第36話 スレイン総理倒れる
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――ユースティア・安全保障会議
刻はアルトア解放前までさかのぼる。
ザルツ本島のシルム基地より南西より国籍不明の大艦隊が接近してきていると報告を受けたスレイン総理大臣はすぐに緊急で安全保障会議を開いた。
官房長官のニコライが閣僚たちに資料を配布して情報を開示する。
「つい先程、ザルツ本島のシルム基地より国籍不明の艦隊が我が国に向かっているようだと報告がありました」
「艦隊は飛空艇なのかね?」
「いえ、海上艦隊のようです。陸上のレーダーサイトにより発見。ザルツ本島から南西地点とのことで、偵察機と思しき航空機が防空識別圏に侵入したためスクランブルで対応、警告を行いました」
ユースティアの南西方向にある国家と言えば、レムリア大陸の列強国・ムー連邦、イネアス王国、オスロー国、滅ぼされたラスタル王国そして植民地化したガラベルム帝國が存在する。
一応、国交を樹立したのはムー連邦とイネアス王国、オスロー国だけなので、国籍不明艦隊はガラベルム帝國である可能性が高いと国防隊からも情報が上がって来ていたしスレインもそう考えていた。
となると何故、急にユースティアに侵攻を開始したかである。
「このまま戦闘状態に突入するのは避けたいですな。三正面での戦いは流石に無謀でしょう」
ユベール国防大臣が渋い表情で私見を述べた。
現在のところ、ユースティアはアルトア島ではアルトア王国解放のためにドゥーリ共和国軍と戦争状態となっており、クレア半島ではバーグ王国の謝罪と賠償を求めての派兵の結果、その宗主国であるタイカ大帝國と衝突することとなった。
そこへきてのガラベルム帝國の侵攻報告である。
「何が原因だ? 向こうからは何も言ってきてねぇんだろ?」
「宣戦布告などはされておりません」
スレインは自分で聞いておきながらも何となく何故侵攻してきたのか分かっていた。ラスタル王国の植民地化後、ガラベルム帝國はすぐにイネアス王国、オスロー国に降伏勧告、最後通牒を突きつけた。その時に当事国でもないのにその降伏勧告に対して遺憾の意を表明したのがユースティアだ。
「やはり遺憾の意が問題でしたでしょうか?」
「だろうなぁ。やはり介入すべきではなかったか……」
外務省が苦労して締結した国交なのでそれを無駄にしたくなかったのだが裏目に出た感じである。そもそもラスタル王国を植民地化して更に周辺国に対しても強硬な姿勢を見せる国に関わらなければ良かったのだ。
食糧、資源問題共に未だ解決の目途は立っていない。
アルトア王国が解放できれば食糧問題はある程度片が付くだろうが、資源は今のところ油田の試掘中が一カ所だけである。弾薬などの補給面のことを考えると長期戦などとてもできるとは思えなかった。
「アルトアはともかくクレア半島では列強国のタイカ大帝國と全面衝突になりそうですし、ガラベルム帝國に痛撃を与えて早期講和に持ち込むのが妥当なところでしょう」
「何とか局地戦で終わらせてぇが……あちらさんの戦力はどうなんだ?」
「戦闘機の性能差は確認できたようです。後は巨大戦艦の装甲と主砲がどれほどのものかが懸念点でしょう」
旧世界では空戦と陸戦が全てであり、飛空艇の出現後は海戦は廃れてしまったため海上艦は発展しなかった。
超大国も飛空艦に特化した軍隊を作っていたのだ。
唯一ユースティアだけが旭日連の意見を受けて海上戦力を整えたのである。
ただ転移してしまったため海防隊対飛空艦の戦力分析はできなかったのだが。
「それに大きな問題があります。我が国の憲法では先制攻撃ができません。敵戦艦の射程がどれだけか不明ですが艦砲射撃で市街地が攻撃を受ける可能性があります……」
「動けないことはないのでは? 拡大解釈ですが飛空艇が攻撃を受けそうになった場合、反撃は可能だとする前例があります」
先制攻撃をすれば反戦・平和団体から強力な突き上げを喰らうし、民間人に被害が出れば政権が吹っ飛びかねない。
スレインはどっちを取るかなど考えるまでもないと思っているが世の中にはおかしな思想を持つ人たちが存在する。
早急な憲法改正が必要だと痛感する。
「現在、ルルシュ海防基地から第8護衛艦隊群が出撃しています」
「間に合うのかね?」
「間に合います。敵に先制攻撃をさせ、後は護衛艦隊からの艦対艦ミサイルとシルム基地からの戦闘機による空対艦ミサイルの飽和攻撃で沈むはずです」
「そう簡単に行くとは思えない! 敵艦には空母がいるんですよ? 敵機が発艦する前に空母だけは潰すべきです!」
「その通りだ! もし市街地に被害なんか出してみろ。政権が終わりますぞ?」
会議は紛糾すればするほど前線で戦う国防隊員の身に危険が迫るし、何より護るべき国民の命が危険に晒される。
そんな問題じゃねぇだろと思いつつスレインは決断を下した。
「総理大臣として命じる。先制攻撃を許可。魔導戦艦に領海内ぎりぎりから魔導砲を撃たせる。装甲を抜けなければ一点突破型収束魔導砲で敵戦艦を狙う」
「先制攻撃ですか!? 本気で許可されるのですか?」
「そんなことを言っている場合ではないでしょう。恐らく敵戦艦の射程は40km以上はあると思います。国民の命がかかっているんですよ?」
未だに抵抗する閣僚にマエジマ科学技術大臣が冷たく言い放つ。
領海内に侵入される前に叩かなければ危険性が高まると考えるのは当然であった。
「私は反対です! 国家が法を護らなくてどうするのですかッ!?」
「いやいや、法を護るのは当然ですが、それ以前に国防隊は国民の生命や財産を護るために存在するとも憲法に規定されているんですよ? ならば護るべきはこちらでしょう! 総理が仰ったように魔導艦から魔導砲を撃ち装甲を抜けなければ射程がかなり落ちますが……収束魔導砲を撃って敵艦を撃破すべきでしょう。貫通力に特化していますし重要区画を抜ける可能性は高いでしょう」
スレインの覚悟の発言に対してもまだ異議が出てくる辺り、戦勝国による教育と言う名のマインドコントロールの根深さが滲み出ている。
まだまだ議論は終わらないかとメンバーたちが少しウンザリし始めた時、ユベールの下に報告が入る。耳打ちされた言葉をふむふむと聞いている彼に怪訝な目が向けられた。
「今、アルトアから報告がありました。アルトア総督府が全面降伏したそうです。技術格差は圧倒的で戦争になっても負けることはないでしょう」
淡々と述べたユベールの言葉に全員がホッと胸を撫で下ろした。
戦争終結はまだだが胸のつかえが少しでもとれたのは大きかった。
「しかし戦争を終わらせるのは難しい。アルトアが落ちてもドゥーリ共和国本国に戦力差を理解させなければ終結しない可能性がある」
「幸いにもアルトア総督は切れる御仁のようですので講和交渉に役だってくれるでしょう」
「そう願いたいものだな。最悪もう1戦する必要もあるかも知れない」
アルトアのことよりガラベルム帝國戦の方が優先順位が上がったと判断したニコライ官房長官が話を戻す。
「話を戻しましょう。ガラベルム帝國についてですがやはり先制攻撃は認められないと私は考えます。法治国家である我が国が最上位の法である憲法を破るなどあってはならないことだと思いますが如何でしょうか?」
ニコライの言うことはもっともなのだが、先程ユベールが言ったように国民の命を護ることが最優先だとスレインは考えているし、またそうでなければならない。
頭が痛くなるスレインであったがこれ以上、責任を現場に丸投げする訳にもいかないともう一度はっきりと宣言することを決断する。
『もういい。そもそも陸海空の全指揮系統のトップは俺だ。俺が全責任を負う! 武力制限を解除し全戦力を持って敵艦隊を撃滅せよ!』
立ち上がりそう発言しようとしたスレインの体がぐらりと傾いた。
そしてバタリと床に倒れ伏す。
いきなりの事態に閣僚たちに動揺が走った。
「総理? 総理!」
「おいッ! すぐに救急に連絡しろッ!」
意識がないスレインはすぐさま病院へと運ばれることとなる。
それによりニコライ官房長官が総理代行の立場を受け継ぐこととなり対ガラベルム帝國戦の方針が決定されシルム空防基地へと通達された。
『ユースティアは国籍不明艦隊から国防隊もしくは本土へ攻撃を受けた場合のみ自衛権を発動し攻撃を許可する。如何なる場合でも先制攻撃は許可しない。国籍不明艦隊への過度な攻撃も認めない』
これによりシルム空防基地およびルルシュ海防基地が派遣した第8護衛艦隊群は極度の緊張の中、戦闘を強いられることとなる。
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