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【番外編】乙女死にゲー  作者: 勿夏七
IFストーリー
4/7

もしも最初に出会ったのがルーパルドだったら

2話のイナトと出会うシーンのもしも編です。

※救世主が複数いることについての疑問とか諸々の設定についての言及は省略しています。

「あ、そこの人、傷の手当てができるものとか持ってませんかね?」


 私が砦に足を踏み入れた途端、赤茶髪の男が声をかけてきた。鎧はへこんでおり、鎧で纏われていない部分は血に染まっていた。ミニマップに表示される緑色のアイコンは敵対していない証。

 この人は緑色だ。敵ではないようだし、近づいても問題はないだろう。私は常備薬である回復薬を手渡した。男は感謝の言葉を述べ、それを飲み干した。


「ええ? 一瞬にして傷も鎧まで治った!? もしかして団長の言ってた救世主さまですか?」

「あ、はい。そうみたいです」

「ええ〜〜こんな美人が! 団長より先に見られたの嬉しすぎ」


 一通り1人ではしゃいだ後、男は立ち上がり、私に握手を求めた。


「俺、ルーパルドって言います。ゲムデース国の騎士で、ここには賊討伐のために来ました」


 賊討伐を終わらせたからとその場で休憩。そうしていると、ゾンビが地面から這い出してきて攻撃されてしまったらしい。団長にどやされる前に治してもらえてよかったとルーパルドは笑顔で言った。

 どうやら団長という人は、私よりも前に来ていた救世主を保護するために動いているらしい。その代わりにこのルーパルドと言う人がこの砦に来ていたと。


「……それで、1つ聞きたいことがあるんですが、構いませんか?」

「なんでしょう?」

「救世主さまは戦える人ですか? またすぐに音を上げるタイプなら、すぐにでも救世主をやめていただきたいんですよね」


 こっちは遊びじゃないんで。と爽やかながらも少しイラついているような口調でルーパルドはそう言った。


「多分? ここに来る前に戦い方は学びましたし」

「皆さん似たようなこと言うんですよねぇ。……ちょっと俺と手合わせしてもらっても?」

「それは、構いませんけど」


 この人、とっつきにくい人だなぁ。


 槍を構えたルーパルドに私はロッドで応戦。

 槍を避け、魔法を唱え攻撃。ルーパルドはそれをすべてあっさりと避けていく。

 怯まずに戦う姿を見てルーパルドは感心したのか、少し戦っただけで「もういいです」と構えを解いた。


「まだ戦闘慣れしてない割によく動けていたと思います。あと、人間相手でもしっかりと撃ち込んでこれるのは素直にすごいと思いますよ」


 ベタ褒めした後、ルーパルドは「では一緒に行きましょう」とニコニコと私を連れて歩き始めたのだった。


 認められたってことでいいのかな……。

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