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プロローグ. 古の魔女





ーーーー私はただ、助けたかった


『魔物が出たぁっ!』

『雨が降ってくれれば……』

『あぁ、神様どうかこの子をお救いください』


ーーーーこの国を


『隣国が攻めてきたぞっ』

『負傷者を早く運べ!』

『食料はもう尽きてしまったわ……』


ーーーー人々を


『すごい!なんて力だ!』

『あぁ、彼女は救世主だ……』

『本当にありがとう!』


ーーーーただ、見たかった


『女神様っ、助けてください!』

『またきっと女神様がなんとかしてくれるさ』

『女神様、ぜひ我等のところへ!』


ーーーー人々が安心して幸せに暮らす世界を


『なぁ、彼女は本当に人間なんだろうか?』

『なんだか気味が悪いわ……』

『あいつは魔女だ!』


ーーーーただ、それだけだったのに





◇◇◇



大陸の西部に位置する中規模な国であるバルドレ王国。その歴史の中で、魔女と呼ばれる一人の女性がいた。

彼女は強大な力と叡智を備え、幾度となく国の危機を救った。


飢饉が起きれば雨を降らせ土壌を豊かにし、疫病が流行ればどんな病も治した。

他国が攻め入れば敵を打ち倒し戦争を勝利に導き、障気が溢れれば街を丸ごと浄化し人々を守った。


神の御業のような奇跡の力を持つ彼女を、人々は女神と讃え敬った。


だが、その人智を超えた大き過ぎる力は、危機が去り平和を享受し始めた人々の心に影を落とす。


あるものは恐れ、あるものは妬み、そしてあるものはその力を我が物にしようと欲した。

親しかったはずの人間は離れてゆき、欲にまみれた人間がその力を取り込もうと近付いてくる。


やがて、彼女は人々の前から姿を消した。




それから300年が経ち

今では実在したかもわからないその存在はおとぎ話のように語り継がれている。

強大な力に翻弄された、"古の魔女"と……



誤字脱字や内容におかしな点があるなど、気になることがありましたらご指摘頂けますと幸いです。

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