁ……下手をすると日本のように中国国民党と共産党との内紛に巻き込まれる可能性がある)」


 国防隊の増員と組織改編、そして新兵器の開発と魔導兵器への科学技術の融合などは急ピッチで進めてはいるものの軍事介入は現段階では不可能に近いと言える。

 広大なタイカ大帝國は点で押さえられても面でそうすることはできないだろう。


「賠償は地下資源でも代替可能であるし、そちらの意向を聞く用意もある。それに銀は分割での支払いでよいし猶予もするつもりである。貴国の皇帝の退位も猶予も考えよう。その間に軍備を再編して勢力の均衡を図ってみてはどうか?」


 オボロは苦々しい表情と口調になりそうなのをグッと堪えて返答する。

 外務省はこの世界ではある程度強気な外交をする必要があると学びつつあったので、そう言う通達がされていたもののタイカ大帝國の国内事情の厳しさを考えると妥協するのも仕方のないことだろう。国防省からも釘を刺されているようだが、そんなことは言われるまでもなくオボロは理解している。


「(この際、朝貢国の扱いなどどうでもよい。地方政府に負けないことが肝要だ……それに古代龍を使役できる可能性を残せれば……)」


 リッカ宰相も味方の停戦講和派の者たちと共に反対する外交文官たちを説得しようとしていた。ユースティアが妥協案を出していることはよく分かるし国内事情も理解しているようだからだ。


「……本当に猶予を頂けるのであればこちらとしても助かるが……ではこちらからの代案だが――」

「拝見します(ユースティアは戦後の我が国や戦後日本のように友好国を増やして強固な同盟関係を構築していくことで平和を実現していかねばならない。単独で介入などするべきでない。少なくとも今は不可能なのだから)」


 両国がまとめた講和条件は以下の通りに決まった。


・タイカ大帝國は以後、名称をタイカ民主国とする。

・クレア半島から完全に撤退し以後、影響力を与えることは認めない。

・バーグ王国はタイカ民主国から完全に独立し以後、新たにバーグ民国を建国。これを承認する。

・タイカ民主国は賠償としてユースティアに250兆テアを銀125000000トンで支払う。

・支払いが不可能な場合は地下資源での代替を許可する。

・タイカ民主国は直轄領から化外の地(以後、マグナ半島と呼称)を割譲する。

・タイカ民主国は以後、緩やかに民主制へ移行するものとする。

・皇帝の退位は5年の猶予を持って行われるものとし退位後は象徴的な存在とする。

・古代龍の使役は国内のみに留めユースティアへの行使はこれを禁止する。

・ユースティアとタイカ民主国の間で国交・通商条約を締結する。

・両国は相互に大使館を設置し、迅速な意思疎通を図るものとする。




 ――クレア半島・王都沖

   イージス護衛艦〈ユリス〉艦上


 講和条約の条件は両国共に合意に至った。

 調印は王都沖に停泊するイージス護衛艦〈ユリス〉艦上で行われることとなり、ユースティアからは倒れたスレイン総理大臣に代わりニコライ総理代行が、タイカ大帝國からは宰相のリッカが臨む。


 厳かな雰囲気の中、凪いだ海上の甲板にて調印式が粛々と行われた。

 特に反対派による暴動などが起こることもなく恙ない進行であった。


 ユリウス歴2569年5月15日。

 ここにユースティア・タイカ民主国の講和条約が締結を見た。

 後にこれはユリス条約と呼ばれることとなる。




 ――バーグ民国


 ことはユリス条約調印前までさかのぼる。

 バーグ王国王都ハン・バーグは、バーグ正統政府のバーグⅢ世が糾合したフェーン率いる軍によって攻められて呆気なく開城した。

 元々兵糧もなく援軍もない時点で詰みだったのだ。

 バーグ王国民は税が軽くなれば統治者などどうでも良いのが本音であり、誰もが王都へ入る正統政府軍を歓迎した。


 秘密の隠し通路から脱出したムノウは、何とかタイカ民主国まで逃げ延びようと僅かな供廻りを連れ決死の逃避行を強行。

 正統政府樹立の情報は疾風の如き速さで各地に伝わり、ムノウ一行は回り道をしながら慎重に行動していた。そのため1か月以上の時間を要しても国外へ脱出することもままならず、旅半ばで食糧と水が尽きてしまい補給しようと途中の村に立ち寄らざるを得なくなる。


「おい。余は水が飲みたい……もう喉がカラカラじゃ。腹も減った。はよう持ってまいれ」

「はッ……」


 村の外で隠れてその場にへたり込むムノウ。

 もう歩くこともできないほど疲労困憊であった。

 そこへ1人の村人が狩りへ行こうと近づいてくるのが見えた。

 腰には水の入った竹筒を下げていることから考えても食糧も持っていると推測できる。我慢の限界を遥かに超えていたムノウは堪らず村人の前に飛び出すと堂に入った態度で言い放つ。


「おい。そこな村人よ。余はバーグ王国国王のムノウよ。その方の水と食料を所望する。すぐに出すがよかろう!」


 突然目の前に現れた王を名乗るやつれ果てて乞食のような風体をしている人物に村人は警戒する。

 確かに着ている物は豪華で質が良さそうに見えた。

 汚れきってはいるが……。


「王? アンタが王だって? アンタァ知らねぇのかい? バーグ王国は王様が変わってこれからはバーグ民国って名前になるらしいぜ?」

「な、何ぃ!? そ、それは真か? おのれ……余を差し置いて何をやっておる」


 ムノウは極度の疲労も相まって混乱し激怒するのを止められない。

 そのため村人が彼を見る目が変わっていることにも気づかずにいた。

 そして更に怒鳴り散らす。


「速く持ってこぬかッ! 余をいつまで待たせるッ! おい貴様が腰に下げているは水ではないのか!?」

「そうだ。水だが? 食料もあるぞ」

「それを速く寄越せと言っておる!」


 それを聞いた村人はニヤリと笑みを浮かべると竹筒の栓を抜いて逆さまにひっくり返した。当然、入っていた水は地面に零れ落ち、最早一滴も残っていない。


「あーあ、なくなちまったよ。これじゃあ飲めねぇなぁ」

「ぐぬぬ……貴様……」

「今は税も軽くなって暮らしやすくなった。今年なんて免除するって話だ。となると今までの王様ってぇのはとんだ愚王って訳だ」


 村人の目が怪しく光る。


「おお……余は……余の国民は水もくれぬのか……余とは一体……ウゴゴゴ」

「そんな王様にはお仕置きが必要だよなぁ」


 そう言うとスラリと腰の剣を抜き放つ。


「ひぃッ!」

「アンタの首を持って行けば金になるんだ。アンタァ前の王様にひどい仕打ちをしたって聞いてるぜ。これが因果応報ってヤツだな。このまま乾いて死んでいくのもいいが優しい俺がトドメを刺してやんよ」


 下卑た顔でどんどん距離を詰めてくる村人にムノウは情けない声で助けを求める。

 ここには側近もいる。

 まだ死ぬ訳にはいかないし死にたくもなかった。


「おい! あいつを殺せ! いつまで傍観しておるッ!」

「はぁ? なぁに寝惚けたこと言ってやがる。お前の仲間とやらはさっさと逃げちまったよ。現実を見ような?」


 慌てて周囲を見回すが確かに誰もいないことに気付いてムノウはガクリと膝から崩れ落ちた。


「じゃあな。来世はまともに生きるんだな」

「ひぃぃぃ! 助けてくれぇ!」


 振るわれた剣は体を刺し貫き、振り払われた剣がムノウの首を飛ばした。

 それが裏切りを重ね、バーグ王国を牛耳ろうと画策した愚王の最期であった。

これにて第1章が終了です!

ここまで読んで面白かった!続きが読みたい!今後も期待している!

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何卒よろしくお願い致します!


次回からは第2章が始まりますので引き続き読んで頂けると嬉しいです。

感想頂けるとテンションあがります。

モチベーションのアップにも繋がりますのでよろしくお願い致します。


明日も11時の1回更新です。

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