表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/82

青嵐、旅の途中

風蘭は、ぼんやりと天井を見ていた。記憶は、あちこちと欠けているが、自分が、瑠璃光に災いをもたらしてしまった事は理解できている。決して、瑠璃光は、自分に恋情を抱いている訳ではないことは、理解している。自分が、恋親しんでいる事に、間違いはないけど、瑠璃光が自分に抱く感情は、負い目だったりする事をわかっていた。認めたくはなかった。瑠璃光は、自分の自由と引き換えに、風蘭を苦境に立たせてしまった事に、負い目を感じ、自分を気にかけてくれている。それでも、良かった。少しでも、そばにいられれば。瑠璃光の役に立てれば、それでもいいと思ってはいたが、成徳の欲を満たす為の道具になってしまった事は、本意ではない。まして、妖物と変わってしまう身体になった事は、身を引き裂くほどに辛かった。

「望んではない」

思わず、口から言葉がこぼれ出る。

「どうしました?」

天蓋の外に居た青嵐が、薬湯を渡そうとして声をかけた。

「あ!」

風蘭は、はだけていた衣を慌てて引き上げる。

「あなたは・・」

記憶を手繰り寄せる。いつも、控えめに後ろの方にいた少年だった。まだ、幼さが、顔の端はしに見えるが、瑠璃光が同行している様子を見ると霊力も、ほどほどにあるように見える。浄化する時に、紗々姫と瑠璃光と霊力を合わせて一人だとは思っている。

「青嵐です」

改めて見る風蘭の姿に青嵐は、顔を赤た。肌も露わな年上の女性の姿は、青嵐には、刺激が強すぎた様だった。蛟の精に侵された風蘭を治療する為に、瑠璃光は残れと言っていたが、最初は、紗々姫と同じ蛟と一緒にいるのは、気分が悪いと思っていた。しかし、日々、一緒に過ごし昼夜を治療に費やすうちに、少しずつ、風蘭の内面がわかってきた。

「薬湯を作って来たから、飲んで」

青嵐は、自分の気持ちに気づかれないように、ぶっきら坊の薬湯の入っている器を差し出した。

「ありがとう」

意識がないほど、うなされていたが、青嵐の治療の甲斐があり、この所、意識がはっきりしている。風蘭は、青嵐のおかげでここまで、良くなったと思ったが、二人きりで、いる事がなんとなく恥ずかしくなり、一気に薬湯を流し込むと、あまりの苦さにむせてしまった。

「うぅ!」

むせる風蘭に青嵐は、慌てて、口直しの雨を渡すのを忘れている事に気づいた。

「忘れていた」

風蘭の口元に、飴を載せると、人差し指が、唇に触れてしまい慌てて、指を引っ込めた。

「ごめんなさい」

男装しているのは、極秘であるが、今は、皇帝の身である。

「大丈夫」

風蘭は、口の中の飴を舌の先でそっと転がした。

「あの・・・」

風蘭は、お礼を言おうと、青嵐を見上げると、青嵐も、風蘭を見下ろしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ