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41.結果発表

 「雨神楽あめかぐらにしき、まさにレベチね……」


 戻ってきた天登あまと瑠川るかわが声をかけた。


 「はい。心技体、全てにおいて、勝てる要素が見つかりませんでした」


 「慶次けいじ君も本能でそう感じたでしょうね。彼がリアクションもしないなんて、よっぽどだわ」


 瑠川るかわはなぜか嬉しそうだ。


 「でもね、強い同期がいるってのは、とても良いことよ!」


 いつのまにか、小雪が広間に戻ってきていた。救護班に肩を借りながら来たようで、椅子に腰掛けている。


 「小雪! 大丈夫!?」


 天登あまとが駆け寄った。


 「うん、あなたこそ大丈夫?」


 「よかったーー、小雪! 俺は大丈夫だよ!負けちゃったけどね」


 「あれは、仕方ない」


 「見てた? にしきさん、まさにレベチだったよ……」


 「うん」


 「結果発表!」


 沙夜さよの声が響き渡った。


 「第254回天守御前試合の優勝者は、雨神楽あめかぐらにしき!」


 場内に拍手が沸いた。


 にしきは立ち上がり、天守に向かって深々と礼をする。


 「続いて、天守様からお言葉があります!」


 天守は前へ進み出た。


 「はい、みなさんお疲れ様でした。皆さんの奮闘を拝見して、今年のルーキーが粒揃いなこと、私は大変頼もしく感じました。雨神楽あめかぐら君、優勝おめでとう。彼はルーキーには違いないけど、独自に積んできた妖魔退治のキャリアが既に名人の域にあることは、皆も感じたはず。その彼が、ゴテンに来て、組織と力を合わさなければならないと感じた意味を、皆は噛み締めてほしい。それほど、私たちの敵は強大なんです。皆さんは、ここからがスタートです。互いに切磋琢磨し、精進していきましょう!」


 「はい!」


 広間の誰もが、大きく返事をした。


 再び沙夜さよがマイクを握る。


 「それでは明日、チーム編成の結果を発表します! それまで、解散!」

 

 小雪は病室へ戻っていった。

 アクラもゴテンに集まっており、小雪の治療チームの一員になっていた。

 心気による集中治療で、全治3日らしい。


 瑠川るかわは教員が参加する会議があるため別れ、天登あまとは割り振られた宿へ行った。


 全身の打撲傷が痛むものの、応急処置を受け、動きに特に支障はない。


 部屋で浴衣に着替え、風呂に行く。廊下ですれ違う仲居さんたちは誰もが愛想良く、傷を負った天登あまとの顔を見て、心配してくれる。


 大浴場で湯船に浸かりながら、天登あまとは今日初めて出会った同期たちのことを考えた。


 (小雪と戦った田鋤たすき五右衛門ごえもんさん、すごい剣技だった。そんな五右衛門ごえもんさんに、実力が上をいくあれほどの達人に、機転と気力で勝った小雪はなんてすごいんだ。小雪のあの信念は、どこから来るんだろうか。いつか教えてくれる日が来るかなあ)


 (慶次けいじは、見るからに近接型のスタイル。心気の使い方はよくわからなかったけど、自信と実力が備わっている。雨神楽あめかぐらさんとの一戦で、俺とのコンビネーションもあうんの呼吸でできそうに感じたな)


 (樹々《じゅじゅ》さん。心気をアートのように扱うなんて初めて見た。心気で影を作り出して代わりに戦わせるなんて、これは究極の遠隔戦闘スタイルだ。瑠川るかわさんは俺にはできないって言ってたけど、心気って、本当に個性によって大きく左右されるんだな。奥が深い……)


 (信理しんりくんは……。彼はまだ小学生だ。なのにあの頭脳と落ち着き、心力……。彼は今回きっと、俺と同じ課題を持ったはずだ。これから成長にしたがって身体ができていく。きっと近接戦のスキルを高めてくる。俺も頑張らないと)


 (そして、雨神楽あめかぐらさん。別格だ。すでに妖魔退治のキャリアを相当積んでいるって話だ。あの人には、遠隔とか近接とか、型も関係ないように感じた。あの人でさえ、1人では妖魔退治に限界を感じた。上には上がいる。俺が求める母さんの治療法も、きっとそんな高みにあるんだ。強くならなければ!)


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