002_灰になる魔法少女
ちょっと前から話をするね、説明だね、回想というか、取り止めのない思い出し話だね!
あたしが、なんか死んじゃった後の話ね。
お通夜やってお葬式やってなんか火葬場?というところに来たよ。
身体は燃えちゃったね、いや別に熱くなかったよ?そこに私はいなかったわけだし、骨になって灰になってお墓に入ったんじゃないかな?途中でなんか飽きちゃったから、フラーって飛んで行っちゃったから、一つのところにいるのって苦手なんだよね。いつもどこかに行っちゃうというか、散歩とか探検とか大好き、アウトドア系なんだよあたし。
お外が大好き、で、空も飛べるってなったら、いろんなところに行ってみたいよね?そこは入っちゃだめとか、いうような、面白そうな場所にも、止められることなく入れるんだったら、そりゃあ、入るよね?
ボロボロの建物なんよ、なんか、取り壊し前のビル?とーさんしたとか、じこがあった物件とか?なんかそんな噂がある感じで、ちょうど良い、段差とかがあって楽しそうなところなんだよ、いつか入ってみたいなぁと思っていたそれが、目の前にあったので入りました。
後悔はしていない、というか、あんまり考えていないというか、うーん、後先考えられない性格だからねぇ?
で、変なのに出会ったのよ、こう、ぶつぶつと奇妙な声?独り言?を喋っている人間?みたいなの。
暑い日だったよ、猛暑とか言われている、異常で日常ないつもの夏の日、その午後3時くらい、あ、おやつの時間じゃん?いやおやつは関係ないか?お腹も空かないし。
そういう時間帯に一人、壊される前のビル?っぽい建物の何階かにいたんよ、いや何をしているのかなぁと、気になって、近づいてみたんよね。
まあ、あたし、ゆーれいだから、相手には気が付かれないわけで、かなり近くまで寄れたのよ。で、何をしてるのかなーとか、覗いてみたら、なんかね、それ、人間のようで人間じゃなかったのよ、こう、手足とかパーツは人間なのよね、だけどなんかねじれているのよ。
服とか着ているように見えたけど、それは服っぽい何かだったんよ?
顔とか歪んでいて、グルングルンしてて、こううずまきのような感じ?
目とかも、こうなか変で、ぎょろりと大きいのよ、あとついている位置とか、向きとかが、違う気がする?口とか鼻なんてどうなっているのかなというくらい、うずまきに巻き込まれている?
あれ、これはもしかして、化け物とかいうやつかな?
匂いがね、なんか人間とは違う気がしたのよね?
そして思ったね、もしかしたら、お仲間かも知れない?
ゆーれいのね?つまり種族幽霊に初遭遇したのかもって!
こういう時には挨拶が肝心なんだよね。
幽霊の挨拶ってなんだっけ?
こうだっけ?
「うらめしや!」
元気よく挨拶してみたよ、うん。