第34話 ガラベルム北伐艦隊襲来!!
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(๑•̀ㅂ•́)و✧
本日は11時、17時の2回更新です。
――ガラベルム帝國海軍・北伐艦隊
戦艦〈ガルバスター〉を旗艦に戦艦3、重巡洋艦10、駆逐艦25、空母5、補給艦10の大艦隊がユースティアの南の本島ザルツへと向かっていた。
その勇壮なる光景を旗艦である戦艦〈ガルバスター〉の艦橋でグレイモス海軍大将が眺めていた。彼はいたく上機嫌でその瞳は晴れ渡る空と汚染の少ない綺麗な海の煌めきに向けられて輝いている。
「グレイモス提督閣下、ユースティアは魔法文明国家だとお聞きしましたが自信はおありで?」
副長が恐る恐ると言った感じで確認してくる。
旧世界で魔法国家などと言う馬鹿げたものは存在していなかった。
全ては科学技術の結晶でできていた。
栄えある帝国海軍の強い自負を持つ副長であるが、未知なる兵器の可能性には警戒感を拭いきれない。
「敵の戦艦は空を飛ぶらしいな」
「ですな。速度は我が国の戦闘機よりも遅いらしいですが」
「その通りだ。だが64式ガルマキラの、いや爆撃機である61式ガルベースよりも更に遅いと思われる。心配は不要だ。帝國情報局は敵が新参の転移国家であると分析している」
「我が国と同じ時期に転移して来たと?」
「うむ。どうやらこの世界は国家によって技術の進歩具合がかなり異なるようだ。今のところ低文明国家しか見たことはないが……。いや、ムー連邦と言う列強を名乗る国があったな。だがそれも情報局の分析では我が国には遠く及ばないと聞いている」
旧世界で数々の国の艦隊と戦ってきたが敗れたことは一度としてない。
戦艦に至っては轟沈した経験すらないのでグレイモスはどんな攻撃が来ようとも装甲を抜くことは不可能だと考えていた。どんな爆撃を受けてもどんな砲撃を受けてもどんな魚雷を受けても沈まなかった戦艦〈ガルバスター〉は彼の誇りであった。
「提督閣下、島発見の報あり。北東1時の方向です」
どうやらユースティアを発見したようだ。
双眼鏡を覗き込むと確かにうっすらとだが島のようなものが見える。
この世界は平面だと判明しているため遠くまで見通せる。
「確か5つの島からなる国だったな。よし、偵察機を上げろ」
グレイモスの命令は直ちに無線で空母に伝えられ偵察機が発艦した。
青く澄み渡った空に深緑色の機体が映える。
「敵軍も馬鹿ではあるまい。出撃はまだだろうが、気を引き締めておけ!」
―――
――ユースティア・ザルツ本島南端・シルム空防基地
空防隊レーダーサイトが南西方向からザルツ本島へ向かう飛行物体を捕捉した。
「レーダーに感あり。未確認機が1機、防空識別圏へ侵入します」
レーダー士からの報告を受けてシルム基地の責任者であるカーツ・ホムスター空将がすぐに確認の指示を下した。
「ユースティア機の飛行はありません。国際緊急周波数は通じないと思われますがどうしますか?」
「そうだったな。魔導飛空艇か戦闘機かも分からんし……これは後で対策が必要だな」
国防隊の中に世界共通言語を習得している者はまだまだ少ないこともあってホムスターはスクランブルを決断する。
「直ちにスクランブル発進。警告を行え!」
空防隊員が素早い動作でY-15戦闘機に乗り込むとジェットエンジンの轟音と共に空へと飛び立っていく。
あっと言う間に未確認機に接近したY-15は超音速ですれ違うとターンしてバックを取った。
『こちら〈SSP01〉。未確認機発見。国籍は不明。これよりフレアによる警告を行う』
「国籍不明か……確か南西に帝国主義国家があると聞いたな」
『んだよ……未確認機の速度が遅すぎる。未確認機、フレアに反応……って撃ってきたぞおい!』
あっさり未確認機の前に出てフレアを放出すると、それに驚いた64式ガルマキラは反射的に発砲を行ったが遷音速まで速度を落としていてもまだ速いため命中することはない。
『このまま行けば領空に入るがどうしますか?』
「背後についたまま追い回してやれ。識別圏から叩き出せ」
ホムスターの命令が直ちに無線で伝えられる。
シルム基地から150km地点で鬼ごっこが始まったようだ。
「どこかの艦隊が接近している可能性があるな。早期警戒機を上げろ。南西方向に向かえ」
こんな場所で飛行している機体が単独なはずがない。
嫌な予感しかしないので早期警戒機を上げることにした。
彼は自分の勘が確かならどこかの国の艦隊がユースティアを攻撃するためにこちらへ向っていると考えていた。
しばらくすると未確認機が南西方向へ飛び去ったとの報告を受ける。
やはり予感は当たっていたようだ。
「魔導戦艦2隻、魔導巡洋艦2隻を空中待機させておけ」
どんどん基地内が騒がしくなり空防隊員たちが忙しなく動き始めた。
そして魔導炉が淡い緑色の光を放ち魔導艦が浮遊を始める。
『こちら早期警戒機。南西180km地点に大艦隊を発見。内訳は戦艦3、重巡洋艦10、駆逐艦25、大型空母5、補給艦10。データを送る』
高高度を飛ぶ早期警戒機から連絡が入る。
「艦隊は海上艦か。魔導艦ではなさそうだ」
「ユースティアを攻める気でしょうか? これでは三正面に敵を抱えることになりますよ……」
ホムスターと同じ考えなのだろう、隣にいた一等陸佐も国家の現状を理解しているため心配する言葉が口から出た。
恐らく敵だが断定はできない。
よって先制攻撃などもっての外だ。
何故か。
自衛するにも撃たれてから撃ち返せと言われるような国だからだ。
ユースティアはそう言う国なのである。
「ルルシュ海防基地に艦隊群派遣の要請をしろ。こちらの魔導砲がどこまで通用するか分からん」
通信士は未確認艦隊の情報とデータを海防基地へ送り、イージス戦艦を中心とした第8護衛艦隊群の出動を求めた。大型の空母らしきものがあると言うことは艦載機は200ほどあると考えても良いだろう。
先制攻撃で空母を対艦ミサイルで撃破してしまえば楽なのだが、それをしてしまうと関係各所から吊し上げられるのは確実で政権にとって致命傷になりかねない。
何より国防隊法違反だ。一応は政府の見解によれば緊急時はパイロットの判断で攻撃は可能らしい。
「魔導艦に告ぐ。領海内に侵入するまで砲撃することはできない。侵入を確認次第警告射撃を行う。警告射撃以外の砲も射撃用意しておくように」
データリンクにより自動的に捕捉追尾、攻撃が行われる。
領海は22km以内であるので戦艦が艦砲射撃を行えば市街地に被害が出る可能性がある。だが国防隊は自縄自縛の法に絡め取られていて動きたくても動けないのが現実だ。
基地内を緊張が支配する。
――ガラベルム帝國海軍・北伐艦隊
『敵機による攻撃を受けた! 繰り返す敵機は――は、速いッ! くそがぁ!』
偵察機から無線が入るが要領を得ない内容であった。
実際はただのフレアだったのだが、そんなことは知る由もない。
「こちら旗艦〈ガルバスター〉。詳細を報告せよ!」
『追いかけてくる! 振り切れないッ』
どうやら敵も優秀なパイロットを育成しているようだ。
振り切れない程のテクニックを持っているのは間違いない。
舐めてかかれる相手ではないとグレイモスは直感で感じ取った。
「魔法文明にも戦闘機はあったようだな。偵察機を撤退させろ」
『偵察機は撤退せよ。繰り返す撤退せよ』
『り、了解した。これより帰投する』
「撃墜はされなかったようだな。空母機動隊に連絡。64式ガルマキラを全機出撃させろ。遅れて61式ガルベース爆撃機もだ」
命令が伝えられた空母から大量の戦闘機が空へと舞いあがっていく。
そして美しい編隊を作ると一糸乱れぬ飛行を見せて北東方向へと飛び去っていった。
「レーダーには何も映らないか?」
「はい。穏やかなものです」
ガラベルム帝國の艦艇に積める航空レーダーの探知距離は約150kmほどであった。
まだ何も映ってはいない。
64式ガルマキラは時速620kmを誇るガラベルム帝國自慢の戦闘機だ。
本国では最新鋭機のテストを行っているそうだが、今現在この機体に勝てる者などいない。それは旧世界でもそうであった。
「さぁ魔法文明の力を見せてもらおうか」
グレイモスは内心で敵が強いことを願いつつ獰猛な笑みを浮かべて勝利を誓うのであった。
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