26.合格発表
ここから、新章「天守御前試合編」がスタートします!
天登が心強い仲間達と出会い、自らの課題を見出して成長にもがく姿を書いていきます。
彼を支える魅力的なキャラクター達にも、ぜひご注目ください!
瑠川、天登、小雪、アクラは、本堂に集合し、正座した。
本堂正面に大型モニターが持ち込まれ、zoumでリモート会議が開かれる。すでにネットワークやカメラをはじめ機器の準備は整っている。
瑠川が説明をはじめた。
「みんな、天守様について、特に天登にはあまり教えていなかったわね。天守とは、破邪士の頂点に立つ方です。最高の結界術を操る有栖川家が代々世襲し、当代の天守は有栖川 凛という方です。ゴテンと呼ばれる城に住んでおられ、約100名ほどの破邪士の活動を指揮しておられます」
3人はうなづいた。
「今日は私たちの他にも、全国各地をzoumで繋げて、それぞれからエントリーしていた破邪士見習い達が、合格発表を聞きます。天守は貴方達2人を含め、受験者31名全員の卒業試験を見ておられたのよ。心して聞きましょう」
「はい」
3人は返事をした。
瑠川の説明が終わるや否や、モニターが映った。
髭面のむさ苦しい男がいきなりドアップになっている。
「あ、あー、聞こえてんのか? これ? あ、あー、え、もうはじまってる?! おいおい、言ってくれよ! 顔を作れてねぇよ! えー、皆さんおはようございます。もうはじまってしまいました。えーっと、俺、じゃなかった、私は、ゴテンにいる伍代です。今から、破邪士認定試験の、結果を発表します。全員ミュート、カメラはオンにしてください。合格した者は、直ちにゴテンに集まってください。天守御前試合をやるので」
天登は驚いた。
「天守御前試合?」
「あら言ったわよね?小雪?」
「知らない」
「あらそう、じゃあ伍代さんの説明を聞きましょう」
瑠川に悪びれる様子はない。
「えーー、天守御前試合ってのは、トーナメントで天守が直々に新人破邪士の戦いを見て、今後の任務の種類や、チーム編成の参考にします。みんなも知ってると思うが、破邪士ってのはチームで活動する。基本単位はスリーマンセル、つまり3人1組で任務にあたる。そのチーム分けを、戦いをみてから決めるということです」
横から声が入る。
「伍代さん、伍代さん、御前試合の説明は合格発表のあとで・・・」
「おぉ、そうだったな。順番間違えちまったよ。まずは合格発表だ。よし、今から名前を呼ばれた奴は合格だ。今回の受験者31名中、合格者は7名!」
「まずは、雨神楽錦! 続いて武丸慶次! 網川樹々《じゅじゅ》! 田鋤五右衛門! 海堂信理! 日皐月小雪! 津神天登!」
「おめでとう!小雪!天登!」
瑠川が祝いの言葉を述べた。
「天登なんて、腕も千切れたんだからねぇ!千切れ甲斐あったねぇ!」
「千切れ甲斐ってよくわからないですが、とにかくありがとうございます!」
小雪も、喜びを噛みしているようだ。
「よーし、合格者も発表したところだ、みんな聞けー!」
伍代が続けた。
「今からみんな、函館に来い!ゴテンだ!これからお前らの拠点は、先輩破邪士達と同じく、ゴテンになる!来たら早速御前試合だ!心してかかれ!」
「あの、伍代さんの説明がひどいので、私から補足します。私はみなさんのお世話がかりを仰せつかりました、古舘沙夜です」
20代前半であろう女性が顔を出した。
「初めまして。私も去年合格した破邪士です。ゴテンへのアクセス、持ち物、その他注意事項は、皆さんにLIMEグループを作って共有します。天守御前試合当日の夜は、破邪士頂上会議も併せて開催しますので、担当教員は、引率を兼ねて必ず出席してください。連絡事項は以上です。何か質問がある方は、zoumの挙手マークをタップしてください」
「はいはいはい!」
「zoumで挙手と言いましたが、いいでしょう。武丸慶次くん」
「はい! あの! 沙夜さんの好きなタイプを教えてください!」
「あ、あほがいた‥」
瑠川が呟く。
「はい、全国zoumであほなことを聞くバカはほっといて、他に何かありますかぁ?」
「沙夜さん照れたん‥‥」
武丸は話している途中で強制ミュートにされたようだ。
「いいじゃねぇか、教えてやれよ!」
後ろで伍代の声が聞こえる。これも沙夜は無視したようだ。
「えー、これ以上質問はないようなので、最後に、天守様のお言葉があります!」
伍代が後ろでブツブツ言っていたが、すぐさま黙った。




