表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【番外編】乙女死にゲー  作者: 勿夏七
没話、こぼれ話
2/7

46.微エロとはどこからどこまでを指すか

R15のつもりで書いていましたが、もしかして46話と49話の刺激強いからコンテストで落とされてるんじゃ?という指摘をいただいたのでこちらに移動。(通報とか運営からの指摘もないのでたぶんギリセーフ?)

本編は該当するであろう場所を削りました。載せるのもダメと言われたら消します。

洞窟の最深部に到着。

 ルーパルドは最深部に到着する前にへばってしまい、イナトをメインに戦うこととなった。

 ルーパルドがいる時より戦闘に時間がかかったが、イナトは的確に相手を弱らせトドメを刺す。

 お疲れ様と労いの言葉を交わしつつ、足早に宝箱の方向へ。


「早速ですが、宝箱を開けてみましょう。このままでは呪いで全滅してしまいます」

「解呪魔法でありますように――ん?」

「どうしたのですか?」

「状態異常回復魔法だって」

「それは、呪いは解けるやつです?」

「試してみようか」


 指を指示通りに動かし、ルーパルドに光を投げる。

 投げた光はルーパルドの前で弾け消えた。

 そしてすかさずルーパルドのステータスを確認。

 だが、ルーパルドにはまだ呪いがかかっている状態だった。


「その様子だと、ダメだったみたいですね。全然体軽くなってませんし……」

「単純な毒とか麻痺とかにしかダメなのかもね」

「最後の洞窟で手に入ることを願うしかありませんね」


 まさかこんなところで時間を費やすことになるなど思いもしなかった。

 

 ルーパルドの体調が悪いこともあり、最後の洞窟はまた明日に持ち越しとなった。

 洞窟を出て箱に入る際、イナトは遠い目をしており、ルーパルドはただただ疲れた表情を見せていた。


「黒スライム捕まえて実験してみようかな」

「やめてください。これ以上何も拾わないで」


 呪いに関する情報が手に入るかもしれないと思いの発言だったが、心底嫌そうにイナトは眉間を強く押していた。


「今日も早めに休み、朝早く出発しましょう」

「わかりました。先に休ませてもらいますね……」


 元気のないルーパルドは、食事もほどほどに自分の部屋へと歩き出す。その後ろ姿は大きいものの、今はとても弱っているのが見ただけでわかる。


 ルーパルドを見届けていると、ロクが食事を終え私を抱きしめた。イナトはその様子を不愉快そうにしている。

 ……やりづらい。


「私だけ神殿のお世話になろうかな……」

「それはお勧めできません。それならまだロクが引っ付いている方がマシです」

「最近のイナト、イライラしてるね。私のせいでごめんね」

「救世主様のせいではありませんよ。表に出さないよう心がけていたつもりでしたが、そんなに顔に出ていますかね……」

「私関係の時はわかりやすいかなぁ」


 ロクの頭を撫でつつ返答すると、イナトは何に対して恥じらいを持ったのか、恥ずかしそうに私から視線を逸らした。


「そ、そろそろ僕も部屋へ行きます。ロクも連れて行きますね」


 私からロクを引き剥がしイナトは慌ててリビングを離れた。

 1人残された私。寝るにしてもまだ早い時間。何かしようにもスマートフォンはここにはない。

 読書も考えたが、私はあまり本を読まないタイプだ。


「マリエとアズミに声かけてみようかな」


 チャットを使って近況報告でもしてみようかと私は部屋へと入る。

 通信機に手を伸ばしたところでドアを軽く叩く音がした。

 そこには早々に部屋へと戻ったはずのルーパルドの姿があった。


「ルーパルド? だいじょう――」

「何も聞かずに少し抱きしめさせて」


 了承する前に部屋へと入ってきて、抱きしめられてしまった。

 攻撃判定じゃないからなのか、乙女向けであるからなのか、こういう時はいつも回避できないでいる。

 よしよしと以前のようにルーパルドの頭を撫でる。

 ルーパルドは頭を撫でられることが気に入ったのか素直に受け入れた。

 ぎゅっと抱きしめられているだけなのだが、ルーパルドの息が耳にかかるせいで気恥ずかしさが増す。


「リン……」

「なに――」


 顔を見つめられているかと思いきや、瞬く間に唇を奪われていた。離れようと抵抗するものの、力で勝てるわけもなく、ルーパルドに貪るようにキスを求められる。


「口、開けて」


 開けることを拒むが、無理矢理舌を捩じ込まれ口内を掻き回す。舌を噛もうにも力が入らず、魔法で吹き飛ばしてやろうにも私の両手はルーパルドの片手で拘束されている。

 やっと離れたかと思えば色っぽい笑みで私を見つめた。顔は赤く興奮気味だ。


「リン、すっごく甘いな。もう少し――」


 息苦しい行為にヘトヘトな私。それでもルーパルドは「体力ないね」「可愛い」などと語尾にハートがつきそうなほどにいやらしい声で囁く。

 唾液を求めるように舌が動く。口内の水分を全て取られてしまうのではないかと思うほどだ。


「もっとリンを――」


 言い終えないうちにルーパルドは突然私に倒れ掛かりそのまま眠ってしまった。

 それはあまりにも呆気なく唐突だった。


「え、は? 私が気絶しそうだったんですけど?」


 怒りをぶつけたいところだが、呪いのせいかもしれないと気持ちを落ち着かせる。

 ステータス画面を見ようとメニューを開くと、画面には「おめでとうございます!」と表示されている。

 その下に記載されたそれは、ルーパルドとの関係が進んだこと、キスで呪いが解けたことが書かれていた。


「解呪魔法がなくても解けるってこと……だろうけど、いや流石に提案するのも呪い解除のためにキスするのも嫌なんだけど……」


 せめてハグで治れよ。と思った私はさほど乙女思考ではないのかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ