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第1話 異変

いつもお読み頂きありがとうございます。

新連載を開始致します。

ちょっとスロースターターな作品ですが温かい目で読んでやってくださいませ。

現在、今作品はコンテストに参加しております!

評価★★★★★とブクマをして頂けると嬉しいです!

ブクマをしてもらえれば更新された時分かりますし、評価して頂ければ作品が浮上できます。


この作品ともう1作も投降しておりますのでそちらも是非!

・『セレンティア・サ・ガ』

 ~ゲーム世界のモブに転生して~

 モブストーリーは突然に――ストーリーからは逃げられない――


本日は8時、12時、17時の3回更新です。

よろしくお願い致します。

『高度に発達した科学は魔導と見分けがつかない』


 では科学と魔導が融合を果たしたら?


 更なる発展が見込めるのではないだろうか。


 ■ユリス歴2569年1月1日 夜半

  ユースティア 首都マグナティア


 それは起こった。


 突然の出来事であった。


 大規模な地揺れが起こり、叩き起こされた人々は家から飛び出した。


 まるで天の怒りが顕現したかのような天変地異に皆が動揺し狼狽する中、漆黒の闇夜に神々しいまでの光が明滅した。


 人々は余震に怯えながら、朝まで眠れぬ夜を過ごすこととなる。


 ユースティア国民でこう思わなかった者はいないだろう。


 ――新年早々、縁起が悪い




 ―――

 ――

 ―




 暁――夜中の大地震にもかかわらず配達された朝刊を読んで、オボロ・フジワラはその顔をしかめていた。


 新聞の見出しには一見大袈裟とも思える文字が躍っている。


『周辺各国との魔導通信が途絶!! 地震の影響か?』


『政府、哨戒飛空艇を各地に派遣か 国民に毅然とした行動を求める』


『大地震の規模はT(タイタン)9以上 各地で被害相次ぐも余震の兆行見られず』


『空に明滅現象起こる! 原因は不明と政府発表』


 オボロは新聞を畳むと目の前のテーブルへと放り投げる。


「新年早々縁起でもない。で、どーすんだ。この状況……」


 室内は大地震の影響でしっちゃかめっちゃかである。

 デスクに置いてあった資料の山は崩壊して床に散らばっているし、台所は食器棚が倒れて陶器やガラスの破片が散乱している。

 今日はまともに仕事などできないだろう。


 オボロは現在25歳のユースティア国民で、かつて魔導科学技術省――通称、魔技省の長官を務めたコーラル・デ・ヴァイドの下で勉学に励んだ。

 飛び級で魔導技術大学(旧魔導技術帝國大学)に入学した秀才でもある。

 卒業後は外務省勤務となり外務官僚としてユースティアの外交の一端を担っていくこととなった。

 幸か不幸か、今のところ外務省からの連絡はない。


 現在、師匠であるコーラルは何処からか呼び出しを受けて不在である。

 恐らく大学にでも行ったのだろう。高名な魔導士でもあるので魔導省に行っている可能性もある。

 新聞を読んでも大した情報を得られないことを理解したオボロは、取り敢えず朝食でも取ろうと台所に移動するも足の踏み場もない状態だ。

 魔力を練り、ゴミと化した食器類などを操作して集め、ゴミ袋に入れる。


 この世界は古の魔法を復活させ、魔導の力として体系化した文明が割拠している。このユースティアも魔導技術立国であり、かつて世界の列強国に名を連ねた国の一つであった。過去形なのは現在のこの国は先進国家の一つではあるが、決して超大国と言えないからである。


 今から127年前に起こった世界大戦でユースティアは敗戦国となった。


 当時は各国が世界の覇権を握るべく動いており、列強国も準列強国も皆、覇権国家であったのだ。諸国はこぞって弱小国家の植民地化や属国化を推し進め、自国の利益のみを追求するのが正義とされた時代であり、平和と言う概念とは程遠い時代だった。その頃のユースティアは、神聖ユースティア帝國と言う名前であり、亜人国家の植民地からの解放や魔導資源の確保、世界各地に暮らす国民の安全を護るために止むなく大戦に身を投じた。


 それは侵略的な戦争ではなく、あくまでも国家の安全保障を賭けた戦争であった。しかし、本国に資源がなく魔導技術立国であった神聖ユースティア帝國は激戦の末、重要島嶼を落とされた上、魔導資源の枯渇から劣勢に立たされた。

 大規模魔核兵器と究極大魔法を三つの都市に撃ち込まれ、更には中立条約を結んでいた国が条約を破棄して侵攻してきたため降伏せざるを得ない状況に追い込まれたのである。


 戦後、魔導兵器や魔導技術の破棄を強制されて牙を抜かれ、反戦・平和・自虐教育と言う名の洗脳統治を受けることとなった。

 そして112年前に新国家として成立したのが現在のユースティアである。

 天空に昇る旭神きょくしんの末裔であった皇帝は処断されたが、皇族の血脈は残ったため辛うじて男子直系の皇統は護られた。

 しかし戦後、ユースティアを占領統治していたアマリア帝國が方針を転換したせいで時代の流れと共に再軍備することになる。

 理由は平和や人道から来るものではなく、あくまで周辺情勢の不安定化からであった。


 こうしてユースティアは国体をズタズタにされて現在に至ると言う訳である。


 だがそんな中でも強国を再生させようとする気概を持つ者がいなくなった訳ではなかった。

 ユースティアには地球から転生した元日本人たちが多くいたのだ。

 その数は3000万以上に上り、魔導技術のみにより発展してきた世界に科学技術という名の切り札をもたらした。

 敗戦後、ユースティアは日本人たちの力を得て科学技術による艦船、戦闘機、兵器などを開発して牙を研ぎ澄ましていくこととなる。


 オボロはそんな国家を憂えつつ毎日を送っていた。

 連絡もないし今日はもう仕事になりそうもない。

 そんなことを思いながら台所をさっさと片付けて、パンをかじりつつコーヒーを飲んだ。これから起こる波乱に満ちた国難の中で国家のため奮闘することになるとは微塵も思わずに……。




 ―――

 ――

 ―




 ■聖ゼノ暦4215年1月1日

  ???


 精緻な彫刻が施された扉を開けて、老齢の男が部屋に飛び込んで来た。

 その部屋は一言で言えば豪奢、しかしそこに下品さはない。

 豪華ながら荘厳――そんな雰囲気がそこには存在した。

 ここは執務室であった。

 部屋の主は慌てて敬礼する男を一瞥すると顎をしゃくった。


「陛下、昨夜ですが例の現象が発生したと天文庁長官から連絡がございました」


「ふむ。そうか……今回の国家転移は速かったようだな……」


 ハイエルフにしては珍しいフルベアードの立派な髭を蓄えた、どこか貫禄すら感じさせるその男がポツリと呟く。

 長い耳をぴくつかせながら、帝都が一望できるバルコニーに出ると目を細める。

 老齢の男は、皇帝の様子をジッと見つめながらそっと溜め息を漏らした。

 彼が耳をぴくつかせるのは、期待に胸を高鳴らせている時なのだ。


「さて……此度こたびはどんな国が現れるやら……」


 そんな独り言は帝都に吹く、天つ風に乗って消えた。

ありがとうございました!

また読みにいらしてください!


本日7/21(月)から新連載を開始します。

タイトルは以下の通り。

『異世界に転移させられたんだが、俺のダンジョン攻略が異世界と地球で同時ライブ配信されているようです』

https://ncode.syosetu.com/n3681ku/

異世界&現代ファンタジーのダンジョン配信ものです。

異世界と地球(世界)の両世界でダンジョン攻略の様子を同時実況配信されてしまうお話。

主人公が天国と地獄の勢力争いに巻き込まれていきます。

6話目からですが、水晶球カメラのサフィさんの実況解説動画を是非ご覧ください。

投稿開始は18時からで本日は3回更新予定です。

URLは第1話更新の後で貼っておきます。

是非読んでみてもらえると嬉しいです。

何卒、何卒、よろしくお願い致します。

ホントにお頼み申し上げます!!!!

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