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36.肉体

 召喚影は作り物とは思えないスピードで突進し、慶次けいじに迫った。

 次々に拳を繰り出し、肉弾戦を迫る。

 慶次けいじは召喚影の打撃をかわしたり、ガードしつつ応戦する。慶次けいじの拳にはまだ心気がまとわれているようには見えない。


 (こいつ、本当に実態のない影なのか? 打撃がめちゃくちゃ重いし、なんつうか、一発一発に気持ちも入ってるように感じる。相当手練の武闘家と拳を合わせているような感覚だ)


 召喚影が戦っている背後では、樹々《じゅじゅ》が一定間隔で召喚影に心気を送り込んでいる。弾で飛ばすように送っており、まるで燃料を補給しているようだ。


 (あれを止めればおそらく召喚影の動きは鈍る。しかし、その隙がねぇ)


 慶次けいじは格闘を続けながら考えている。


 一方樹々《じゅじゅ》も

 (しぶとい! 私の召喚影と互角にやりあえる相手なんて、今までの妖魔にもいなかった。6血だって圧倒できるのに……!)


 樹々《じゅじゅ》は信じられない気持ちでいた。

 (でも、武丸さんは心気を使っているようには見えない。肉体だけで召喚影と互角にやり合ってるのも驚異的だけど、なぜ……? もしかして、心気を使えない??)


 (そうかもしれない。先生が言ってた。破邪士の中には、物理的な鍛錬だけで妖魔と戦う戦闘力を持つ者もいるって)


 (だけどその破邪士が、一流の力を身につけるのは至難の技だと言ってた。つまり、この人は、ここまでが限界のはず!)


 樹々《じゅじゅ》は召喚影に次に送り込む心気を大きく溜めた。

 放つタイミングを図る。相手に隙ができるタイミングが良い。


 その時、慶次けいじの右ストレートが決まり、召喚影は吹っ飛んだ! 


 「もらった!」


 慶次けいじは相手を追いかけ、トドメの一発をお見舞いしようと距離を詰める。


 「今だ!」


 樹々《じゅじゅ》はふっ飛んで起きあがろうとしている召喚影に渾身の心気を注入した。

 召喚影は心臓のあたりがドクンと跳ね、一瞬で大きく筋肥大した姿に成り変わった。

 召喚影はすぐさま飛び起き、慶次けいじを迎え撃つ体制を取る。

 スピードが格段に向上しているほか、カウンターの体制に入った召喚影の拳には、心気のようなオーラまで生じている。


 慶次けいじは体勢を変えられない。そのまま右ストレートを出す! そのとき、慶次けいじの拳も白い輝きを放った!

 

 2人の拳が交差した瞬間、大きな爆発音が生じた。同時に、煙がもうもうと立ち上がる。


 風が煙を払った時、召喚影は消えていた。


 慶次けいじはダメージは受けたようだが、しっかりと立っている。


 樹々《じゅじゅ》は座り込んだ。


 「私の召喚影が負けた……?」


 「樹々《じゅじゅ》ちゃんだっけ……? ワリィ、俺も一応、心気は出るんだよ……。たまにね。」


 「勝者! 武丸慶次けいじ!」


 沙夜さよが叫んだ。


 胴間が瑠川るかわに言った。


 「言ったろ? あいつはほんと不器用なんだ。自分の意思で心気を出し入れしたり、造形したりって、頭で考えてると追いつかねえ。だからあいつが本気で攻撃した時に、心気が気まぐれで出て、あとからついてくるような発現の仕方だ。今みたいな感じでな!」


 「そんなタイプ初めて聞いたわ」


 「はっはっはっ! 俺もだよ! だが破邪士ってのは、要は妖魔をぶちのめせばいいんだからな。あいつはあのスタイルで、それができている。それでいいんだよ!」



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