6,畑の覚悟
畑は耳郎さんと話をつけて、猫がいる河川敷まで走って行きましたが少し遅かったようです。
河川敷には黒いモヤモヤが空高くまで舞っており、普通の人間にも見えるくらいに成長を遂げていました。畑が驚いていると一匹の猫がこちらに来ました。
猫「畑の旦那…うちらのボスが怨霊に取り憑かれてしまったんだよ。他の猫はなんとか逃げれたけどボスがあんな姿になってしまったよ。」
畑「耳郎さんに相談…いや、さっき責任を取るって言ってここに来たんだ。僕は僕に出来ることをやってみせる。」
畑は怨霊のとこまで走り、他の人達に被害が出ないように怨霊を遠くの砂浜まで誘い込みました。畑は鞄から紙を取り出しこう問いかけました。
畑「光の都に住む八百万よ、僕の命と引換えにここに参上したまえ…風神!!」
霊魂術には最も簡単で最も重い術が存在する。その名を生命呼出変換術という。自身の命を削りより強い八百万を呼び出す極めて危険な術で、耳郎からも使わないように言われていた。
畑「風神よ、あの猫に取り憑いている怨霊を風で取り除いてくれ…」
風神は畑の命令に従い、怨霊を飛ばそうとした。怨霊は風神の猛攻に耐えていた。
耳郎から借りていたもう一つの武具を使う。
畑「妖刀…白虎丸」
妖刀白虎丸は耳郎の八代名刀の一つであり、中国に伝わる白虎を封印し、その技を使えるようにしたのがこの刀である。
畑は慣れない動きで怨霊に立ち向かう。怨霊は尖った爪でひっかき、畑はそれを刀で受け止める。パワーが圧倒的に足りないが、風神の風で少し怨霊が押される瞬間があるのを見つけた畑は次の瞬間…
畑「ここだ!!」
畑は怨霊と猫を切り放つことができましたが勝負はここからです。この怨霊はただの怨霊じゃありませんでした。なんと銀級の強さを誇る怨霊だったのです。
怨霊の強さ 黒級:耳郎と同等の強さ
虹級:強い術者が数十人必要
金級:強い術者が数人必要
銀級:術者が数人必要
銅級:術者一人で対処出来る
怒りの怨霊「我は、人間の怒りから産まれた哀れな怨霊…ジーヴァハッタ様だ…」
ジーヴァ「人間よ、その様子じゃ長く持たんだろ、我と組まないか?人間たちを負のどん底に沈める為になぁ」
畑は考える。この状況でジーヴァを倒せない事、畑の体力が底を尽きてる事。多分選択を誤っても殺されることには間違いない。
八咫烏「畑…畑…」
畑「耳郎さん?!今…カラスから耳郎さんの声がしたような。」
八咫烏「今はこの八咫烏〜お前の状況を見ている。生憎俺は別の依頼があるからそっちにいけないが、今のお前なら扱えると思ってコレを持ってきた。」
八咫烏の鞄のポッケから青色に輝く涙の形の宝石が出てきました。宝石の文字には武甕槌神という文字が刻まれており、その文字が光り畑に問いかける。
武甕槌神「畑…俺と合体しろ。」
畑は意味がわからなくなったが迷ってる時間などなかったので従うことにしました。
畑「今を乗り越えれるなら何だってしてやる!!」
武甕槌神「さすが耳郎の見込んだ男だ。」
畑・武甕槌神「霊魂変身!!」
畑の腕や胸、腰や脚に稲妻の模様を象った黄色と黒と白色の防具が装着され、武器は稲妻を纏ったギザギザの剣を装備する。
畑・武甕槌神「我二つの魂が一つになり、新たな人格ができた…その名も弦雷なり…」