5.最悪の事態
「鏡花、ローゼン、アルバートから聞いてると思うけどこれからスタンピードへの対応会議を始めるからついてきてくれる?」
「クリス〜こっちは集まったで?」
「死神の酒場メンバーも遠征者以外は集まりましたね」
そうして一階の広い酒場に二つのギルドのほぼ全メンバーが揃った。
「さてと、全員集まったようね。これよりスタンピードへの対応会議を始めます。」
「発言してもいいかねぇ?」
「どうしたんや鏡花?」
「スタンピードの規模について、およそ十万、約一割強ほどが金〜白金相当だねぇ…後はこのままだと接敵まで後3時間程だねぇ」
そう、かなりの規模である。しかもまぁ、接敵までそこまで余裕がないと来たもんだ。これはまずいねぇ。
「そうですか…思っていたよりも余裕が無いですね」
「てなわけで、死神の酒場メンバーは適当に左側抑えておけばいいかな?」
「じゃあカリンは、右側抑えに行ってくれる?」
「了解したで」
「じゃあ鏡花は遊撃手、ローゼンは…正面殺ってくる?」
「ん…暴れればいいのね了解」
「では…こっちは適当に魔物を狩っていればいい感じかな?」
ならば適当に魔術ぶっ放していればいいから楽で助かるねぇ。
そうして私達は街の東側の門へと向かうことになった。
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さてと先ずは一つぶっ放すとしようかねぇ
「ディストーション、ディストーション、ディストーション、雷撃乱舞」
超高火力の雷撃をディストーションにより何度も屈折させて広範囲を巻き込む、これによって約二割程が壊滅残りにも弱い奴らにはいい感じにダメージが入ったって所かな。
「こりゃあ、随分とぶっ飛んだ新入りだな…」
「何なのよあの火力は…」
何て声が死神の酒場メンバーや百合姫メンバーから聞こえてくるが…
「さてと、こっちもやりますかね、霊装展開ー厄災顕現」
直後ありえない数の魔法陣が出現する。
その数およそ50、展開される厄災は数多の隕石。
「爆ぜろ、メテオライト=エクスプロージョン」
この攻撃もかなりの数の魔物を倒しているが未だに数は多い。
「それじゃあうちもやりますかねえ、霊装展開ー魍魎番傘」
霊装魍魎番傘、基本効果としては魔力攻撃の誘導と吸収、これにより魔術師相手には無敵とも呼べる性能をしているが実際はそんなものおまけに過ぎない。この霊装の本質とはー
「充填魔力解放ー咲き乱れなさい彼岸狂滅華」
番傘に貯められた魔力の放出これこそが本命の能力である。
さてと、私ももう少し適当に暴れまわるとしようかね。
「霊装展開ー魔導図書館、演算委託ーディストーション、身体強化魔術、タキオン、魔術並列起動ディストーション、ディストーション、ディストーション、ディストーション、融合ーminusK=融合対象ー雷撃乱舞」
私は戦場を光と同等の速度で駆け回り、負温度を纏う雷撃を縦横無尽に奔らせる。
「さてと霊装解除、どうやら片付いたみたいだねぇ」
「随分と派手に暴れまわったみたいだな」
「アルく〜ん、この子が言ってた新入り?」
「出鱈目な出力してやがるぜ…全くアル坊の奴どこで拾ってきたんだか…」
「………………」
そこにはアルバートとおそらく特務室メンバーだろう。
「アル〜何で死神の黒騎士が居るの?」
「あいつと黒騎士が新入りって俺はさっき話したはずだが?」
「お前らは先に帰っていろ、俺等は調査に入る」
「じゃあね〜死神の酒場と百合姫メンバーさん」
そう言ってアルバート達は森の方へと向かっていった。
「ほな、うちらも帰るで〜」
一先ずスタンピードは片付いた。
だが…先程戦っていたときに感じた違和感は何だったのかねぇ…
これは私もちょっと調査に同行しに行くほうが良いかもしれない。
場合によってはかなり危険な事態になるかもしれないからねぇ…
それと、こういった時の私の勘は…
「悪い時ほど当たるものだからねぇ…」
「鏡花さん、どうかいたしましたか?」
とクリスちゃんが心配そうに尋ねてくる。
「いや…ちょっと嫌な予感がしたものでね、実は戦闘中に何者かの視線を感じていたのでねぇ…これは最悪の想定だけども、私の予感はこんな時ほど当たるものだからねぇ…」
「随分と中途半端な言い回しやけどどうしたんや?」
「この街、つまり王都が地図から消えるねぇ」
そう、そして私の予想を裏付けてしまうかのごとく森の方からとてつもなく禍々しい気配がした。
「東側には封印されている神殿があったはずだからねぇ…」
「旧魔王城の主の魔王様が封印したはず…」
「私はアルバート達の所に向かうからローゼンを頼んだよっ!」
「危ないからうちも行くわ、クリスちゃん、クロウと一緒にトラム公爵達と防衛を頼むで」
「わかりました…二人とも気をつけてください…」「了解」
さてと…急がないと猶予はなさそうだねぇ…
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