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2,八百万の神

 ここは霊魂探偵事務所…

表は家具屋をしているが、裏では悪い八百万の神や怨霊を潰しに回る戦闘狂…

この事は耳郎さんに言わないでね(⌒▽⌒)

畑「耳郎さ〜ん」


 僕は畑。この前まで朝夜新聞の記者をしていました。今は成り行きで耳郎さんと一緒に霊魂探偵事務所を運営しているよ。研修中簡単に日記としてまとめたから見せてあげるよ


一日目

今日は耳郎さんと一緒に初めての八百万退治に同行した。耳郎さんが、僕に八百万の倒し方を教えてくれた。とても勉強になった。


二日目

今日は耳郎さんに武器の扱い方について色々教え込まれた。刀とか銃とかって、法律で禁止なんじゃなかったっけ?と思いながら沢山しごかれた。


三日目

今日は依頼がなかった…昨日の修行?が辛かったのか仕事中に倒れた。目が覚めると、霊魂の溜り場に放置されていた。死ぬかと思った。


四日目

僕は霊魂探偵助手の畑だ。今すっごくここから逃げ出したい。だから、夜逃げしたんだけど、悪い怨霊に捕まって耳郎さんとバッタリあった。終わった。


五日目

霊魂のことしか頭にない…霊魂の事以外考えられない。どうしたんだろう僕。あ〜昨日何かあったっけ、


六日目

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す…


翌日…

耳郎「畑、入った時よりかいい顔になったなぁ、ハハッ。」


畑「いえ、ちょっと老けただけです」


耳郎「そうか?何が辛かったんだ?心当たりがないな。」


畑「いえ…なんでも…ないです」


 プルルルル…プルルルル…


耳郎「はい、八百万屋の耳郎です」


客「怨霊マジクソワロタんコス…」


耳郎「オッケ、そっちの客ね」


 怨霊マジクソワロタんコスとは、霊魂探偵依頼の隠語である。考えたのは、耳郎さん。


耳郎「で、どんな依頼ですか?」


客「椅子が急に高くなったり、低くなったりするんですよ。たまに、ひとりでに動いて奇妙なんです。」


耳郎「あ〜。小怨霊ね。じゃあ二万で…」


客「たっ…高すぎですよ。ボッタクリ…ボッタクリ。警察にいいますよ!!」


耳郎「じゃあいいです。警察に怨霊は見えないと思いますが、精々解決できるよう頑張ってくださ…」  


客「分かりました…一万五千でお願いします」 


耳郎「二万」


客「だから高いって」  


耳郎「いやいやお客さん、家の料金表見てないの?皆それ見て依頼してんだよね。」  


霊魂探偵事務所依頼料金表

・退治

 小怨霊二万円  大怨霊五万円


 八百万の神八万円


・仲介一万   


耳郎「一万五千円はないからさ、仲介でどうよ。こん中だったら一番安いし」


客「仲介するだけで退治は…別?」


耳郎「そりゃそうだろ、退治と仲介の料金がべっこだから当たり前だろ。」


耳郎「まぁ、仲介でも良くなった客は一定多数いるし、いいんじゃね?」


客「わっ…分かりました。それでお願いします。」 


電話が切れた


耳郎「あぁ、面倒くせぇ客だなおい。料金表見てから電話かけろよ全く。」


畑「椅子の怨霊ですか…」  


耳郎「畑…今日の夜9時頃、鹿児島市玉里団地のファミマに集合な」


畑「一緒じゃ…」 


耳郎「別の依頼終わらせてから来るから、畑は話だけでもつけてこい。まだお前は弱いけど、俺の助手だから小怨霊くらいは倒せないとな」


 夜9時頃、畑はファミマの駐車場で車を停めた。畑の名前を呼ぶ声がして振り向くと…

そこには黒い液体塗れの耳郎さんがいた。


畑「どうしたんですかそんなに真っ黒になって?」


耳郎「依頼が墨汁の八百万だったから倒したとき、墨汁が散乱シチャッタ。テヘッ」


畑「シチャッタじゃないですよ。次の依頼があるのにその格好はないでしょ」


耳郎「大丈夫だって…ほら行くぞ…」


畑「待ってくださいよ〜」


 耳郎と畑は依頼者の自宅の玄関についた

ピンポーン…とインターホンを鳴らした。

 ドタドタとすごい勢いで降りてくるのが分かる。依頼者の田中裕太さんである。


裕太「はァ…はァ…はァ…。早く…上に、」  


畑「一回落ち着きましょうよ、ね。」


裕太「落ち着いていられるかバカモンが。こっちは幽霊が取り憑いてるかもしれないって状況なんだぞ」


耳郎「ハイハイ…とっとと案内しろ」


裕太「に、二階です。僕の部屋です。」


耳郎と畑は裕太の部屋に入った。耳郎は早速問題の椅子を調べると、小怨霊ではない事が分かった。


耳郎「裕太さん、これは怨霊じゃありませんよ」


裕太「そんな馬鹿なことはない。ひとりでに動くんだぞ、ちゃんと調べたのか。」


耳郎「えぇ…調べましたとも。これは…」


畑「八百万の幼体…ですよね、耳郎さん」 


耳郎「正解!畑が言った通り八百万の幼体、つまり害がないんだよ。」


裕太「そんな馬鹿な、俺はコイツに散々やられてきたんだぞ」


耳郎「裕太お前、この椅子何年使ってる?」 


裕太「………10年くらい。」 


耳郎「そんだけ大事に使ってたらコイツが産まれるのも必然的か…」


 八百万の幼体はその人が一番大事にしてる物に産まれる習性が稀にある。


耳郎「お前をずっと近くで見てたから、お前に何か伝えたくてこんな事したんじゃないか?」  


裕太「伝えたいこと?」


 裕太は少し考えた後、一つ思い出した…


裕太「俺は、」


 裕太が何か言おうとした瞬間、八百万の幼体が何者かに飲み込まれた。


アゲサゲ「俺は椅子の上げ下げする棒の悪八百万(アクヨロズ)のアゲサゲだ…」


アゲサゲ「幼体の八百万のせいで裕太に仕返しができなかったかが、幼体が油断した今、俺がこの体を乗っ取りお前を潰す事ができる…」


 椅子の上げ下げはこの悪八百万のせいで、八百万の幼体はその行為を一生懸命防いでいたのだ…


裕太「じゃ、じゃああの八百万は俺をずっと守ってたって事か…」


裕太「10年壊れずに俺を支えてくれていたのに、俺は退治させようとしていたのか…」


耳郎「悲しんでるとこ悪いが、俺のとっておきの技を出すからお前ら離れてな」

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