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27.天守

 「沙夜さよちゃん、これに向かって話せばいいの? これがカメラ?」


 「そうです! 天守様、このカメラをご覧になってお話しください」


 「はい、ありがとう。えぇっと、皆さん、私が天守の、有栖川凛と申します。皆さん、破邪士の世界へようこそ。歓迎と期待の気持ちで、私は胸がいっぱいです」


 天守は、和服がよく似合う女性だった。


 天登あまとが隣をみると、瑠川るかわは崩していた足を戻し、神妙な面持ちで正座している。


 「みなさんが破邪士を志した理由は、本当にそれぞれだと思います。妖魔に大切な人を傷つけられた人、妖魔から守りたい人がいる人、生まれつき強い心気のために、スカウトされた人、人間社会の存続に正義感を燃やす人・・・。目的も含め、みなさんの理由はそれぞれ違います」


 「でも、今からは、皆さん等しく、私たちの仲間です。今こうしている間にも、各地で妖魔が人間を苦しめています。破邪士達は、これに命を賭して立ち向かっています。妖魔に遭わずにすむ人生だってあります。でも、遭ってしまったら、その人の人生は、理不尽に、無惨に、歪められてしまいます」


 「人間は天地創造の太古から、妖魔と戦ってきました。何千年と経ち、今、妖魔の活動は活発化し、人間社会への浸透は危機的なレベルに達しています。彼らは、人間社会転覆の野望を、具体の行動で示そうとしています。ただ、そこに、謎に包まれていた彼らの生身が見えかけています。私たちは、その端緒をつかみつつあります」


 「危機的状況にある今、同時に妖魔を殲滅せんめつする数千年来の好機でもあるのです。みなさんのお力を貸してください。私たちと一緒に、邪のない、世界を目指しましょう」


 モニター越しに話す天守の声に、スピーカーを通しているにもかかわらず、天登あまとは春風のような心地よさを感じた。


 おそらく30歳前後と見られる女性リーダーの、人間に向けた深い温かみの一方で、妖魔に挑む強い決意と厳しい姿勢が、同時に伝わってくるスピーチだった。


 瑠川るかわが真剣な面持ちで正座を続けている。

 小雪も、自らの意思を再確認した表情だ。


 「天守さま、ありがとうございました。それではこれで、合格発表を終わります! みなさん、ゴテンでお会いしましょう」


 モニターが切れた。


 「はい、それじゃあ、一旦解散して、2人もそれぞれ準備をしてね。明日の朝10時に、ここへ集合! ゴテンがある函館へ出発よ!」

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